ひとりで飲んでるけど、つながっている。コミュニティ前夜の話【人刊〇〇 vol.2 酒村ゆっけ、】
ソーシャル上のエンゲージメントから、特定のジャンルにおいて情報拡散やコミュニティの活性化に寄与する人を月イチで紹介する人刊〇〇。続いてのコミュニティは「ひとり宅飲み」です。
ひとりのおうち時間をどう過ごすべきか
お出かけや外飲みが「コソコソと隠れて行われるもの」になって幾星霜。「おうち」需要の高まりはとどまることを知りません。「おうち時間」を含むコンテンツは、2019年秋から2020年にかけて大きく伸びていることが、下のグラフからもわかります。
調査概要
・キーワード：「おうち時間」を含む記事
・データ取得期間：2016年7月1日〜2021年8月19日
・調査ツール：ソーシャル分析ツール「Buzzsumo」
そんな中、ひとり飲みを楽しむ様子をコンテンツとしてSNSに投下する人たち（≒インフルエンサー、YouTuber、タレント……）が増えてきました。
「コロナ禍で外飲みができないなら、家で自分の好きなように飲む！」気取らないスタンスに共感するフォロワーやファンたちが呼応して「一人飲み」に参戦。これまで家で一人でお酒を飲んだことがなかった人が宅飲みをはじめてみたらハマったという声も聞かれましたし、"みんなで" ひとり宅飲みをするといった不思議な動きも活発化。
コロナ流行以前から一人旅やひとりご飯（一人焼肉専門店も話題になりましたね）への注目が高まっていましたが、ここのところの外出自粛も相まって「一人で行動する（ポジティブな意味でのお一人様）」に多くの人が注目しているように思います。
「ひとり宅飲み」を起点とする価値観の共有は、現状ではオンラインでとどまっていますが（コロナ禍なので）、外出自粛のムードが解禁されたとしても、このムーブメントはさらなる発展を遂げるのではないでしょうか。なぜなら一人で過ごすことの価値を知ってしまったから。
つながってないけどつながっている、ユニークなコミュニティの誕生前夜が、いまやってきているのかもしれません。
「宅飲み」と「一人飲み」を含むコンテンツは増加
下はそれぞれ「一人飲み」「宅飲み」を含むコンテンツのコンテンツの数とエンゲージメント（※）量の時系列比較。ブレはあるものの、緊急事態宣言発令前後に増加する傾向にあることがわかります。
調査概要
・キーワード：「一人飲み」
・データ取得期間：2016年7月1日〜2021年8月19日
・調査ツール：「SOCIAL ENGAGEMENT ANALYTICS」（スパイスボックスオリジナルソーシャル分析ツール）
調査概要
・キーワード：「宅飲み」
・データ取得期間：2016年7月1日〜2021年8月19日
・調査ツール：「SOCIAL ENGAGEMENT ANALYTICS」（スパイスボックスオリジナルソーシャル分析ツール）
動画や記事などのコンテンツで一人飲みや宅飲み、上で挙げたおうち時間を充実させるためのHow toや心構え（ゆったり過ごすべし！といったような。）が紹介・発信されることで、受け手のそれらに対する意識は大きく変わったことが予想されます。
ひとりで飲んで何が悪いのか？ を代弁してくれるコミュニティ
情報や文化が拡散されていく従来のコミュニティに対して「ひとり宅飲みコミュニティ」では、「ひとりで行動すること」の怖く"なさ"、寂しく"なさ"の価値観を共有することに、存在の意義を感じる人が多いのではないでしょうか。
「自由気ままに、途中で気が変わるのも当たり前、自分の好きなスタイルでおうちでの飲酒を楽しんで何の問題もない」を体現する発信者たちに共感が集まるのは、当然のことなのかもしれませんね。
今回ご紹介した酒村ゆっけ、さんは自宅（やその周辺）での一人飲みや一人ご飯を楽しみながらも、それらを「一緒に」楽しもう（楽しめますように）！ といったメッセージを発信しています。
-酒村ゆっけ、さんのTwitterアカウント（@yukke_SAKE）より。
-概要欄より。
皆さん、疲れて何だか無気力で寂しい夜はどうやって過ごしますか。自分は、セブンイレブンで酒やつまみを買って感情を取り戻します。深夜のコンビニエンスストアで、きのこ帝国のクロノスタシスを聴きながら帰るのです。
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拝啓、見てくださった方。
どうも、酒村ゆっけ、と申します。
現在はネオ無職をしております。
今回は、(編集で)疲れ果てた夜に腹が減って感情も死に
飢餓状態だったのでセブンに行ってきました。
深夜のコンビニエンスストア、好きな人と一緒に部屋着で
行くというシチュエーションではありません。おひとり様です。
夜風に当たりながら飲む酒が堪らなく美味い、それだけで感情を取り戻すことができるのです。
アテにされていないとは思いますが、おすすめ星評価は★が5つでMAXとなっております。()は星半分です。
みなさんと共感しあえる飲み友になることを願って。
縦横のつながりがわかりやすく、お互いに影響し合うコミュニティだけでなく、価値観に共感しながらもひとりの時間を追求する（「一人で過ごす」をみんなでする）ネオなコミュニティ（酒村さんの「ネオ無職」にかこつけて）の動向に今後も注目していきたいと思います。
もっとブランディングについて考えたいあなたに
vol.1 サウナコミュニティの記事はこちら
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