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ひときわ音楽祭2024出演者インタビューVol.2『式町水晶さん』
「ひときわマガジン」は、ボーダレスな無料野外音楽フェス「ひときわ音楽祭」が運営する、ちがいに耳を傾けるWEBマガジン。ひときわ音楽祭の出演者や、その他多様な人々の"ひときわの魅力"に注目し、会いに行きたくなる発信をしていきます!
今日インタビューするのはプロヴァイオリニストの、式町水晶さん。東京にいらっしゃる式町さんにオンラインでインタビューさせていただきました。Vol.1に引き続き、インタビュアーは、フェスを企画する人と音色でインターンをしています井上七香(いのうえななか)です。
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式町水晶
ポップヴァイオリニストト / 脳性麻痺
1996年北海道旭川生まれ。”脳性まひ”と闘うプロヴァイオリニスト。東日本大震災の津波に耐えた陸前高田奇跡の一本松と被災地に残された瓦礫や家具を再利用してくられた「津波ヴァイオリン」を所持し演奏することを託され、障がい者と健常者の垣根を超え、より多くの人に夢や希望を贈りたいとの思いで、被災地をはじめ全国各地で災害支援活動や社会貢献活動を中心に、コンサート、ライブ、各種講演会、楽曲制作も精力的に行っております。
https://www.shikimachimizuki-violin.com/
ーーーこのたびはひときわ音楽祭への出演ありがとうございます!今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
実はですね、僕の祖母が高齢でね、90歳なんですけど、一時期大阪に住んでたんですよ。
そういうこともあって大阪の方々めちゃくちゃ好きなんですよ。大阪の方々が好きなんです。僕って警戒心がすごい強くて、でも大阪の方っていうのは、距離感を大切にしながらも結構積極的に詰めてくださるじゃないですか。それが僕にとっては表現や方言が親しみ安くて、すっごい好きなんですよ。 ひときわ音楽祭が大阪っていうのが何より嬉しいですね。
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ーーーそのように言っていただけてすごく嬉しいです!
式町さんの活動について教えて下さい!
僕は生まれつき脳性麻痺の障害があります。
4歳の時に、ヴァイオリンと出会い、プロヴァイオリニストになりました。 被災地をはじめ全国各地で災害支援活動や社会貢献活動を中心に、コンサート、ライブ、各種講演会、楽曲制作も行ってます。
ーーーどのようなことを目標にされているんですか?
僕自身障害を持っていることによって、日常生活を送る中でもやっぱり大変なことはあったはあたんですけど、障害がない人でも、学校へ行きなさいとか、職場でもみんな辛いのを大体持ってるんだから、それは別に心の障害じゃないんだから頑張りなさいとか プレシャーだったり、わだかまりだったりそういた辛さを皆さん持ってると思うんですね。
なので、音楽を通じて少しでも軽くできるような活動をしたいと考えています。
ーーーヴァイオリンとはどういった出会いだったんですか?
4歳の時に、母が「リハビリ」としてヴァイオリンを与えてくれたんですよ。(笑) 今は外見だけではわからないかもしれませんが、当時は筋肉が勝手に硬直したり、上手く体の筋肉の力を抜くことができなかったり、身体が震えたり、疲れやすかったり。実は15歳くらいまでは車椅子にのってたんです。
それが、僕はヴァイオリンと出会ったことで、運動機能や脳機能がなにか活性化されたんだと思うんですけど、少しずつ筋肉の力のコントロールができるようになって今は運動も好きでやりますね。ヴァイオリンとリハビリっていうのは結構奥が深いんじゃないかなと個人的に思っております。
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ーーーリハビリとしての出会いだったんですね!難しいこともあったんじゃないですか?
そうですね。脳性麻痺といって手足に障害があって、症状は軽くない。
周りの人にはね、ヴァイオリニストにはなれないと言われてしまったんですど、それを言われて悲しかった訳でも実際なくて、まぁそりゃそうだよねって思ってたんですよ。
僕が無理だよと言っても、母は僕以上に「できる」って信じてくれてました。 母をはじめ、周りの「やってみようよ」っていうチャレンジャー的な考え方が僕を引っ張ってくれたんです。
ーーーまわりに支えられて継続されてきたんですね。
僕自身、めちゃめちゃ根性があってすごく頑張ってきたわけじゃなくって、むしろ結構すぐ諦めちゃう性格だと思ってるんですけど、 母がすごく前向きな人で「この子はヴァイオリニストになれるから」って、諦めさせてくれなかったんですよ(笑)
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ーーー素晴らしいですね!
だから、一見これってむずかしいんじゃないかって一旦思ってもいいと思うんですよ。
やってみたら意外となんとかなることたくさんあるんだなって。
結構そこは人のつながりやサポートは今も大切にしたい、そして、それを伝えていきたいですね。 僕も音楽を演奏するときに、いろんな経験をして、自分の波動を高めていって、いいエネルギーを少しでも聞いてくださるお相手に与えられるような音楽をできたらいいなと思いますね。
ーーー今はどんなことにチャレンジされていますか?
バリアフリーを意識しようとした時にまだ模索中なんですけど、 夢なんですけど、聴覚的だけでも、楽しめる音楽を提供したい。逆に、視覚的だけでも楽しめる音楽を提供したい。
これは僕が一生かけているテーマで、最近大きなコンサートをやらせていただく時には、映像を駆使して、映像とスクリーンを使ってヴァイオリを演奏したりとかやってるんですよ。
ーーーすごい興味深いです!
やっぱり目からの情報ってすごく強いので、聴覚障害の方が、遠慮しちゃって、耳が聞こえないから音楽のコンサートにいくのが恥ずかしいとか、申し訳ない、というふうなアンケートが来たことあって。
だったら、そんなこと気にしないで、どうか目だけでも楽しめる音楽を構築していこうということが今の夢ですね。
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ーーうんうん。すばらしいですね!目だけでも耳だけでも楽しめる音楽というの、私もすごく魅力的だなと思っていて、楽しみです。
ありがとうございます。ダンサーの方と共演したりもするんですけど、とりあえず僕もパフォーマンスできなきゃなと思って、挑戦してたら体を鍛えざるを得なくなっちゃって。(笑)
ーーーえ〜(笑)そういうのって続いたりするんですか?そこも諦められない環境とかってあるんですか?
僕、実はアニオタなんですよね。
ドラゴンボールが好きすぎて、母が、TSUTAYAで借りてきちゃったのがいけないんですよ。(笑)もう、なんていうんだろうな、ヴァイオリンの時と同じくらいの衝撃的を受けて。
男のロマンが詰まってるじゃないですけど、もう、本当に身体つきから、生き方から、勇敢さから、ドラゴンボールが僕の教科書なんですよね。
聴覚障害の方にも音楽を届けたいということで体の痛みに負けそうな時があって。でも、そんな時にはドラゴンボールを見て、勇気を出してます。
ーーー式町さんの"ひときわ"なところを教えて下さい!
やっぱり精神的なところでは修行中ですけど、障害を持たれている方と一緒に特別支援で過ごしていた経験と、 通常支援で過ごしていた経験というのが2つあるので、お互い生活リズムとか結構そこは共感できるかなと。 そう言ったところは広いかな。
見識もそうだし経験も広いので、ボーダレスにすれバリアフリーというのを重点に伝えられるヴァイオリニストではあるのかなという点には自信があります。
僕が輝いていく、僕が人生をかけてやりたいことは、やっぱり聴覚障害のかた視覚障害の方関係なく、 目だけでも耳だけでも、もっと言えば五感、どこか一つだけでも、楽しめる音楽をやり続けていくというのが、僕がひときわやりたいことですね。
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ーーーひときわ音楽祭での演奏が楽しみです!改めて、ひときわ音楽祭への意気込みをお聞かせください!
今日まで演奏させていただけたのは皆様だったり、応援をしてくださる方がいたからというのがあります。
また、これから僕のことを知ってくださる新規の方にも、知ってくださるだけで感謝ですし、ちょっと知ってくれている方にも感謝ですし、ずっと応援してくれている方にも感謝 、僕に声をかけてくださった方にも感謝です。
ひときわ音楽祭に出演できることが嬉しすぎで興奮が冷め上がらない状態なんですけれども(笑)
限られた時間の中で、みなさんの時間をジャックするってわけじゃないけど、僕に時間を使って演奏を聞いてくださることがすごく嬉しいので、せっかくだったら人生で式町水晶の音楽を聞いて、ちょっとでも元気になったよと言ってくれるよう音楽を奏でられたら。感謝の音色で気持ちを込めて演奏したいなと思います。