【読書感想文】あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。/汐見夏衛
子供に「泣けるから読んでみて」と言われて読みました。
すがすがしいぐらい泣けますよ。涙活なんて言葉もあるそうで、そういう目的にはぴったりだと思います。
映画化もされたぐらい若者の間で流行っている本らしく、ずいぶんと重い内容だと思うのですが人気の恋愛小説家さんが書いたそうで、そのあたりが読みやすさの秘訣かと思います。
ざっくり言うとタイムスリップした女子中学生が特攻隊員と恋に落ちる話です。
で、私の号泣ポイント
タイムスリップから戻った中学生の感じる
という言葉。
なんか本当に今この世界でのんべんだらりと生きていてすみません。って思ってしまいました。
日本の戦争に関しては色々な意見があるかと思いますが、たとえ理由が何であれ、この国の何かを守ろうとして亡くなっていった方が当時沢山いらしたのは事実だと思うのです。
さて、私はこの国の何かを守ろうと思った事なんてあるんだろうか。
先日ふとAIさんに聞いてみたのですが、
自分の祖先はだいたい20代ちょっと遡ると、700万人ぐらいになるそうで、20代ちょっと遡るのにだいたい6~700年ぐらいかかるとして、その頃はざっくり鎌倉から室町時代ぐらい。
で、その頃の日本の推定人口が700万人ぐらいなのだそうです。
なーんだ日本はみんな親戚みたいなもんだ。
なんだかそういう自分の後ろまで連綿と繋がって来たものを感じてしまい、で、たいがいみんな自分の時より次の世代がいい時代になるように、って願ってきたんじゃないのかなぁ、と漠然と思ったのです。
そして今、次の世代の事考えてるんだろうか。自分が生きている間ぐらい持ちこたえてくれ、と思ってるんじゃないか。次の世代の幸せを願うなんて生物として当然の資質だと思うのですが、いつのまに「自分さえ」なんて思っていたのだろう。申し訳ないなぁ。
ちょっと前まで比喩でなく何かに命を懸けられた人が、一般市民に沢山いた国だったのだなぁ、とちょっと不思議な感じがした本でした。そしてこれを沢山の日本の若者が好んで読んでいると思うと、それもまた不思議な感じがする本でした。