「あ、やっぱダメだ」
そう感じつつもノートを開く。焦燥と虚無がマーブル模様を描いて真っ暗闇の真っ只中。
…それでも今夜はもう少しだけ、この〝まっさら〟な紙の丘をさまよってみよう。
ぽつぽつぽっつら。ペン先から、声がポタリと垂れてジワリと滲む。文字という形を得た断片的な思考は、繋がらないまま余白をただただ追い詰める。
散らかったままの部屋を再現しているかのようで、見ていて気分がいいわけもない。けれど、食材がなければ料理はできないのだから、執筆するならとっ散らかっていてもセンテンスは必要なのだ。
無闇にでも、あがいてナンボ。
書けないなら書けないなりに。
#日写体記 #エッセイ