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アルミ缶を潰すといろんな人の顔が浮かぶ

空き缶を集めて、潰して捨てるという、特に珍しくないことをした。

でも、空き缶を潰していると、いろんな人の顔が浮かんでくる。

1番は、名前を知らない男の子と女の子たち。
2番は、母。

まだ、地元に住んでいた頃、近所に知的や発達などの障害のある人たちの施設があった。

そこで学んでいる人たちのリハビリなのか学びなのか、アルミ缶を潰すことを行っているらしい。
だから、アルミ缶を募集していたのだ。

我が家には、ビール好きがいた。
毎日、数本のアルミ缶が出た。
潰して捨てるのも大変だった。

そのアルミ缶を袋に入れて、施設の人に潰してもらっていたのだ。

母はその施設が大好きだったらしく、アルミ缶を持っていく時は、いつも一緒に行っていた。

そして、施設のイベントには必ず行って、彼ら彼女らの力作を購入するのが楽しみだった。

でも、母が入院してからは、アルミ缶を持って行けなくなった。

あの施設にいた、男の子と女の子たちはどうしているだろうか。

とっくに成人して社会で活躍しているだろう。

施設では今でもアルミ缶を潰しているのだろうか。

アルミ缶を潰しただけで甦ってくる想い出。
悲しくキュッとなるが、大切で大切で嬉しい。


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