目指すは非接触な無人ホテル!?〜DX事例29_株式会社SQUEEZE〜
ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。
このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。
今回はホテル業からです。スマートホテルを経営する「株式会社SQUEEZE」のスマートホテルDXです。
スマートなホテルは非接触なホテル?直営ホテル「Minn」の事例紹介
SQUEEZEの直営ホテルである「Minn」は、施設内にIoT技術を取り入れており、特に「非接触」や「無人化」をキーワードに下記のサービスを展開しています。これらの取り組みは、SQUEEZEが開発しているクラウド宿泊管理システム「suitebook」から一元管理が可能になっています。
①施設のチェックインは無人のフロントレス
宿泊施設へのチェックインは、フロントに設置したタブレット端末上でパスポートの確認や本人確認を行います。タブレット越しにはリモートのスタッフが待機しているため、24時間いつでもチェックインが可能となっています。予約の決済についても、全て事前決済で対応しているためキャッシュレスな運営が可能となっています。
株式会社 SQUEEZE 「会社紹介資料」より抜粋
②キーレスの滞在が可能
部屋のドアにはスマートロックがついています。チェックイン後には、鍵やカードではなく暗証番号が発行されます。これは滞在期間中のみ利用できるコードになっており、ゲストごとに新しい暗証番号が自動生成されます。お客様のスマホなどからコードが確認できるようになっているため、鍵の持ち運びや複数人数での利用時の鍵の受け渡しが不要になります。
③滞在中は24h複数言語対応のコンシェルジュがリモート対応
①と同じくリモートのスタッフによる対応となります。インバウンドの海外客に対して通訳可能なスタッフを常駐させるのではなく、リモートで対応させることで人的コストを削減しています。こちらも24hでの電話対応が可能となっており、省力化できるだけなくサービス品質の向上に一役買っています。
④退去時の清掃をクラウドで実施?
とてもユニークな取り組みだと思います。客室清掃もアウトソーシングすることで常駐スタッフを減らす取り組みとなります。
お客様が退去した場合、「suitebook」から各地域の清掃スタッフに対して、清掃依頼を出します。清掃スタッフも上記②のスマートロックのワンタイムコードが払い出されるため、そのコードで入室し清掃、終了したらsuitebookに写真付きで作業完了報告をする流れとなります。
DXと経営戦略の関連性について
SQUEEZEは上記の取り組みから分かるように、ホテルの常駐スタッフを減らし、極力無人に近づけるような取り組みを行っています。SQUEEZEはそれを「宿泊施設のクラウド化」と表現しています。
例えば複数の宿泊施設を有するホテル会社に対して、現地でなくてもできるスタッフ業務をクラウド化(リモート)として切り離し、複数施設に対して、少人数でリモート対応することで省力化できると提案しています。
株式会社 SQUEEZE 「会社紹介資料」より抜粋
上の図のように、ホテル事業で行うほぼ全ての業務をSQUEEZEが一括で請け負うことで、ホテル企業は全体統括やその他の本当にコアな業務のみ集中してもらうというサービスを展開しています。
SQUEEZEはビジョンに「空間と時間の可能性を広げるプラットフォームになる」と謳っており、テクノロジーの力で「無駄のない」かつ「価値ある業務に集中できる会社」を作るために活動を続けています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回SQUEEZEはスタートアップです。SQUEEZEのように創業当初からIT技術をフルに活用している会社の取り組みをDXと言って良いかは、正直悩ましいところです。ですが、「スマートホテル」というキーワードとしては、SQUEEZEの取り組みがとてもマッチしていましたので、DX事例として取り上げさせていただきました。
飲食業や宿泊業などに限らず、「いかに人との接触を減らしつつも事業の運営を成り立たせるか」という課題はとても難しいのですが、逆にいえばそれを解決できれば一つの価値となり得ます。みなさんの会社もITを使って非接触なサービスが作れないか、それが顧客にとって価値ある体験になりえるか、探してみてもらえればと思います。次回の記事も楽しみにしてもらえればと思います。
タナショー
参考にさせていただいた情報
株式会社 SQUEEZE HP
https://squeeze-inc.co.jp
株式会社 SQUEEZE 「会社紹介資料」
https://speakerdeck.com/shin1/we-are-hiring
PRTimes「SQUEEZE、直営ブランドとして大阪5棟目となる「Minn北梅田(Minn Umeda-North)」を2019年5月下旬にオープン」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000015235.html
トラベルボイス「ホテルを「宿泊として売らない」、「非対面・非接触」で満足度向上、テクノロジーで生み出す宿泊施設の新しい価値をSQUEEZEトップに聞いた」
https://www.travelvoice.jp/20200824-146715
日本経済新聞「スタートアップ、AIやクラウドで中小ホテル支援」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26186830W8A120C1TJE000/
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