植田仁の熱血キャリアのための読書術 『勝つ、ではなく、負けない。結果を出せず、悩んでいるリーダーへ』
植田仁です。
人と人を繋ぐ熱血経営者として日々精進しております。
キャリア形成において読書は本当に大切で、学びが本当に多いです。
『勝つ、ではなく、負けない。結果を出せず、悩んでいるリーダーへ』
黒田剛氏の著書『勝つ、ではなく、負けない。結果を出せず、悩んでいるリーダーへ』は、スポーツ指導者として多くの実績を残してきた著者が、リーダーとして困難に直面する人々に向けて書いた一冊です。この本は、リーダーの「勝利」に焦点を当てるのではなく、「負けない」ための心構えや行動を説いています。結果を急ぐあまりプレッシャーに押しつぶされそうなリーダーに、心の余裕と正しい進み方を取り戻すためのヒントを与えてくれる内容です。
ここでは、本書から特に重要と感じた3つのポイントを挙げ、それぞれの感想を述べていきます。
1. 「負けない」思考の重要性
多くのリーダーは「どうすれば勝てるか」にばかり意識を向けがちですが、本書では「負けないこと」に視点をシフトする大切さを説いています。ここでいう「負けない」とは、結果にこだわりすぎてチームや自分を崩壊させないことや、着実に前進する力を保ち続けることを意味します。
黒田氏は、「勝利」は時にリーダー自身を焦らせ、誤った判断を生む要因になると指摘しています。たとえば、結果を急ぐあまりに部下を追い詰めたり、無理な目標を掲げたりすることで、チームが疲弊することはよくあります。本書では、この「勝ちにこだわりすぎる弊害」を冷静に捉え、「まずは負けない状態を保つこと」の意義を具体例と共に解説しています。
私もこの考え方に強く共感しました。ビジネスの現場でも、常に「勝つこと」を最優先にすると、周囲との関係がギスギスし、モチベーションを損なうことがあります。一方、「負けない」という冷静な視点を持つことで、現状を客観的に分析し、堅実に進むための計画が立てられるようになります。このマインドセットは、短期的な成果だけでなく、長期的な成功にも繋がると感じました。
2. リーダーの役割は「答えを出す」ことではなく「方向を示す」こと
黒田氏が本書で繰り返し述べているのは、リーダーの本質的な役割は「全ての答えを持つこと」ではなく、「正しい方向性を示すこと」だという考え方です。多くのリーダーは、「自分が全ての問題を解決しなければならない」と思い込み、プレッシャーに押しつぶされてしまいます。しかし、著者はこれを否定し、リーダー自身もチームの一員として共に悩み、考えながら進む姿勢の重要性を強調しています。
リーダーが示すべきは、短期的な答えではなく、長期的な方向性です。この考え方に触れたとき、私は自分のリーダーシップスタイルを振り返る機会を得ました。これまで、私はチームメンバーからの質問に即座に答えを出そうとすることが多く、それが逆に部下の自立心を奪う結果になっていたと気づきました。黒田氏の言葉に従い、「部下と一緒に考える時間を作る」「長期的な視点を共有する」というアプローチに切り替えることで、チーム全体の成長が促されるのを実感しました。
本書では、リーダー自身が完璧である必要はなく、むしろ共に悩みながら成長する姿勢が、チームの信頼を深めると強調されています。この考えは、結果を出せずに悩むリーダーにとって、大きな救いとなるでしょう。
3. 「心の余裕」がチームを強くする
リーダーシップにおいて、心の余裕を持つことの重要性も、本書が伝える大きなテーマです。リーダーが焦っていると、その焦りがチーム全体に伝染し、結果としてパフォーマンスが低下することがあります。一方、リーダーが余裕を持ち、冷静に振る舞うことで、チームには安心感が生まれ、ポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
黒田氏は、「リーダーは常に大きな視点で物事を捉え、小さなことにとらわれない姿勢を持つべきだ」と述べています。これはビジネスにおいても同様で、短期的な失敗に目を奪われるのではなく、その先にある目標にフォーカスすることが求められます。本書では、リーダーが心の余裕を持つための具体的な方法として、「スケジュールを見直して余裕のある計画を立てる」「感謝の気持ちを持つ」「自分を過度に追い込まない」などの実践的なアドバイスが紹介されています。
この「心の余裕」がリーダーとしての成長にどう繋がるのかを考えたとき、私は過去の失敗を思い出しました。忙しさに追われて余裕を失い、チームメンバーにきつい言葉をかけてしまった経験があり、それが原因で士気が下がったことがありました。黒田氏の教えを参考に、「自分の心を整える時間を持つ」ことを心がけるようになり、チーム全体の雰囲気が改善されたのを感じました。リーダー自身が冷静で穏やかであることが、結果としてチームを強くする力になるのです。
まとめ:リーダーの「負けない力」がチームを前進させる
『勝つ、ではなく、負けない』は、リーダーにとって必要な心構えや行動を、具体的かつ実践的に教えてくれる一冊です。「負けない」という考え方を基軸に、成功を焦らず堅実に進むためのマインドセットや、方向性を示すリーダーの在り方、そして心の余裕を持つことの重要性が説かれています。
私自身、この本を通じて、「リーダーは結果を出すための完璧な存在ではなく、共に考え、進む存在であるべきだ」というメッセージを受け取りました。これからも「負けない」ための強さを意識しながら、チームを支えるリーダーシップを育てていきたいと思います。悩みや不安を抱えるすべてのリーダーに、この本は間違いなく大きな力を与えてくれるでしょう。