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#09 わたしが見た9・11のはじまり

テレビを見ていたら、ニュース速報が流れた。
ニューヨークの高層ビルに飛行機がぶつかったらしい。
その一報を聞いたわたしは、
ニューヨーク上空を飛んでいる遊覧飛行機が、
操縦ミスをしてビルにぶつかってしまったのかもしれない、
大変な事故が起きてしまった。
そんなふうに思っていた。

とりあえず、チャンネルをNHKに合わせる。
確かなことはまだわかっていないということを、ニューヨーク支局と中継を結んで伝えていた。

背景には、青空の中に飛行機がぶつかったワールドトレードセンタービルの生放送の映像が映し出されていた。

その背景の画面に、不意に飛行機が現れたと思った次の瞬間、
ビルの側面に吸い込まれていった。
遊覧飛行機ではなく、ジェット機だ。
これは事故ではない、事件だった。

その後、ワールドトレードセンタービルは崩れ落ちる。
その一部始終が全世界に生中継されていた。
世界中の人が、その瞬間を目撃した。

自分の考えもつかないことがどうやら起きたことだけは、わかった。
大変なことになる。
しばらく、立ち上がることができなかった。

これが、わたしの見た9・11のはじまり。