人妻が人妻になるまで②
タイトルの通り、人妻こと私が人妻になるまでを書き綴っております。
前回の投稿はこちら
マッチングアプリで夫に出会うまでを書かせていただきました。ここからはついに夫が登場いたします。
マッチング史上最速で会うことになった男
前回の記事でも登場していましためがね君とは、しばらくLINEでのやり取りが続いていましたが、なかなか会う話に至らず他愛もない雑談ばかりの日々を繰り返していました。
もちろん私からも会ってみようと誘ってみたりもしたのですが、なんかしら理由をつけられて先延ばしにされてしまっていたんですね。
そんな中、新たにLikeを送ったのが現夫でした。
特にこれといった特徴があったわけではないのですが、アイコンがテディベアだったことがなんとなく気になりプロフィールを見るに至ったきっかけでした。
住んでいる場所も適度に近くて、お顔も全部はわからないけど金髪でも丸坊主でもないし、なんならちょっとかっこよさげだし、なによりも自己紹介文に「※最低限の会話のラリーが続けられそうな方でお願いします」と載せていたことが決め手でした。
なぜこれが決め手になったのかと言うと、これを言うからには恐らく会話すら難しい方々とマッチングしてきた可能性があったからで、そのエピソードを興味本位で聞いてみたかったからなんです。なんという動機でしょう。
早速Likeを送ると、一時間もしないうちにマッチングが成立。そこから会話がスタートしました。
お互い2~3行程度の短文でやり取りが続き、ほどなくしてLINE交換の流れになり、マッチング後最速のスピードで連絡先交換まで至りました。
ちょうどお互いに翌日が休日だったこともあり、やり取りは夜中まで続きました。テンポよく会話も進むし楽しいし、こうなればすぐに会ってみたくなるのが私です。しかし時は夜中。仕方がないので通話に誘ってみました。すんなりOKをもらい通話開始。結果5時間も喋り、なんとその日に会うことになりました。
ここまで来ればあとはもうすぐに付き合ってまぐわうしかありませんよね。まぁ結婚まで至っているのできちんとフラグは回収されているのですが、一応付き合うまでにもちょっとした迷いはありました。
夫との初デート~人妻の懸念
マッチング成立後、異例のスピードで会うにまで至った私達。その日のデートは全く滞りなく進み、食事してその辺をドライブして夜景まで見に行き、次の約束までしたのですから上手くいく流れでしかありません。
しかし私にはひとつだけネックなことがありました。元カレの存在です。
数か月前に別れたばかりの元カレ、実は仕事で関りがあったんですね。
私から連絡する以外にも顔を合わせる機会が頻繁にあり、忘れようにも忘れられないというか、気持ちを引きずるにはもってこいの状況にあったわけです。そんなわけで、半ば無理やり始めたというか思いを振り切る為に始めたマッチングアプリだったので、いざ良い人に出会ってみたらその先が怖くなってしまったんです。
いつ元カレに気持ちを引っ張られてしまうかもわからない。そんな状況の女を受け入れてくれる人はいるのか?この人はそういうのイケる系?正直どない???と言うことで、デートが終わって間もなく、本当に間髪入れず電話をかけ全てを話しました。
私の勘違いでなければ、お互い好印象であるだろうこと。それを踏まえ、この先を考えるのであれば私の心変わりが懸念されること。
言ってしまえば、好きな人がいるのに他の異性にもちょっかいかけているような状態でしたので、どちらに対しても不誠実なんじゃないかと思ってたんですよ。3人同時にマッチングしてた人間が何を言ってるのかちょっとわかりませんけども。この時、もし元カレから復縁を持ちかけられていたら迷わず復縁していたと言い切れるくらい気持ちは元カレに向いていたので、吹っ切る為に始めたマッチングアプリとは言え、そう易々と他の人と付き合う気持ちではなかったんですね。
そもそもこの時点で告白されていたわけでもなんでもないのですが、30も間近の大人でしたのでその後の流れはなんとなくわかっています。数回デートを繰り返せばきっと付き合う流れになりますし、実際数回どころか次のデートの時にはキスしちゃってますし。(盛大なネタバレ)
実際夫は1回目のデートの時点で私への好意がかなり固まっていたそうですし、デート後の電話ですぐに「俺さっきアプリ消したよ」と宣言されたので告白されたも同然だと思ってはいますが、何も知らずに告白させて「実は元カレが~」なんて言われたらたまったもんじゃないじゃないですか。
ごちゃごちゃ言い訳をかましていますが、そんな理由で私はすぐに付き合う選択はしなかったんですね。なんせピュアなので。
ひとまず私の事情を理解してくれた夫は私を焦らせることもなく「最悪ダメでも友だちにはなれるよね?せっかく話が合うと思える人と出会ったからもったいない」とまで言ってくれました。控えめに言ってイイ男すぎます。
思わせぶりが過ぎる人妻
それからの私たちはというと、毎晩通話、手が空けばLINE、次のデートはどこに行こうかなど付き合っているも同然のやり取りを繰り返しておりました。なんて思わせぶりな女なのでしょう。最低です。
そして迎えた2回目のデート。会うのは2週間ちょっとぶりです。
この日の予定はお買い物デートです。地元から少し離れ、県内でも栄えている街に繰り出しました。私個人のウィンドウショッピングに嫌な顔ひとつすることなく付き合ってくれ、洒落こいたカフェでごちそうもしてくれ、普段はやらないようなボウリングまでやることになり、それはそれは楽しいひと時を過ごしました。
夕食も食べ終わり、この後どうする?的な雰囲気になったのですが、俄然テンションの高い私は「カラオケ行きたい!」と無邪気に誘います。賢い皆さんならもうおわかりかと思いますが、カラオケ=二人きりの密室ですからね。何も起こらないわけがありません。
というわけで、お腹もいっぱいになり超ご機嫌な私と夫は近くのカラオケへ。ほぼ1日行動を共にしていましたが、特に気を遣うこともなくかといってつまらないわけでもなく、きっとこういうのを「相性が良い」というのでしょうか。とっとと付き合ってしまえと今の私から見るともどかしいほどの展開です。
部屋に入り、お互いに曲を入れカラオケのスタート。懐メロを中心に楽しく歌い続ける二人。歌う曲のレパートリーも減ってきた頃、夫がさりげなく隣に座り「なんの曲入れるの?」と話しかけてきました。今思えばとてもさりげなく自然な距離の縮め方です。「なににしよっかな~」と画面から一切目を離さずに答えると、スッと画面と私の顔の間に入り込み𝒌𝒊𝒔𝒔…。
みんな!!!!!きたよ!!!!!!!𝒌𝒊𝒔𝒔…!!!!!!!!!!!!!
突然の出来事に固まる私。サッと身を引いて謝りだす夫。リアクションが出来ずデンモクとにらめっこする私。
きっとこれ男性側からしたら地獄の空気なんでしょう。許可もなく𝒌𝒊𝒔𝒔をしてしまい、相手の女性は無言。やめてと言われるわけでもなく、照れるそぶりを見せるわけでもなく、まるでなにもなかったかのようにカラオケを続行しようという感じ。
続けて「嫌だったら本当にごめん、殴ってくれていいから!!!」と言われ、やっと私は口を開きます。「嫌ってことはないんだけど…」嫌ではないけどなんなんでしょう。さらに地獄の空気が続きます。
その後も夫は私に気を遣いまくりつつ、なんとか普通の会話ができるまでになりましたが、私には謎の罪悪感が。
確かに嫌じゃなかったし、嬉しい気持ちもあった。けど、まさか夫がこんな手段に出るとは思ってもみなかったんです。
とは言え、私の反応で傷つけてしまったらそれは嫌だし、私だって少なからず好意があるからデートをしているわけだし、そもそもカラオケという密室に来たがったのは私です。相手の確実な好意を知っていて、それに対し前向きな態度を見せていて、尚且つ自分がそういう関係になることを望んでいなかったのならこんなに酷な状態はありません。
後出しになりますが、買い物デートの最中には私から腕を組みにいくなんていう思わせぶり全開なこともしていましたし、昨今問題になっていたような「部屋に行くということはOKのサインか?」的な話で行くと夫の行動は少々アウトなのかもしれませんが、私には全くそうは思えませんでした。単純に私が想定外だっただけなのです。
ごちゃごちゃと書きましたが、本当のところは「私の反応が悪かったせいで夫に嫌われたくない(好きでいるのをやめてほしくない)」が本音で、覚悟もなかったくせに好きでいて欲しかったんです。
今度は私から夫の近くまで寄っていき、嫌じゃなかったことやデートが楽しかったことなどをポツポツと話しました。
すると夫は私に改めて「好き」と伝えてくれ、またしても恋愛ムードで部屋の中がいっぱいに。
私も「私も好き」と言えたら万々歳だったのですが、実際に口から出た言葉は「ありがとう」でした。
そう、こんなことになってまでもまだ気持ちが決まらない。このとき既に元カレのことなど頭にありません。ただ、こんなにきちんと告白されて、こんなに想いをぶつけられて、どうしていいかわからなくなってしまったんです。
え?そんなの素直に付き合えばいいじゃん!と思いますよね?そうですよね?
全く自慢ではないというか、これは完全に私のそれまでの恋愛遍歴のもたらす歪みのようなものなのですが、まともに「告白→付き合う」という流れがほとんどなかったのです。
なんとなく流れでまぐわってからスタートとか、どうする?なに?じゃあ今日から彼氏彼女ね、とか、付き合いの始まり方なんてもちろん人それぞれあるんでしょうけど、まっすぐに気持ちをぶつけられたことは恐らく人生初だったのです。
振り返ってみれば、私は「相手に決めてもらう」ことでなにかから逃れていたんでしょう。今回の夫に関しては、それが通用しなかったんです。
その日は夫の好意(告白?)に対してまさかの感謝だけ伝え、帰ることに。
これは後に知った話ですが、夫はこのとき「やらかした」ととても後悔していたそうです。かわいいですね。
帰宅してからもモヤモヤした気持ちは残り、このままではいけないと「ちゃんと返事はするからもう少しだけ待っててほしい」と伝えました。
人妻、友人の一言で心を決める
翌日、友人に事の顛末を聞いてもらおうと電話をしたところ、目から鱗な話を聞くことに。結果としてこの友人の後押しが私の決意のきっかけでした。ここまで書いたようなデートの話から突然の𝒌𝒊𝒔𝒔、その後の気まずい空気から改めて好意を伝えられたことまで全て話しました。「嫌じゃなかったけど、そこまでしておいてその後引き下がられて(これまでは流れでまぐわっていたので)どうしたらいいかわからなかった」と、夫には言えないような私の正直な気持ちまで話すと、友人から一言。
「それって全部、彼の優しさだよ」
この一言で私は雷に打たれたような衝撃を受けました。
先述した通り、これまでの私の恋愛はちょっと変でした。変、というか「先にまぐわう」「とりあえずまぐわう」「まぐわってからじゃないと話は始まらない」みたいなことの連続だったので、どこかそれが当たり前かのように思っていたのです。
多少強引な人が好きで、私はどちらかと言えばドMですし、相手が私に対して動揺するという経験にとてもとても乏しかった私には夫の言動がとても不可思議でした。なんでそんなに私に気を遣う必要があるのかと。
しかし考えてもみれば答えは簡単でした。私も誰かを好きになれば「好きになってもらいたい、一緒に居たい、触りたい、でもやっぱり嫌われたくない」と気持ちが右往左往します。強引にできてしまう人は、恐らく相手の気持ち<<<<<<自分の気持ち、なのでしょうきっと。そこを鑑みれば、夫は一瞬自分の気持ちが溢れてしまったものの私の反応を見てアワアワ。なんてことをしてしまったんだ、こんなことをしてしまっては嫌われて当然だ、終わった。身を引くしかない・・・
と後半は実は夫から聞いた当時の後日談なんですけど、確かに大胆な行動に出た割にその後がやたら反応が薄いというか、遠慮がちだったというか、それまでの様子とは違っていました。
話は少し飛びましたが、私は過去の恋愛による歪みのせいで夫の気持ちをきちんと正面から受け取ることができていなかったと気付き、考えを改めました。そして友人に「そうか!私、付き合うわ!」と宣言したのです。
この世にカップルが一組爆誕
ここからは細かく書くほどのことはございません。
その日の夜だかその翌日の夜だかに電話をして私の気持ちを伝え、カップル成立。夫の格好良さが伝わるエピソードを加えておくと、私がままならない説明と話し方で気持ちを伝えようとするとなにかを察した夫が「わかった、その続きは俺から言う。好きなので、付き合って下さい。」と告白し直してくれました。控えめに言って素敵でかっこよくて𝑷𝒆𝒓𝒇𝒆𝒄𝒕です。とても長ったらしく書きましたが、このような感じで私たちはお付き合いを始めなんやかんやあって結婚に至ったわけです。✿ℍ𝔸ℙℙ𝕀ℕ𝔼𝕊𝕊✿
最後に
結婚するまでにも結婚してからも、もちろん喧嘩したり時には別れが頭をよぎることもありましたが、トータルしてとても幸せに過ごしています。
たまに夫の足がとてもくさいことがありますが、それを嗅ぐのも妻としての特権ということにしておきましょう。しかし本当にとてもくさい。
思ったよりも長くなってしまいましたが、これ人妻が人妻になるまでってよりもただ夫と付き合うまでの話じゃん?あれ?まぁ結婚前後あたりはまた今度気が向いたら書きます。需要なさそうだけど。
最後に、友人が私へ残してくれた名言をここに書き残しておきます。
おしまい。
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