「蒼き鋼のアルペジオ」のこと

「蒼き鋼のアルペジオ」についてこれまで散発的に書いてきたことをまとめておきます。まあただのチラ裏。べつに頑張って読まなくていいです。なおその後、原作漫画も普通に楽しみに読むようになったので敢えて外していますが、基本は「ALS NOVA」と呼称される「アニメ版」を中心に語ります。


「蒼き鋼のアルペジオ」(原作漫画)について

月刊「ヤングキングアワーズ」で2009年11月から連載のArk Performance先生の漫画作品。2023年1月現在、連載中。連載15年が見えてきました。

ジャンル

ジャンルは独自設定の近未来SF。謎のハイパーテクノロジーである「ナノマテリアル」技術による艦船と、その艦船のコアCPUでもある「メンタルモデル」が基本設定の主軸。登場する艦船がなぜか第2次世界大戦の戦艦類を模している(少なくとも名前は)のと、艦船に対応するメンタルモデルが美少女であるという設定からは「メカと美少女」ものであると言えます。

艦これとの関係?

2013年4月にサービスを開始して大人気になり、現在も人気のソシャゲ「艦これ(艦隊これくしょん)」との設定の類似性が容易に指摘できるところで、本作が先行しているのは疑いないところですが、ゲームのリリースに際してどの程度の関連性があったのかは不明です。

2013年10月にTVアニメがスタートし、アニメ終了時の2013年末にアニメのコラボイベントがゲーム内であったので、スジを通しているのは間違いないでしょう。

メディアミックス

メカ・美少女ともに非常に緻密な作画カロリーの高い作品ですが、基本、ほとんど休載していません。
単行本は24巻まで発売中(2023年1月現在)。内容的に最終コーナーを曲がったようにも見えますが、まだ何年も続きそうにも見えます。
アニメ化される前からヤングキングアワーズでドラマCDが複数リリースされるなど、メディアミックス展開も積極的に行っています。
2013年秋のアニメが(たぶん)大ヒットしたため「ヤングキングアワーズ」および姉妹誌の「ヤングキングアワーズGH」で多数のスピンオフ作品を輩出し、一時期のGHは「月刊アルペジオ」みたいな様相を見せていましたが、現在は落ち着いた感があります。

「蒼き鋼のアルペジオ -ALS NOVA-」(アニメ版)について

2013年10月からスタートした1クールのTVアニメ(全12話)。のち、2015年に続編の位置づけになる劇場版が2本発表されました。

基本は漫画版とは別

当初は「ただのオタク向け漫画のアニメ化なのかな?」と思わせた本作ですが、原作漫画をなぞった展開もそこそこ最初のうちこそはあったものの、独自の大胆なアレンジを行い、結果として「まったくの別作品」と言って良い内容で完走してきれいに完結しました。あまりにも綺麗に完結したので「このアニメの続編は作らなくていいです」と今も思っています。再度のアニメ化の話が来るようなら別ルートでひとつ。
アニメ版と原作漫画版の違いを論じることにそれほど意味はないと思っていますが、ネタとしてそのうち何か語りたくなるかも(笑)。
2022年12月に出た漫画付属のドラマCDで、過去に出た漫画版のドラマCDとアニメ版とで「声優が違う」のをメタなギャグとしてネタにしたのには盛大に笑わせて貰いました。

アニメ版のテーマ

漫画原作の着地点はいまもなお不明なのですが、アニメ版でのテーマは「メンタルモデルが心を持つということ」でいいと思います。
当初は「お人形さん」美少女たちにしか見えなかったメンタルモデルが、次第に人間のような「感情」を持つことになり、それがゆえに癒されることも苦しむこともある。TV版ラストのコンゴウの悲しみの叫びには心を打たれました。ゆかなさんの熱演が光る。

これはもしかしたら意図的にでなくある程度は偶然の産物なのかもしれないのですが、本作を通してサンジゲンの表現力も飛躍的に上がっているので、第1話では完全に声も表情も「お人形さん」だったイオナが、TV版のラストや劇場版では本当に感情豊かになっているのですよ。

終盤での「大戦艦マヤ」の扱いはかなりショッキングな内容だったので、これがただの「漫画のアニメ化」だったら間違いなく「原作ファン」によって大炎上して岸監督が罵倒されていた(笑)と思われるのですが、これが感動のラストへの重要な流れで、かつこの扱いのアイデアを出したのが漫画原作者自身であることがほどなく判明したので特にそのような炎上展開にはなりませんでした。まあ、最初から「ALS NOVA」という副題で「これは原作漫画とは別の作品ですよー」と宣言していたおかげもたぶんあるし、何よりもきれいにまとまったのが大きかったのではないかと思います。
感覚的には、アドベンチャーゲームのクリア後の「2周目」で、冒頭は同じで同じキャラが出ているけど、全然違う本編に進む感覚に近いかな?

でもマヤちゃんの件は謝らなくてもいいけど、原作漫画ではナイス老人の北先生を「旧体制の象徴の頑迷固陋なジジイ」扱いした点については、監督は北先生のファンには謝ってもいいと思うぞ(笑)。

とりあえず観るべし

アニメは主役から脇役まで非常に魅力的なキャラクター(基本は原作準拠)で固められており、それだけでも楽しむことが可能です。とりあえずタカオというキャラクターを世に出しただけでもこのアニメには価値があります(笑)。まぁ僕の推しはハルナなんですけどね…。

まあ何ですな、僕はもう「ここまで読んだなら、とりあえずTV全12話を観てないなら観てください」としかあまり言いたくないんですよ。それが気に入ったなら劇場版も続けてぜひ。

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「蒼き鋼のアルペジオ」との出会い

完全に自分の個人的な体験です。チラ裏ofチラ裏。

2013年10月 ファースト・コンタクト失敗

当時からもアニオタだった自分は、今もやってますが新作アニメは一通りチェックして、これはと思うものは録画視聴しています。なのですが、アルペジオは確か予約録画はした筈なのですが第1話の録画に失敗したため「自分には縁がなかったのかな…」と思ってそのまま視聴せず。
ただしアニメのアルペジオに関しては第1話の第一印象がそれほど良かったとは正直なところ言えず、イオナは「お人形さん」だしタカオの登場で締めるラストも「メカはともかく、これっていわゆる美少女ハーレムアニメなのかな?」と思わせる要素もそこそこあったので、もしかしたら観ていたらかえって「1話で切って」いたかもしれません。なにが幸いするか分かりませんね。
なお、この時点では原作漫画はまったくの未履修でした。

2013年12月 艦これイベント

2013年の春から始めた「艦これ」には普通にはまっていたのですが(自分は横鎮です)、12月にアニメ版に準拠したコラボイベントがありました。この時点で結局はアニメも原作も未履修だったので「なんじゃこりゃぁ!」という感想でしたね。
だいたい「カーニバルだヨ」「カーニバルだヨ」「カーニバルだヨ」「カーニバルだヨ」に対する「うるせぇ!」という感想と、ゲームバランスもクソもない超重力砲の圧倒的な破壊力で気持ち良く終えることができました。後年、完全に苦行と化している艦これのイベントですけど、当初はこんなこともあったんですよね。まあ、霧の艦隊は戦線に加えられませんでしたけど(そりゃそうだ)。
とりあえず、これでアニメのアルペジオを、自分は再認識することになりました。

2014年2月 クアラルンプールでの再見

なにも関係なく2014年2月に自分はクアラルンプール(マレーシア)に観光旅行に行ったんですけど、現地の書店で「蒼き鋼のアルペジオ -ALS NOVA-」のシュリンクされたパッケージの全12話収録のDVDが店頭に並んでいました。千円くらいでしたっけかね。
普通に考えればこんなものはコピー商品だろうと思うのですが、当時の自分はそれほどアジア旅行の経験値も高くなく、ホログラムのシールまで貼ってあるカラーコピーでもない印刷したパッケージだったので「これはもしかしたら現地のライセンス生産品なのだろうか」と少しだけ思いつつ「そういえばコレ、艦これのイベントでやってたっけ」と思ったので手に取ってレジへ。

結果的には「コピー商品に手を出してしまった」と思うんですが、まあその、その後、アニメにドはまりしてブルーレイも全部日本で正規品を買ったしグッズも軽く2桁万円は購入しているので、まあ堪忍してつかぁさい。

ちなみにこの海賊版?DVD、もう処分しましたけど、2014年の2月といえばまだDVD/ブルーレイも日本でリリースが終わってないし、もちろん画面にテロップが入るような日本でのエアチェック物でもないので、どっから原版を手に入れたんだろうとかいうのは今でも若干謎。

2014年3月? 完落ち

帰国後、なんの気なしに休日の前の晩に「そーいえばあのアルペジオの全話DVD、観て見るか…」と思って取り出して作業のBGVとしてかけ始めました。1枚組で全12話が観られるというBGVとしては大変に良い仕様です(笑)。

最初は何気なくかけていたんですが、第4話「横須賀急襲」の後半あたりからグイグイと引き込まれ、第5話のギャグで笑い転げて、第6話「ともだち」で号泣してしまいました。あとはそのまま残りを一気見して朝を迎えました。中村浩二郎の「泣かせ」の脚本に弱い自分。

しばらくアニメに集中

以後はずっと、女房も巻き込んで夫婦でドはまりして何年かグッズも買いまくる日々に入ります。少なくとも、とりあえず劇場版が完結する2年くらいまでは、その状態がずっと続きます。勢いで一番くじもカートン買いして全部おさえたくらいです(ちなみに、今も大量に当時のダブりが残ってます…)。

原作に触れる

自分はこのように「明確にアニメからはまった」人間なので、最初は敢えてArk Performance先生の「原作漫画」に触れるのは避けていたような部分がありました。半年~1年くらいだったかなぁ。
正直なところ特にイオナのイメージや振る舞いは漫画とアニメでかなり違っててそこそこ違和感も大きかったし(笑)、やっぱり特に連載初期は原作の美少女絵はアニメに比べると「硬い」印象がありましたね。
しかしまあ「別の作品」だというのはほどなく分かっていましたので、やがて普通に手を出して、単行本も全部買って読んで、ヤングキングアワーズも普通に毎月購入して現在に至るようになりました。

2年後のアニメ劇場第1作が公開されたあたりで「ムサシ(白)の声は井上喜久子か大原さやかかなぁ」とかほざいているので、その頃には原作は履修済だったのは間違いないです。ご存知のようにアニメ劇場第2作ではムサシ(黒)の声はくぎゅうがやってびっくりしたのですが。

今はアニメがキレイに劇場版2で完結して供給がなくなったこともあり、普通に原作漫画を毎月楽しみにしておりますよ。

アニメ版の各話の感想

むかしミャンマーに居るときに、ヒマにあかせて全話一気見をしたときの自分のツイッターのだらだら感想を貼っておきますね。

ほんとうはこのへんをちゃんと文章としてリライトしたいなというのもあるんですが(画面はTVのカメラ撮りでなく動画をスクショで撮りなおすとかもね)、さすがに「そこまでヒマなのかよお前」という話でもあるので、これはいずれまたの機会にしたいと思います。

こんなところで。

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