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#10 ぶたなどの動物に「お尻から呼吸する能力があることを発見」2024 イグ・ノーベル賞雑感

朝、通勤の車の中のラジオから、
日本人研究者が、今年のイグノーベル賞生理学賞を受賞した、
というニュースが流れてきた。

ブタなどの動物に「お尻から呼吸する能力があることを発見した」

お尻から呼吸?

ラジオのボリュームを少し上げてよく聞いてみる。

どうやら、
「肺呼吸をするように、肛門から自発呼吸ができる」
ということではなく、
「肺呼吸が困難な状態の豚に
 高濃度の酸素を含む液体をお尻から腸に注入すると、
 血液中の酸素が増え、呼吸不全の症状の回復がみられた。」
ということのようだ。

ブタなどの動物って、
哺乳類全体的に考えられる技術ってこと?
え、人間への応用、可能性あり?

今回受賞した研究、
呼吸不全の状態でも腸から血中へ酸素供給できるってこと?
人間にも応用できるとすると、
医療への応用の需要や可能性ある研究なのでは?

例えば、呼吸状態に不安のある患者さんに酸素供給できることで、
QOLの向上とか、手術不適だった患者さんが手術適応になるとか。

でも、簡単に投与できるような応用技術になると、
競技スポーツとかでドーピングに悪用されるかも。
水泳の選手の息継ぎの回数が減らせる技術になるとか…

受賞した賞が、イグ・ノーベル賞生理学賞で、
受賞内容が豚などの動物に「お尻から呼吸する能力の発見」
とちょっとキャッチーに聞こえるものだったから
ちょっと笑えるような感じだけど、
その応用次第で、
同じ研究がその専門分野の大きな賞を受賞するとか
もっと革新的な研究に応用されるようになれば、
もしかしてノーベル賞も…
なんにせよ、可能性広がる研究かも、と期待したくなる。

日本国内の研究者・開発者から
18年連続イグ・ノーベル賞を受賞者が出ているとか。
イグ・ノーベル賞は「人々を笑わせ考えさせた研究」与えられる賞。
なので、研究や社会的事件に対して
ユニークな意味合いでの賞の授与もあれば、
時には強烈な皮肉・風刺的な意味合いでの賞の授与のケースもある。

イグ・ノーベル賞の世界的評価はよくわからないけど、
ニュースになっているのを見ると、いつもほんのちょっと気になっていた。

日本の研究者が受賞すると、研究内容や社会的事件がどのようなものか
ポジティブに捉えて良いかどうか、ということもあると思うが、
それも含めて、「人々を笑わせて考えさせた研究」というこの賞の存在が
研究の多様性と自由、その豊かさをを感じさせてくれる。

そしてこのイグ・ノーベル賞が存在する社会は、
多様性と自由、学術・文化的な豊かさを目指す姿勢がある社会である
と捉えることができるのではないか。
わたしはそう思いたい。