予想もつかなかった手続きの数々の中、人の優しさを感じた
突然、昨日までは思いもしなかったことをしなければいけない状況になることがある。
父が亡くなった後がそうだった。
我が家だけではなく、人が亡くなった後には、諸手続きが必要になる。
葬儀が終わって、いきなりモロモロの手続きをしなければいけないことに気がついた。
しかも、父の葬儀の日に、祖母の認知症が一気に進んだ。
あまりの進み具合に、家族は面食らってしまい、祖母の今後のことを考えなければいけなくなった。
どこで暮らすか?だけならまだしも、誰が世話をするのか?
仏壇にロウソクをたて、その際に使ったマッチを、マッチ箱に戻すのだ。
目を離すと火事になりかねない。
お財布が無くなったと言って、いろんなところを探し回る。
目を離せない。
とりあえず、父関係の手続きと、祖母の診断と、施設に入れてもらえるのかなどを調べるチームに分かれて動いた。
忌引き休暇を1週間とることに決め、その間に、全ての手続きを終わらそうと思った。
祖母の診断はすぐに出て、はやり、父が亡くなったショックで、一気に症状が進んだらしい。
そして、運よく入院できる病院が見つかった。
父のほうは、自宅の掃除から始まり、自宅の相続登記、父が病気だったのかなど調べ、筆頭者が亡くなるという事は、こんなに大変なのかと思い知らされた。
相続登記などは、専門家に依頼した方が良いと葬儀社の人に教えてもらったが、貧乏な子供たちなので、「自分たちでする」と決意。
戸籍謄本や除籍謄本、固定資産評価証明書などを集め、遺産分割協議書の作成など何がなんだか分からないまま、とにかく力を合わせて行ってみた。
何度も死亡診断書が必要になり、警察にもらいに行くと「人は一度しか死ねないんですよ」と、一度記入したものは二度は記入できないと教えられ、何枚もコピーを取らなければいけないと知った。
知らないことがいっぱいで、いろんな人から教えていただいて学んだ。
そのおかげで、予定通り、1週間で全ての手続きが完了した。
何か不思議な力が後押ししてくれたとしか思えない日々だった。
大変だったけれど、残された子供たちで力と心を合わせた日々だった。