人妻が人妻になるまで
「人妻のなれそめが聞きたい!」と、とある人におっしゃっていただいたので今回は夫との出会いから結婚に至るまでをしたためようかと思います。
出会いはなんてことはないマッチングアプリなのですが、そもそもマッチングアプリを使ったことがない人もいらっしゃると思いますので私がマッチングアプリを使うことになった経緯から失敗談も含め書いていきたいと思います。
当時、2年程お付き合いしていた方と別れたばかりの私は、失恋のショックやら結婚の焦りやらを抱えながら日々を過ごしておりました。
今でこそ「30過ぎての結婚は別に遅くはない」と世間では言われておりますが、その年齢にほど近い当時の私からすれば退路を断たれたような気持ちでした。
もちろん好きな人と別れる辛さもありましたし、未練もたらたらでしばらく引きずっていましたし、なんなら復縁狙いでちょいちょい連絡してたりもしました。愚かですね。
しかし状況は好転することはなく、私の気持ちも諦めモードに入りかけていた頃、友人からお誘いがかかります。
「マッチングアプリやってみない?」
この友人は数か月前から始めていたらしく、女性ならほとんどの機能が無料で使えるとのことで、ものは試しだと思いやってみることにしたのです。
みなさんも一度は聞いたことのあるような有名なアプリを2,3ほどダウンロードし、必要最低限の情報を入力し登録完了。
名前はイニシャル表記や自分でつけたあだ名で、身長・年収・血液型・デート費用はどのように負担するか?など、男女共々相手を選定するに必要な質問の回答がずらっと記載されていました。
初めてみるマッチングアプリの画面に少しワクワクしながら、どんな男性がいらっしゃるのかしらと数人、数十人と見ていきますが、なんとなく自分からアクションすることが憚られ、見るだけで初日を終えました。
翌日、アプリを開くと数人から「Like」と呼ばれるSNSで言うところのいいねが来ていました。
これは「あなたとお話してみたいです」みたいな意味を持っており、私もその相手に対しLikeをし返すとチャットで会話がスタートできる仕組みになっています。
私なんぞを良いと思って下さる方がいるのね、と、ふわっと嬉しい気持ちになれるものですが、それはお互いそう思えたら大変喜ばしいことであって毎度そうなるとは限りません。
40歳を超えて小汚い金髪のバツイチはご遠慮願いたいですし、背景が明らかに実家の和室な丸坊主も好きになれそうもありません。
せっかくlikeをいただきましたが、そっとスルーし画面を閉じました。
そんな感じで数日が過ぎ、マッチングアプリの実態をなんとなく掴みつつあった私の元になんととても顔面が整ったメンズからLikeが来たではありませんか!
多少チャラそうな雰囲気はありますが、自己紹介文は真面目かつ爽やか。
こんな人に本当にお相手がいないの?しかも私にLikeを??と半信半疑で初めてのLike返しをしてみたんです。
するとほどなくしてメッセージが送られてきました。
「いいねありがとうございます!○○が理由で出会いがなくてマッチングアプリ始めてみました!いい出会いになればいいな~と思ってます!▲▲さんはどうしてこのアプリ始められたんですか?」
ちょうど良い文章量、そして会話を続けやすいよう質問を織り交ぜる感じ。さてはこいつ、デキるな?????
初のマッチング成立にしてこの相手とは、なんと私はラッキーなのでしょう。
私からもメッセージを返すと、またすぐにメッセージが。
「そうなんですね~!僕も○○です!ちなみに・・・」
またしてもちょうど良い文章量。そして相槌、共感。さらに別の話への自然な展開。しかも顔面は整っていらっしゃる。
幸運すぎるマッチングに心躍らせつつ、メッセージのやり取りを楽しんでいたところ、ついに相手から連絡先交換の打診がありました。
「実は今使ってるスマホが代替機で…」
なにやら事情がありそうです。
「ここのサイトに登録してポイントを買ってもらえるとこれからもメッセージができるから!https://・・・・・」
サクラでした。
そりゃそうだ。こんな顔面が整っててやり取りもスムーズでノリも良くて話も上手い人、マッチングアプリにいるわけがねぇんだ。
こりゃー一本取られたね。ギリギリセーフだったけどね。さすがにURL踏んでないしね。そのメッセージ来て「あっ」って気付いたしね。セーフセーフ。
というわけで、イケメンはサクラでした。い
危なくポイントを購入するところでしたね。イケメンと楽しいメッセージのやりとりがしたかったら金を払えってか!そうですか!ひと時のトキメキをありがとう!!ちくしょー!!!
そんなこんなでイケメンに騙される危機を回避した私は、この辺りから自ら動く決意を固めます。だって、待てど暮らせど金髪バツイチか実家住まいの丸坊主からしかLikeが来ないんですもの。
(こうやって書くとバツイチと実家住まいを否定しているかのようですがそうではありません。特徴としてわかりやすい点を挙げているだけなので、バツイチの方でも実家住まいの方でも魅力を感じれば私はLikeを返していましたよ。)
狩りに出る決意をした私は、早速数人の男性にLikeを送りました。
せっかくなのであだ名をつけましょう。
一人目:きゅるんとした顔立ちの工場勤め年下君。きゅるりん君としましょう。
二人目:私の地元から1時間ほどの街に住む年上の黒縁眼鏡が特徴の某自動車メーカー勤務。名前はめがね君一択です。
三人目:同じ県内在住だけどかなり離れた場所に住む同い年、証明写真みたいな写真に設定していたので証明写真君としましょうかね。
このお三方と同時にやり取りがスタートしました。
メッセージの返事の早さはさすが若者と言ったところでしょうか。きゅるりん君が群を抜いて即返信でした。返事が速いのでやり取りもスムーズです。
それに対し、雑談力の高さに定評があるのがめがね君です。他愛もない話にも必ず反応をくれたり、スタンプでやりとりしたりと、とにかく気負わず会話が続けられる人でした。
距離的にハードルが高い証明写真君でしたが、そのハードルを逆に利用しとっとと会ってみませんかと打診されスピード感では第一位。マッチングアプリですからね、最終的には会ってみないとわからないよね。
という感じで、それぞれにそれぞれの魅力があり、数日に渡ってメッセージをやり取りしたわけですが、結果から申し上げますとこの中に夫はおりません。
めがね君だけがLINEへの移行に成功しましたが、その後の進展が遅々としすぎてしまい自然消滅いたしました。
ちなみにきゅるりん君は私が相手の若さについていけなかったことが原因でこちらも自然消滅。返信が途絶えたと思ったら、急に「誰か友だち紹介してくれない?」と言われ意味がわからなくなり(私ではだめだったのでしょうけども)そのままスルーしました。
スピード感のあった証明写真君は、約束をしたその日から特にやり取りすることもなく、私は勝手に「会ってからを重視するタイプなのかな?」と思っていたのですが、約束の前日になっても連絡がなく、私から連絡してもなんの反応もなかったのでこれは実質ドタキャンにカウントしています。万が一私がピュアすぎて当日待ち合わせ場所に言ってたらどうすんじゃいワレ。
というわけでここからがやっと夫が登場します。心の準備はいいですか?
と思っていたら意外とここまで長文になってしまったので夫編は次回の投稿にしますね。前置きが長いことで有名な人妻ですからね。乞うご期待。