#読書の秋2020#ぜんぶ、すてれば
こんにちは、とこんばんは、の間に失礼します。
ヒトヒラアカネです。
新しいコンテストの発表をみて、こころ踊りました。
「ぜんぶ、すてれば」。
最近読んだ本だったのですが、こちらの本、
ぐちゃぐちゃと考えやすい病持ちの私には、
本のマインドをそのまま脳にインストールしたいほど
感銘を受けた本です。
読書感想文、さっそく参りましょう!
「ぜんぶ、すてれば」の「ぜんぶ」とは
読む前、「全部すてる」、とはどういうことか、
を考えていました。
読み始めると、ふと、こちらの本を読む前に読んでいた、
「think clealry」の内容を思い出していました。
全部捨てることを「クリアにする」、という表現がありますが、
全部捨てた結果、本当にクリアに、いろんなものが
見えてくる状態。迷いもない状態。
自分の中の線引き、枠組みをはっきりさせた状態。
そういったことをしっかり自分に決めるために、
ものだけに限らない範囲にふれて、「全部捨てる」
のだなと、読了して思っています。
捨てるものは、思い出さえも
潔すぎて…と感動した部分の中に、文中、
「思い出もなくてよい」
という表現があります。
美しい思い出ほど、それにしがみついちゃあいけないと思います。
過去を守ろうとすると、それは前例となる。
すると、前例と似たことをしたくなる。
引用させていただいたのですが、
病持ちの私には一番刺さったフレーズが、
こちらでした。
私、統合失調症を患いました。
パワハラ、ありました。
3徹、120時間残業。やったことがありました。
ただ、からだがとても若くて、
たいへんだった分、良いものも生まれていて、
実は本当によくないことに、
(脳の悪さか、)
全国大会に出る前の運動部のような、
青春を味わった気分
…に、錯覚してしまうことがあったのです。
まるで詐欺にあったかのように、
自分の体も壊していながら、
あの時は働けていた。あれはあれでよかった。
…というきれいな思い出に仕上げたい錯覚。
この本を見て、私自身にぞっとしたのです。
病に陥った工程が、私の中でよかったものとして
消化されてしまったときに。
私は、おそらく再発するでしょう。
無理がきくからだでないのに、
治ったかのような錯覚で、
あの時くらいまで行かなければまだ働ける、
なんて。
病の前と後では、体が違うんだということを、
私はどこかでまだあきらめられていなくて、
前の思い出を美化してしまったのだと思います。
そんな間違ったことをしそうなくらいならば、
病持ちの私こそ、
「一緒に、過去の思い出も捨てたほうが良い」
と痛感したのでした。
そしてできないものはできないと諦めて、と続く
この文章の通りで、
「できないものはできない。諦めて次に進めばいい。」
という項があります。
やりたいな、これ、やりたいし、できるし、私に求められている、
なんていうお仕事は、そうそうない、と、
著者の方はぶった切ります。
次に進むためには、あきらめることも必要である、
と、本当にこのような文章なのですが、
少し冷たいような、とも思ったこともありましたが、
複数回読み返して、
執着しない人の考え方はこうなんだ、ということを
頭で理解しました。
私は執着がまだまだ多すぎるようです。
病持ちでも仕事ができると思いたかった、というのも
ありますし、働きに出るならあれも必要、これも必要、
…と思って、身なりを気にするものばかりに散財をしました。
その後、本当に偶然に世界的な混乱があって、
いま、在宅ワークなども増えてきたから、
我に返れたのですけども、
今も旧体制の会社生活であったら、
前段にも記載したとおりで、
再発するまで働いたことだろう、
…と、反省の感情もわいてきます。
著者は、今に集中せよと伝える
正直なところ、時間は常に進行しており、
巻き戻りません。
この巻き戻らない時間感覚の上に、
この著者は、時間経過しない時が止まったようなもの
を置くことを、「執着する」と
言っているような気がいたします。
服はその時の流行があり、時間がたてば古くなる。
絵画など、価値が出そうなものすらも、
置くための家の所持をすることでその場所に
縛り付けられるなら、身軽になるために
限りない贅沢として捨てよう、
と、著者が言います。
家、車、時計なども、持たなくてよいと。
流れに乗って歩いていくためには、
ここまで極限の身軽さを持つことができるんだ、
…ということを、教えてくれていると
思います。
情報も、新聞、スマホを捨てることにも
触れられていますが、
必要なものを常に重要なタイミングで引き入れるには、
余計なものが多すぎる世の中なんだな、
ということが、本を読むにつれて
だんだんわかってまいります。
刻々変化する時間の流れの上に、何も置かない。
思い出も、情報も。
…と考えると、本当に必要なものは
未来にしかないんだな、ということに
気が付かせてくださいました。
まとめますと
いろんなものを捨ててきましたが、
私が多分、一番捨てたいのは、
自分の病です。
ただ、そういうものに限って
自分の身にくっついてしまっていますので、
過去はよかったな
ではなくて、
将来よくなるようにしたいな
…と思いたい。
そのための手段が思いつかないなら、
ごちゃごちゃ考えずに、
「ぜんぶ、すてれば」
…となる。
とても明快で、痛快な答えをくれたこちらの本。
本当に、推薦したいと思います。
読了ありがとうございます。