いろんな大きさ形の箱に心ときめく
お菓子が入っている箱、帽子が入っている箱、救急箱…。
気に入った箱を見つけると、意味もなく取っておく。
折りたたんで片付けておけばいいのだろうが、綺麗な形のまま保存しておきたいと思い、そのままの形でとっておく。
当然、そんなに多くは残しておけない。
時には、マトリョーシカのように、箱の中に箱を入れて、少しでも多くの箱を残しておくのだ。
ある夜、眠っていると、何やらガタガタと音がして、足元に何か落ちてきた気がした。
特に気にせずに、そのまま朝を迎えた。
明るい部屋で目が覚めて驚いた。
わたしの周りは箱だらけだった。
タンスの上に置いてあった箱の数々が、どうしたはずみか落ちてきて散らばったらしい。
わたしは、箱がとても好きだった。。。らしい。
自分でも気がついていなかった。
現在は、少々後ろ髪をひかれながらも、空いた箱はすぐに畳んでゴミ置き場に持っていくようになった。
そうしないと、捨てる勇気が薄れるからだ。
ある日、職場で上司が箱に品物を入れているのだが、あまり上手に入れられずに苦労していた。
それを見ていて、少し楽しくなって、
「わたし、箱が好きなんです」
と言ってしまった。
途端、上司のわたしを見る目が、気持ち悪いものを見る目に変わった。
箱が好きで何が悪い!そう思ったが、
「やっぱり、変ですよね」
と、笑いながら去るしかなかった。
それ以来、その上司とは話をしなくなった。
世の中、変なものが好きな人がたくさんいると聞いたことがある。
わたしも、その一人なのだろうか。
そうだとしても、誰にも迷惑をかけていないはずだから、これからも、こっそり箱好きを続けよう。
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感謝いたします。