コーラスケイトについて
はじめに、こちらの投稿において、現地での事故直後の様子も記していることをお伝えします。
上総S、コーラスケイトは、競走中に両第1指関節開放性脱臼を発症、最後の直線で転倒し競走中止、予後不良の診断。
今日も全身のバネを使い、弾むような立ち上がりで好スタート、勝ち馬となるベストリーガードを外からマークする2番手、勝負所の手応えもよく、脚を高く上げる応戦態勢、ここからという次の瞬間に異変、少しずつ下がり前から崩れるように転倒。
私はゴール板近くからコーラスケイトが見える場所へと移動し、見守っていました。両前脚を伸ばせない状態、顔が地面に着くくらいの前傾姿勢、動くことができないようでした。それでも上体を起こそうと、彼女は両前脚で地面を弾くように飛ぶと立ち上がって数歩動くも、すぐに元の前傾状態。
そこから目隠しのシートが張られ、しばらくすると馬運車のドアが静かに締まりました。
まずは鞍上の江田Jは異状なしとのことで、不幸中の幸いでした。引き続き、お大事にと。
コーラスケイトは、Jairsさんのサイトによると母カホマックスがディープインパクト不受胎のあと、オルフェーヴルを受胎、翌2018年6月2日に誕生。
新馬戦から能力を示し、地方交流戦で盛岡の芝を圧勝、次の中京では初ダート、大きく躓いたスタート後の控えた競馬で直線力強く抜け出して連勝、昨年の初茜賞では洗練された好位の競馬で3勝目を決めました。
近走は勝ちきれないレースが続いていましたが、いずれも序盤から積極的な競馬でコーラスケイトらしい走りを続けてくれており、栗東から美浦への転厩、得意の中山で本格化への調整をはかっていくところだったと思います。
結果的に最後のレースとなってしまった上総Sですが、パドックでは前の馬との距離を保ち、リラックスして歩様している様子。
時折かわいい顔をこちらに向けるなど、その表情からもオルフェーヴル産駒の牝馬が実力を発揮できるようになってくる頃の雰囲気を感じ、また、体高があるからか8㎏増の馬体重を感じさせず、わずかに冬毛が残ったお腹のあたりも美しいカーブを描いてキュッと締まっており、見惚れていました。
冒頭の写真のように、馬場入り時、頭を下げてから前脚を上げてぴょんと飛ぶアクションを3度、そこからすぐに返し馬へ。
それがまるで砂と自分の状態を確かめているようなアスリート然とした姿、鳥肌が立つほどかっこよかった。
コーラスケイトを乗せた馬運車が、自分の脚で駆け抜けるはずだったゴール板をゆっくり通り過ぎて行った光景を、この先も忘れることはないでしょう。
コーラスケイトには、生まれてきてくれてありがとう、頑張ってくれてありがとう、かわいい表情をありがとうですね。
どうか安らかに。