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[DX事例94]AI-OCRが製品パッケージの誤表示がないか自動チェック_敷島製パン株式会社

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回は飲食業界からです。大手製パン業界で「Pasco」などのブランド名で知られる敷島製パン株式会社のAIを使ったDXです。


AI-OCRが製品パッケージの成分表示を自動認識!敷島製パンのDX事例

敷島製パンといえば「Pasco」の超熟など、お馴染みの製パン商品を展開している会社です。創業は1920年で、当時は食糧難に苦しむ人々のために米の代用食としてパン作りを始め、食パンである超熟のロングセラーを中心とした製パン製品を100年以上作り続けています。
今回はそんな敷島製パンのDX事例をお伝えしていきます。

①製品パッケージの印字のチェック業務を自動化「AI-OCR版下照合システム」

敷島製パンはAI-OCRを使って製品パッケージ内に印字された文字を読み取るシステム「版下照合システム」をフューチャー株式会社と共同開発。2021年6月より運用を開始しています。

敷島製パンでは年間約3,000もの新製品を発売しているほか、既製品のパッケージのリニューアルも都度行っています。その際には製品のパッケージに印字されている原材料やアレルゲン情報の表示も一新されますが、この印字内容を目視でダブルチェックするという運用がありました。

もちろん印字時には生産ラインとしてのシステム的なチェックはしていると思うのですが、原材料に誤りがあった場合は製品をすべて回収しなければならないため、細心の注意を要する重要業務でした。敷島製パンはこの業務をAIに代替させることに成功しています。

PR Times「敷島製パンの製品パッケージ印字チェック業務をAI-OCRにより自動化」より抜粋

版下照合システムはパッケージに印字された原材料名をAIが読み取り、製品表示情報と一致しているかのチェックを行います。事前のテストでは約200パターンのサンプル画像では、ほぼ全て正しく読み取ることに成功しており、ヒューマンエラー防止と、印字チェック業務の省人化を達成することができています。


②商品配送をルート学習型サービスで効率化「Loogia」

敷島製パンはPascoの工場で生産された商品配送を毎日行なっていますが、配送する取引先も10,000件以上と膨大です。従来は人手により配送ルートを作成し、配送先の追加や変更のたびにルートの修正をしていましたが、修正の手間や効率的なルートの作成に課題がありました。特に複数拠点から配送する場合、どの拠点から配送するのが効率的かつ省エネかを判断することが人の判断では難しい状態でした。
今回敷島製パンではオプティマインドが提供する走行ルート学習型配車である「Loogia(ルージア)」を2022年4月より導入しています。

「Loogia」ページより抜粋

Loogiaは配送先の設定や、ドライバー・トラックなどの基礎情報を入力することで「配送ルートの作成」や「必要トラック台数」の計算機能があります。サービス内で蓄えてきた数十万台の車両走行データに基づく時間帯別の混雑状況や交通規制を加味したルート作成や、ドライバーによるアプリでの配送完了結果を集計することで配送実績を確認することも可能です。

敷島製パンはこのLoogiaを導入することで、走行距離ならびにCO2排出量が14.1%も削減できたとのことです。

Pasconet「敷島製パンで走行ルート学習型配車サービス「Loogia」活用による商品配送におけるCO2削減に向けた本格運用を開始 〜持続可能な社会を目指して〜」より抜粋


敷島製パンは持続可能な社会を目指し、配送の効率化だけでなく二酸化炭素の排出量削減につながる取り組みを展開していくと公表しています。



まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回のDX事例はシンプルに「人が行っている業務をITで効率化した」取り組みでしたね。
タナショーも何度か触れていますが、どの業界や会社であっても「なくしたいと思っているが、どうしてもなくせず人が行うしかない業務」というものがあります。

「なくしたいとは思っているが、様々な理由でどうしてもなくせない業務がある」
「機械等に任せるには不安なので、人手がかかるが目視によるチェックを設けている」など。
理由は様々ですが、そうした業務は得てして従業員側から改善がしにくく、効率化や省人化されないままいつまでも残ってしまう業務になりがちです。
小さな改善は従業員に任せていいと思いますが、こういった人が行うしかない業務を抜本的に改善するのは経営者にしかできないとタナショーは思います。
ぜひIT活用をしながらこの課題に取り組んでいただければと思います。
タナショー


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参考にさせていただいた情報
PR Times「敷島製パンの製品パッケージ印字チェック業務をAI-OCRにより自動化」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000480.000004374.html
株式会社オプティマインド「Loogia」
https://loogia.jp
Pasconet「敷島製パンで走行ルート学習型配車サービス「Loogia」活用による商品配送におけるCO2削減に向けた本格運用を開始 〜持続可能な社会を目指して〜」
https://www.pasconet.co.jp/release/1567/


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