通販サイトとしてのAmazon
同じ内容の長文を何度もツイッターで書くのも飽きてきたので、これもここでまとめておくことにします。
結論
結論から先に書いておきますけど、とりあえず「Amazonでしか買えないもの以外は、もうAmazonで買うのはやめたほうがいいんじゃないでしょうか」がこのテキストの主旨です。
一応「ヨドバシでも買えるならヨドバシのほうがいいんじゃないですか」とも言ってますが、これは条件次第ですね(自分も楽天やショップ直販やメーカー予約もしばしば利用しています)。
Amazonのいいところ
扱ってる品数は多い。
検索機能は充実しています。
目的のものがこの世に存在しているかどうかの確認には現時点でもベストでしょう。
一応言っておくと、Kindleやアマプラには罪はないです(笑)。
怪しい業者の怪しいアイテムを購入可能(一応メリットで)。
Amazonのよくないところ(1)-返品の扱い
Amazonはもはや通販サイトとしての基本が全部ダメでしょとしか言えませんが、まずはここから。
さすがに「ユーザーから返品されたものをそのまま内容も確認せずに別のユーザーに知らん顔して送る」という事実を掌握したので、基本もうAmazonは見捨てたし「できれば買うな」しか言いたくないのです。少なくとも「他で買えそうなものなら」ね。
「返品されたものに代わりに土が詰められていた」とかいう詐欺案件は論外にしても「誰かから開封・返品されたものを新品扱いとしてで別のユーザーに売る」時点で最低限の商道徳として失格。
返品された内容チェックをするのは当然としても、少なくともメーカーによるシュリンクが開封されているものはAmazonが損金扱いのうえ「中古扱い」にするのが当然だと思いますが、ぼく何か間違ったこと言ってますかね?
「書籍」については、メーカーでシュリンクがされているわけではないものが多数なので、そのようなものはギリギリセーフなのかもと思えなくもないんですけど、僕らはリアル書店で「ちょっと表紙や帯が痛んでいるけど、最後の一冊みたいだから仕方ないこれを買うか…」みたいな判断をすることも確かにあるんですが、でも心の準備もなくそういうのが自宅に送られてきたらイヤですよねぇとしか。
そりゃまぁそういうのが不満ならお前も無料で返品・返金すればいいだろとAmazonは言うんでしょうけど、受け取ったときの不快感や、手間や機会損失もあるし、いちいちそんな心配をしながら本を買いたくないですよ。
Amazonのよくないところ(2)-Konozama問題
最近判明したこの「返品を新品として再送」問題が大きすぎたせいで目一杯影が薄くなった感があるんですけど、昔はコレが「できればAmazon予約はやめとけ」の理由であり「ヨドバシで予約できるならそのほうが」の主因だったんですけどね…。
もしかしたら今は「Konozamaってなんですか?」な人もいるかもしれませんので、その解説もあわせてしておきます。
これはAmazonが「実際に商品を確保できるかどうかが不確実なのに新製品の予約は全部受け付けている」という(と思われる)経験則から来る話です。
具体的には、本、ゲーム、CD、プラモデルなど、なんでもいいんですが
1.ある新商品をAmazonで予約する
2.それが発売日になっても自宅に届かないことがある
3.発売遅れではなくヨドバシ注文などでは到着し、店にも並んでいる
4.ネットで確認すると「商品を手配中」のままステータスが動いていない
5.数日遅れで届けばまだマシなんですが、最悪、そのままずっと待たされた後で「商品が確保できなかったのでこの予約はキャンセルさせていただきます」というAmazonの一方的な通知で終了
6.そこで改めて店なりヨドバシで買えればまだ救われるんですが…上記のような事態が発生した際に「けっきょくはAmazonで注文したオレが馬鹿だったのさ…」という自嘲の意を込めて「Konozama」と呼ばれていたものなのでした。改めてこう書くと本当に酷いよねAmazon。
Amazonのよくないところ(3)-テンバイヤー天国
気づかれた方も居ると思いますが、このAmazonの特徴の
無制限に予約を受け付ける
余分に注文しようと、最終的に余ったものをAmazonに返品・返金すればノーダメでありノーリスク
という特性は「テンバイヤーにたいへん都合が良い」ことは即座に指摘できるところです。ていうかコレなら小金の運転資金を作れるモラルのない暇人なら誰でもテンバイヤーになろうと考えるよね(笑)。人気が出そうな新作は予約注文できるだけ大量に予約注文して、実際に発売後に品薄で高値で転売できればハッピー、売れ残れば返品すれば不良在庫を抱えて爆死のリスクもないんですから。
その直接の結果として、こんなのは実例提示や論証の必要はないと思いますけど、いまのAmazonでは普通に業者による転売価格で売られているものだけが入手可能な商品というのが普通に存在していて、僕もみなさんも日々「テンバイヤーは〇ねばいいのに」と怨嗟の声を上げている通りです。
いまのテンバイヤー天国はAmazonが育てたと言っても過言ではないと思いますので、その意味でもAmazonではもうできるだけ利用すべきではないと自分は思ってます。方針を改めるなら別ですが。
Amazonのよくないところ(4)-ユーザーレビュー
これはAmazonをこれでも利用しているユーザーの質だとも、業者による星操作の結果だとも思われる部分がありますが、現状でユーザーレビューに信頼がまったくおけません。
通販サイトとしては赤点の部分ですね(まあ、ユーザーレビューがそもそもほとんど載らないサイトも珍しくないんですが…)
とりあえずヨドバシ乗り換えを考慮しては
これはそもそも10年くらい前から自分が「ヨドバシで通販で買えるものはAmazonでなくヨドバシで買ったほうがいいんじゃないでしょうか」と言い続けた結論を繰り返すだけなんですけど、基本、ヨドバシは以下の特性を持っています。
予約したものはほとんどの場合、発売日に届く。
予約していないものでも、最速でその日のうちに届く。
多くの場合、値段は高くないです。
ただし新製品だと、割と早く「予約」受けつけが終了してしまう。
検索機能やレビュー機能はまだぜんぜんダメ。
正直なところ、ここ1年ほどで宅配業者の状況がかなり悪化したようで、この「注文したものが即日に届く」は最近はだいぶダメになった感があるんですが、それでもまあ、予約新製品は今もおおむね当日に届いています(朝一でなく昼過ぎや夕方になりましたけど…)。少なくともKonozamaはない。
あとこの「値段は高くない」というのはヨドバシのポイント10%を考慮していることは重要。1回だけ利用するならヨドバシはたぶん「定価」やそのへんですので、並べると「Amazonのほうがだいぶ安い」と錯覚してしまうかも。基本、ヨドバシはリピーターになってポイント使いまくりが鉄則です。
この「気が付いたら新製品の予約がすでに終了していた」のは明確にヨドバシの「デメリット」とは言えるんですけど、ただコレは「ヨドバシでは当日確実に確保できるぶんしか予約を受け付けていないため」であろうと容易に推定できるので、あんまり文句をつける気が起こらないんですよ。Konozamaよりマシじゃろ?としか言えんのです。
まあ僕らに自衛できるのは、新刊なりがヨドバシで予約可能になり次第、即座にぽちるくらいでしょうかね…(なお、品薄でない普通の本とかなら、発売日以降はヨドバシで普通に注文できます、もちろん)。
ヨドバシの検索・レビュー機能は、正直なところまったく貧弱ですね。実のところ「目当ての商品が存在するかどうかAmazonで検索して、あればその型番を入れてヨドバシで検索」みたいなことは、自分もたまにやってます(笑)。
別にヨドバシから何かもらってるわけではないですが(むしろヨドバシさん何かくださいw)、とりあえずこれだけ書けば「漠然とAmazonを利用しているだけの人はヨドバシ乗り換えを検討してみるべきでは?」とは割と思っていますよ。
Amazonの倫理観
多分そんなものはないです(笑)。
昔は「Amazonはライバルが全部消えて独占状態になるなりユーザーに牙をむいて即座に躊躇せず大幅値上げをするような企業だから、寡占を許さずヨドバシも支援しとけ」「Amazonは労働者の扱いが酷いブラック企業だから」というのも「Amazonだけ太らせるな」な大きな理由だったんですけど、なんかもう、最近はこういう倫理やモラル以前に単純に販売サイトとしてのAmazonダメですわ。まあモラルもへったくれもない企業だというのは昔から一貫しているとも言えるんですが…。
それでもAmazonを利用するなら自己責任で
正直なところ、以上のAmazonの販売サイトとしての特性を理解したうえで「賢く使う」というのはユーザーのスタイルとして「あり」だとは思うんですよ。まぁ僕には「それってあなたはテンバイヤーだっていう意味ですか?」としか思えないんですけどね。
ここで書いた上記の内容は普通にふだんツイッターとかでも書いている内容なので、たまに熱烈なAmazon応援とヨドバシ叩きのリプを貰うこともあるんですけど、正直「あなたテンバイヤーですか?」と割と思うことが多いです。
ただ公正を期するために言っておくと、Amazon応援で「気軽に返品・返金ができるのがいい」という声と「ヨドバシで(本当の)不良品を返品・返金しようとしたらとても面倒(事実上かなり無理?)」という指摘があった事実は、別に相手をテンバイヤー扱いしなくても実在するようです。
まあ自分としては、メーカー正規品で初期不良品にあたった経験ないし、正直なところうっかり同じ本を2冊買ってしまった時には「これ返品・返金したいな…」という気持ちは確かにあるんですけど、ただ基本「だからAmazonがいい」とはちょっとよう言えんのですよ。基本、注文をぽちる前には考えてから押せと思ってるし。
ただまあ、それも含めてテンバイヤーでもなくても「Amazonのほうがいいです」と思える方であれば、それはご自由に。たださすがにそれならそれで、Konozamaっても愚痴らないで欲しいなとは思ってます。
(2023/1/26追記)あと最近は新作ゲームやCDやらでは「Amazon独自特典」の専用グッズがついているものが出ることもあります。これについてはさすがに、それを理由にAmazonでぽちってもいいと思ってます。いくらなんでもそういう売り方をする新製品なら独自特典のぶんだけはAmazonで生産・確保しているだろうからKonozamaもないと思われますので。
ほんじゃーね。