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「社員の幸せはプロダクトに宿る」株式会社TENGAがオフィス移転に込めた、モノづくりのこだわり

オフィス移転のやり方ひとつで会社は変わるし、そこに集う人の働き方も変わる。ヒトカラメディアは、「ただのオフィス移転」を「会社の成長の好機」に変えるサービスを提供しています。

今回ご紹介するのは、“セクシャルウェルネスメーカー”の株式会社TENGAさんのオフィス移転プロジェクト。日本を代表するものづくり企業であり、新しい価値観を世に提供し続けるTENGAさんは、ヒトカラメディアとともにどんなオフィス移転をしたのか。社員の働き方にどのような変化があったのか。

TENGAの代表取締役社長、松本光一(まつもとこういち)さんと、ヒトカラメディアでオフィス選定を担当した木幡(こはた)、内装プランニングを担当した小島(おじま)が対談をしました。

<プロフィール>
松本 光一(まつもとこういち)さん:株式会社TENGA代表取締役社長

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自力で貯めた1,000万円を元手に「世の中にない新しいものを作りたい」という思いで「TENGA」の開発をスタート。2005年に「TENGA」スタンダード5種を発売開始した。シリーズ累計出荷数は初年度100万個、現在、全世界で累計5,500万個を突破。

作り手が幸せじゃないと、人を幸せにするプロダクトは作れない

木幡:ヒトカラメディアに移転のご相談をくださったのが2016年の春でした。オフィスを移転しようと思われたきっかけは何ですか?

松本社長:実は、その前の冬くらいから移転を検討してたんです。人もいっぱいだし、荷物もいっぱいだし、会議室も足りないし…という大変な状況でした。オフィスと別で倉庫を借りて、商品の入ったダンボールを持って行き来をするようなことも。

木幡:それは重労働ですね。確か、前のオフィスは70坪でしたね。3分の1をストックスペース、残りの3分の2、45坪くらいのスペースに50人ほどの方が働かれていて、かなりパンパンな印象でした。
一番最初に松本社長にお伺いした要件は、「今いる中野坂上や四谷あたり」「60人くらいが入れる130坪くらいの広さ」「ワンフロア」でした。でも、なかなか条件に合う物件が見つからず、エリアの条件を広げていただきましたね。

松本社長:開発用の機材をオフィスに置くことができて、ストックスペースと会議室をしっかり確保できて、しかも全てがワンフロアにあること。これは絶対に譲れない条件でした。フロアが分かれてしまうと、全員の顔と状況をパッと把握できず、業務面で効率が悪くなってしまう。あと、立地も妥協したくはなかったですね。今のオフィスとそこまで離れず、社員が通いやすい場所でないと。

小島:レイアウトや棚を決める時も「社員のみんなが働きやすいか」という点に、とことんこだわっていらっしゃいましたね。

松本社長:弊社はメーカーなので、良いモノを作って世に提供して、お客様に幸せになってもらって、そこで初めて商売が成立するわけです。そして、お客様を幸せにするためには、モノ作りをする社員が、良い環境の中で、楽しくクリエイティブに仕事をすることが大事。プロダクトに作り手の思いが宿って、それがそのままお客様に伝わるからね。つまんない感じで作っても、幸せをもたらすモノは作れない。モノを作るってそういうことだと考えています。

新商品発売日の納期を守るために、夜遅くなったり土日に仕事をしなくてはいけなくなったりする日もあるわけですよ。だからせめて、社員のみんなには環境のいいところで働いてほしいんです。

木幡:働くモチベーションって、働く環境でガラリと変わりますよね。前職で窓のないオフィスで働いたのですが、なかなか…辛かったですね。

松本社長:TENGAは、アダルトグッズを提供しているんだけど、実はその先の、自分の性欲というものに向き合ってどう楽しく向き合っていくかという「新しい価値観」を提案している会社です。世界中の人の性生活を豊かにすることをビジョンに掲げ、人にとって性がどうあるべきか?という問いに対して最先端であろうとする企業なんです。

新しい価値観で勝負をしている人は、他の人と同じことを、高いクオリティでやった上で、さらに別の価値を提供しなくていいけない。それって、いい環境で楽しく働かないと、正直なかなかできないと思うんです。

木幡:そうですよね!すごくわかります。僕の仕事はオフィスの仲介ですが、お客様には、物件情報だけでなくいろんな気付きを与えられる情報提供を心がけています。オフィス移転って自社の「働き方」と向き合える数少ない機会だと思っているので。

そこで一番詳しく話すことができるのは、自分の働き方。自分の会社がどういうオフィスで、自分はどのような働き方をしていて、それが会社やメンバーにどんな影響を与えているかを語れるようにしています。これって、自分がいい環境、いろんな環境で働いていないとできないことです。

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ショールームも兼ねたエントランス

当初の希望から2倍の広さ!? 数年後のTENGAを見据えて出てきたオフィスの要件

木幡:エリアの候補を広げて、1年くらいの間で約40件ほどの物件を見ていただきましたが、その間に、希望のオフィスの広さの条件は2倍近くになりました。

松本社長:探している間に新しい事業が立ち上がったり人員が増えたりして、木幡さんが提案してくれる物件とレイアウト図面を見ていくうちに、「もっと開発スペースはあったほうがいいな」「ちょっとこれは狭いんじゃないか?」と、条件を何回も見直しました。

候補の物件でどれくらい座席が確保できるか、資料を作ってくれたのは分かりやすかったですね。最終的に、数年後には100人くらいの規模になるという採用計画もはっきり見えてきて、「250坪くらいかな」と落ち着きました。

木幡:当初のご希望だった、広さ130坪のオフィスに移転していたら、すぐに出て行かなくてはいけなかったですね。

松本社長:危うく「社長何やってんの?!」って社員に怒られちゃうとことでしたね。でも、途中が結構きつかったですね。なかなか条件が全て揃った物件に巡り会えなくて。木幡さんが諦めずに物件を提案してくれて本当に助かりました。

木幡:僕は、逆風を受けるとさらに燃えるタイプなので、日にちが経つにつれて、「絶対決めるぞ!」と燃えていきました。

小島:あの時は、全社をあげて「TENGAさんの移転を成功させるぞ!」と意気込んでいたので、毎日TENGAさんの社名が飛び交っていましたね。

松本社長:木幡さん、ある日突然、かなり強めのパーマかけてきてましたよね。あれよかったと思う。気合い入ってた。あれからすごく提案が良くなって……。

木幡:松本社長、パーマの強さと提案の質とは関係ないです(笑)

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エントランスから床が続く待合室兼、フリースペース

ショールームで実際に見て触れる。ギリギリまでこだわり抜いたオフィス内装

小島:松本社長は、内装やインテリアには「クリーンさ」や「空間の広がり」を求められていました。なので、最初は白い床などを提案させていただきましたね。

松本社長:僕は頭でしっかりとイメージができないと、どうも決められない。そんな中、小島さんは、僕がイメージできるまでとことん付き合ってくれました。実際のサンプルを取り寄せてくれたり、家具や床材メーカーのショールームに連れて行ってくれたり。

小島:特に「色」にこだわっていらっしゃって、さすが、ものづくりの会社さんだなぁと実感しました。今回はタイミングよく、前のテナントさんが原状回復する段階で壁紙を指定することができたので、コストカットにつながりました。そういうラッキーをうまく活かすために、いつまでに何を決めなくてはいけないかをこちらでしっかり把握し、松本さんが決めやすい状況を作ることに注力しました。

松本社長:木目の床は、小島さんに提案をしてもらった時点では正直あまりピンと来てなくて。でも、ショールームにいろいろと連れて行ってもらい実際の空間で見てみると、クリーンで透明感があって、バランスがとてもよくてすぐに気に入りました。斜めに配したのも、動きも出てよかったよね。椅子やデスク、棚なども全部提案してくれて、「もっとこういうのない?」って要望もしっかり汲み取ってくれて、とことん探してくれました。

うちはメーカーなので、引っ越しで、納品が遅れてお客さんに迷惑をかけるとか、絶対にあってはいけない。なので、物件選び、レイアウト、什器の手配、引っ越し、設置…自分たちでやると相当面倒なことを全部ヒトカラメディアがやってくれて、本当に助かりました。

あ、でもそういえば僕の椅子だけは、届いて座ってみたら、デスクに対して椅子があまりにも低すぎて、思わず笑ってしまいました。

小島:手違いで、別の椅子が届きましたね。いやぁ〜あの時は、本当にすみません。変な汗しか出なかったです。松本社長が場を和ませてくれましたが、自分は一切笑えませんでした(笑)

あと、開発室やストックスペースのサイズに最後の最後までこだわっていらっしゃったのも印象的です。本来はしないんですけど、壁などを作る工事の直前に最後の確認で現場に来ていただきました。すると、「あれ、松本さんいないなー」と思ったら、テープで床に壁の線を引いていらっしゃいましたよね。

松本社長:そうだった。ギリギリのタイミングで、喫煙所を小さくして、開発室とストックスペースを大きくするようお願いさせてもらったんですよね。おかげで、全く無駄のないレイアウトになりました。

小島:通常はあのタイミングでレイアウトを引き直すと、電気系統などの調整が入ったりする可能性あるので難しいんですけど、ビル指定業者の工事担当の方に、その場でできるかできないかを聞きながらレイアウトの微調整をできたのが良かったですね。

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最後に大きさを広げたストックスペース

ランチ、15分MTG、整理整頓。移転で社員の動きが変わった!

木幡:このオフィスに移転してきて、社員の方にはどのような変化がありましたか?

松本社長:表情が明るくなりましたね。窓がたくさんあって明るいし、緑も空も見えるし、オフィスには余裕と広がりがある。あと、麻布十番という場所のおかげで、みんな前より楽しく仕事をしている気がします。

社員用の休憩室はあって良かったという声が上がってきてますね。前のオフィスでは新しい社員のデスクを増やすために休憩室を潰してしまったのですが、こういうスペースがないと、他の部署のメンバーと話す機会があまりないそうで。さっき知ったのだけど、ランチ情報を共有するチャットが立ち上がっていて盛り上がっているようです。

小島:部署を越えたコミュニケーションが増えると、新商品のアイデアも出てきそうで、良いことですね。

松本社長:あと、ホワイトボードもたくさん作って良かった。ちゃんと活用されてるんですよ。パッと集まって15分くらいで結論をさっと出すようなMTGが増えて、ほんと狙い通り。

小島:「活用されてる」って、一番嬉しい言葉です。今回、僕としてもチャレンジだったのですが、来客者の方に執務スペースの脇を通って会議室に入るような導線設計にしました。来客の際に執務スペースの様子が見えるわけです。前のオフィスでは整理整頓できてないことが悩みだったと伺っていたので、社外の方を普段の仕事の場に引き込む仕掛けが必要だと思ったんです。

オープンなレイアウトにすることで、社員の方が自発的にオフィスを綺麗に保つ効果を狙ってるのですが、実際に数ヶ月経ってその効果はいかがですか?

松本社長:いい感じですよ。社員がデスクにものを置かないように心がけるようになりました。どうしても書類が多い部署にはデスクに取り付けるオーバーヘッドの棚をつけました。これも、全員のデスクに設置しなくてよかった。

小島:オーバーヘッドの棚はオフィス全体の見通しが悪くなってしまいますもんね。効果が出ていてよかったです!

松本社長:社員が仕事している姿が見えるのは、会社を訪問してくれたお客さんやパートナーに安心感を持ってもらえますしね。タペストリーがいい感じに隠してくれるのも、良い演出になってる。透明性を確保しつつ、機能性も担保する。今のTENGAにとってとても合理的なレイアウトで、満足しています。

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タペストリーで仕切った執務スペースの廊下

TENGAさんにとって最適なオフィス環境を実現する

松本社長:そこまで引っ越しの経験が多くないので、他の不動産会社との正確な比較ができないけれど、ヒトカラメディアさんには「普通の不動産会社ではここまでしてくれないだろうなー」ということがたくさんありましたね。

小島:それは、実はお恥ずかしい話、松本さんに教えていただいたことでもあるんです。移転した後、ご指摘をいただきまして…。

松本社長:下の階の飲食店の匂いが上がってくるのがしばらく直らなかったんだよね。

小島:そうなんです。換気周りは管理会社さんが管理されているので、と松本社長にご説明をして、管理会社さんに確認の依頼をしてそれっきりでした。対応まで日が経ってしまって、申し訳なかったです。再度連絡を受けて、現場に行って換気扇を見てみると、換気扇が止まっていることが原因とわかり、すぐに直すことができました。

内装工事やビルの管理はいろんな会社が担当をしているのですが、それってTENGAさんには関係ないことですよね。「TENGAさんにとって最適なオフィス環境を実現する」ことにコミットすることがヒトカラメディアに求められている価値なんだと、この一件で更に強く実感しました。オフィスを作って「はい終わり」ではなく。

松本社長:色々あったね(笑)。けど、みんな移転して喜んでますよ。レイアウトも効率的で機能的。動きやすくなりました。空間に広がりもあって、窮屈さも全くない、心地の良いオフィスです。すごく満足しています。

木幡:嬉しいお言葉、ありがとうございます!僕の仲介人生の中で、このTENGAさんのオフィスにはかなり思い入れがあります。このオフィスを決めることができて、本当に良かったです。何か不都合がありましたら、お気軽にご相談くださいね。

松本社長:そういえば、ちょっと消えにくいホワイトボードがあるから見ていただけないでしょうか。

小島:はい!喜んで!今日は本当にありがとうございました。

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TENGAの代表取締役社長、松本光一(まつもとこういち)さんと、
ヒトカラメディアでオフィス選定を担当した木幡(こはた)、
内装プランニングを担当した小島(おじま)

ヒトカラメディアは、「働く場」と「働き方」に関して、多くの成長企業のお手伝いをしています。「ただのオフィス移転」を「会社の成長の好機」に変えたいとお考えの方、働き方・働く場に関してお悩みの方、ぜひヒトカラメディアにお気軽にご相談ください。