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大きくなったら何がしたい?何になりたい?
子どもの頃、「大きくなったら何がしたい?何になりたい?」と聞かれることが多かった。
保育園の時は、大きくなって働いている自分の絵を描き、小学生になると、「将来の夢」とかいうタイトルで作文にする。
大きくなったら何かにならなければいけないのか?と不思議だった。
そもそも、「何かになる」とは何だろう?と。
そんなことを考えながら生きていかなければいけないのかと。
わたしには難しいことなのに、他の人はスラスラと絵や作文にしている。
でも、わたしは何も書けずに、先生に注意されたことがある。
それ以来、誰かの書いたものを真似するようになった。
美容師、看護師、スーパーのレジの人、本屋さん、食べ物を作る人、お母さん。。。
どれも、「なぜなりたい?」と聞かれても答えられなかった。
特になりたいと思わなかったからだ。
でも、不思議なもので、口に出すと、最初から自分の夢だった気がしてくる。
真似した中で、一番しっくり来たのが、花屋さん。
毎日、綺麗なお花に囲まれて、花束を作ってお客様に渡す。
なんて素敵なんだ!と思った。
家に帰って、祖母と母に「将来、お花屋さんになる」と言った。
すると、「朝早くから市場に行って、冬の雪が降っている中でも、冷たい水に入っているお花を出して、冷たいまま花束を作らなければいけない。だから、手が荒れるし大変だよ」と言われた。
それで、花屋さんの夢は消えた。
辛くても自分はやるんだ!と決意するほどの強い心はなかった。
それからまた、誰かの夢を真似た。
作文や絵にはできなかったが、ひとつだけ心の中にあった夢がある。
大人になっても空を見て、宇宙を想像しながら生きていく
「何になる」ではないが、「大人になったら何をしたい?」というひとつだった。
大人になって、空をみて宇宙を想像している。
何ものにもなれなかったが、したいことをしている自分で居続けられたと言う事なのか。
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