世界一美味い飲み物を語ろう
『#また乾杯しよう』のタグを見て、まず思い出したのがこれなんですよ。
そう、アイスボックス。
この画像は森永製菓さんのHPからお借りしてきました。
なんか最近そんな感じの記事ばっかり書いてるな。まぁいいや。
今回も、別に森永製菓のPR記事とかではない。
ただ単にタグを見て、『乾杯』の文字を見て、連想されたのがこれだったっていう、それだけ。
ビールでもワインでもオレンジジュースですらなく、これ。
「いやアイスボックス飲み物ちゃうやんけ!」っていう声がどっかから聞こえてくる。せやな。
でも、あの日『飲んだ』アイスボックスは、最高だった。
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そう、あれは今みたいな、夏の日。
実はその時のメンバー、一切覚えてない。
多分大学のサークルのメンバーか、会社関係の人の集まりなんだけど、マジで1人も出てこない。場所も完全に忘れた。ド薄情。
でも、メンバーは忘れたけど、あの味は鮮烈に残っているのだ。
暑い日だった。
まさに「夏!!!!」っていう、からっと晴れた青い空、照りつける太陽。
我々はその中で、バーベキューをする事になっていた。
最高。
で、そこのバーベキュー場は、入り口に小さな建物が用意されていて、そこで肉やら野菜やらお菓子やらを随時買いに来いっていうタイプだった。
お察しの通り、アイス売場もあった。
圧倒的な暑さの中、何人ものメンバーがそれを手に取っていく。
涼し気な、『カラカラ』と『ガラガラ』の間くらいの音を立てて、沢山のアイスボックスと、アルコール缶と、お茶のペットボトルが、笑い声と共に籠に放り込まれていった。
この時点で、「あー確かに、あれは飲み物だね」って言ってくれる人もいるんじゃないだろうか。
ガリガリッと、あの淡い味のついた氷を軽快にかじるのも美味しいけど、強い日差しにちょっと溶けた『元・氷』を味わうのも、アイスボックスの楽しみ方の1つだ。
でもあの日いたメンバーの1人が、それをもう一段回レベルアップさせてきた。
そう、スミノフである。
暑い夏のバーベキュー場、ビールやチューハイ等のアルコール缶に混じって、スミノフアイスの瓶が何本か混じっていた。
瓶から飲むお酒って、なんかそれだけで美味しい。
スミノフはわざわざコップに注がないで、出来れば瓶から直飲みしたい。
ずっとそう思ってた。
いや勿論、今もそれは間違いないと思ってるけど。
だけど、だけど機会があれば、是非皆様にも試して頂きたい。
条件は、上記の通り、暑い暑い、夏の日。
カラッと晴れた、爽やかな風がたまに吹く時以外は汗が止まらないような、そんな日に。
室内なんてダメだ、これをやるなら、ロケーションは屋外に決まってる。
どうせなら思い切り景色のいい所だと、最高。
そんな日の、アイスボックス。
さぁ、ここからだ。蓋をゆっくりとめくっていく。
やわらかなプラスチックのカップが、指で少し頼りなく凹む。
手に力を入れ過ぎると中身が溢れそうで、ちょっとだけ緊張する時間。
その緊張に合わせて、ゆっくりと、中身が顔をのぞかせる。
蓋裏の銀色が、日光を反射させて白っぽくきらめく。
その中に、薄いイエローの影がついた、不揃いな大きさの氷。
子どもの頃から何度も口に運んだ、馴染みの、あの氷。
そこに、思いっきりスミノフアイスをぶちこむ。
ただの氷なら、スミノフの味が薄まってしまう。
でも、アイスボックスだ。
あの愛おしいグレープフルーツの味がついた、最高の氷。
それが、レモンテイストのスミノフと混ざり合う。溶けあう。1つのカップにぎっしりと詰められた氷が、スミノフを瞬時に冷やしていく。
最高に冷えたアルコールの美味しさ、スミノフの美味しさ、そしてアイスボックスの美味しさ。どこから評価すればいいだろうか。否、3つ全てが等しく評価ポイントだ。
というか、そんな言葉がもう野暮だ。
美味い。マジで美味い。最高。
あの日、我々は何度もそれで乾杯した。
この飲み物を提案した誰か(男の人だった気がするなぁ、くらいしか覚えてない。スミノフで酔っ払ったせいにしておこう)、彼はあの日のヒーローだった。みんながこぞって彼の真似をして、杯を空にした。
最高の夏が、そこに凝縮されていた。
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さて、令和2年、現在。
関東は無事に梅雨も明けた。
季節は良好。
アイスボックスも、スミノフアイスも、コンビニで手に入る。
後は外でこれを楽しめる環境だけだ。
でも、『乾杯』がしたいなって思ったら、ちょっと今年は厳しそうだ。
(まぁどっちにしろ私は今授乳中なので今年はお預けなのだけれど)
来年こそは、この世界一の飲み物で、大好きな誰かと乾杯がしたいなぁ。