「広告ボイサンブートキャンプ 2023夏」日良方ヒアリング動画を公開しました
2023年6月に立ち上がった「広告特化ボイスサンプル制作ブートキャンプ」(以下、「広告ボイサンブートキャンプ」)。7月から10月までの短期間&6人という少人数で集中的に広告に特化したボイスサンプルを制作する、という企画です。
詳細はこちら↓
本記事について
本記事では全体の流れのうち「上野さんとの打ち合わせ」に関して、動画とともに文字起こしベースで内容を紹介しています。以下動画をご覧いただくにあたり、ご留意いただきたい点です。
・一人ずつ行われるヒアリングなので、あくまで「日良方かなの場合のヒアリング」としてお読みください。個人のバックグラウンドや提出物によってヒアリング内容に違いがあることを予めご理解いただければ幸いです。
・ヒアリングは事前にアンケート(ヒアリングシート)に記入した内容をもとに進めていきます。準備の様子は以下からご確認ください↓
・約1時間行われたヒアリングをおよそ10分間に短縮編集しています。大きな理由としては「非公開実績に触れている」「悩んでいる時間」などの箇所をカットしたためです。
・以下の文字起こしで補足が必要な箇所は(カッコ)を加え、また読むのに不必要と思われる相槌やつなぎ言葉は削除しています。動画と一致しない箇所もあるかと思いますが、読みやすくする一助としてご理解いただければ幸いです。なおYoutubeの自動文字起こし機能では一部変換が誤っている箇所もありますが相槌も含めほぼ文字起こしされています。必要な方はそちらもご確認ください。
・・・それでは以下、動画と文字起こしになります。なお動画内で説明が必要な箇所やご紹介できるボイスサンプルについては「注釈」として掲載しています。
ヒアリング動画&文字起こしと解説
企画参加の目的
上野:ヒアリングシートベースでちょっと話をしていきたいんですけども、(参加目的内の)「プロ監修のもとサンプルを制作したい。」これは広告のってことですよね?
日良方:そうです、はい。
上野:「私、上野のディレクションを受けてみたい」というのも、ありがとうございますと。
日良方:ありがとうございます。
上野:あとはですね「プロ視点から、自分の声や強みを分析してほしい」。これはヒアリング、このタイミングでできることなので、その辺の話もしていきます。
日良方:はい。
上野:「CMのトレンドや目指すべき方向性を知りたい」(※1)ということで、これはもう本当に僕の私見でしかなくなっちゃうので。それが本当にいいかどうかってのはまた別としてね、実際こういうふうに感じてますってことは言えるかなとは思っています。
日良方:はい。
(※1)「CMのトレンドや目指すべき方向性を知りたい」:過去に上野さんにインタビューした際「今の広告のトレンド」について伺ったため、参加目的にも記載しました。インタビュー記事は以下より読めます↓
過去のボイスサンプル&納品音声について
上野:まず分析の話で言うとボイスサンプルの話からいきたいと思います。当然ですけど、全部聞いてます。
日良方:ありがとうございます。35本。
上野:はい。広告的なところの、ナレーションサンプルについてのお話をさせていただきますと。全体的には、やっぱナチュラルな声なんだなっていう、あのいい意味です。日良方さん、その経験値の問題もあって(※2)いい意味でナチュラル。
日良方:はい。
上野:ただその読みに対する姿勢なのか、いい意味での軽さはあって、すごくナチュラルではあると思うんですけど、ちょいちょい怪しいところもあるなというとこではあります。(※3)
日良方:はい。
上野:アシスタントチャットのやつ(※4)が多分1本目に出てきたと思うんですけど。いい感じで力抜けてるなって、一発目に思いました。
日良方:ありがとうございます。
上野:その後の館内放送(※5)。これとかすごい良かったんですよ。これは多分創作の原稿だってことはわかりましたけど、
日良方:はい。
上野:すごく聞きやすかった。なんかシチュエーションにも合ったトーンで読んでるなっていうのもあって、うん。スルスルと聞いていきましたね。格安スマホ(※6)も聞きやすかったです。
日良方:ありがとうございます。
上野:キャパのドキュメント(※7)。
日良方:はい。
上野:これ僕ちょっと好きでした。ドキュメントにナレーションつけてるんだけど、このナレーションつけている人も、そのキャバ嬢さんと同い年ぐらいの、タレントみたいな。
日良方:たどたどしい感じですよね。
上野:なんか素人っぽさが、キャバ嬢という被写体に合ってて、いいかなと思います。
(※2)その経験値の問題もあって:日良方はナレーション歴2年半ほど
(※3)ちょいちょい怪しいところもあるなというとこではあります。:今回は時間の都合でカットしましたが、滑舌が甘くなりがちなサンプルや原稿構成的にあまり良くないサンプル等についても指摘をいただきました。
(※4)アシスタントチャットのやつ:「台詞っぽいナレーション」サンプル
(※5)館内放送:「店内放送ナレーション」サンプル
(※6)格安スマホ:「元気系通販ナレーション」サンプル
(※7)キャパのドキュメント:「淡々ナレーション」サンプル
講評まとめ
上野:僕すごい日良方さんのサンプルを聞いて、根本的にまず原稿。あとはもう手前味噌になっちゃいますけど、プロのディレクション。で、だいぶ一気に改善されると思います。だから(スタジオで)原稿の意図に関してもうちょい入ってもらって。丁寧にディレクションしながら録っていく、っていう形で、今まで持ってたものと違ったものってのは絶対できると思うんですよ。
日良方:おお!はい。
上野:あとは本当にナチュラルの方向がすごい武器だと思うんですよね。どうしても声質的に「華やかすぎる声」とか「派手すぎる声」とか「重すぎる声」とかってやっぱあるので。日良方さん、ちょうどいいとこだと思うんですよ。
日良方:すごい自分のコンプレックスでもあるんですけど。そういうふうに活かせるのであれば活かしたいです。
上野:だから、そうですね。キャラクターやるよりはね、本当自然な読みの人、っていうところでいった方が、僕はいいなと思いました正直。
今回制作するボイスサンプル〜①ハンドメイド系
上野:今回、どんなものを作っていくかという話を聞きたいと思います。具体的なところで、ハンドメイド系CMっていうのがどういうことなんだろうって、最初思いつつ。Creemaとかを見て(※7)「なるほどな」と思ったんですよ。
日良方:はい。
上野:(今回のサンプルは)どういう視点でいくべきなのかなっていうのがあって。
日良方:(ヒアリングシートに)参考URLで貼らせていただいたんですが、等身大感を出したいのかなっていう感じがあったんです。でちょっと書いたんですけど、雑貨とか作品があることで、いつもの地続きの日常なんだけどちょっと楽しいとかちょっと華やかになるみたいな。それでも日常の範囲内なので。そうですね。等身大なんだけどちょっとにこやかな嬉しそうな感じ、みたいなニュアンスで喋ればいいのかな、っていうのは思ったんです。
上野:じゃあ一つの方向性として、ユーザーさん。ユーザーさんの声、プラスサービス訴求で締め、みたいな。のを1個やりましょうか?ユーザーさんの声のところはナチュラルに言って欲しくて、サービス訴求のところは少し固め、っていうか、トーンを変えて。というのがまず一つやりましょう。
上野:これ、ちなみに商材って何がいいですか?そのハンドメイド系みたいなところで言うと、はい。なんかちょっと雑貨とか?が良かったりするのかなとか。
日良方:自分が一応「絽刺し」っていう刺繍ができるんですよ。なんで刺繍ものだとより嬉しいです。
上野:刺繍・・・
日良方:何か糸とか、「刺繍サービス始めました」でも。
上野:ユザワヤ的なことか、まさに。できるかなー・・・
日良方:「刺繍キットやってみませんか?」とか。「普段持ってる布のカバンとかに刺繍を施すだけでも特別なものになりますよ」とか。そういうのが・・・どうですか。
上野:ちょっと1回検討します。だから商材にもちょっとクラフトな感じを入れたいな、っていうことですよね。
日良方:はい。
上野:なるほどわかりました。一つはユーザーさんの声をメインにしたもの。これをやりましょう。
(※7)Creemaとかを見て:ヒアリングシートに記載したCreema様CM
今回制作するボイスサンプル〜②ボソボソ系
上野:2つ目。(※8)これは1個目とやっぱ全然違うやつで、ナチュラルというよりも意識して抜いてもらう必要があるんすよね、力を。で、これが一番経験値の多いナレーターさんが困るやつで。「これは果たして私はちゃんと今仕事してるんでしょうか?」みたいな。マイクの使い方もだいぶ変わってくる。これ宅録で取れない人たくさんいるんで。
日良方:録れない気がする。
上野:今回スタジオだし、やるなら今だと思いますし。これはやりましょうかね。
日良方:ボソボソ系。
上野:ボソボソ系って言っちゃっていいと思います。ボソボソ系で大事なのって、やっぱボソボソする意味がある言葉じゃないと良くないんですよ。悩みとか。「何でこれボソボソ言う必要あるの?」っていうことを言い出しちゃう、例えば商品の説明とかボソボソ言い始めたら何でやねんってなっちゃうから。
日良方:確かに。
上野:これすごく、映像に出てくる登場人物の心情に寄り添うような話になっていくわけですよ。だから人物設定とか付けてあげないと、結構厳しい。ボソボソのセリフを拾ってくれるのって、大きな企業なんすよ。エネルギーとか通信とか。そういう大きなことをやっている企業だと、その末端には1人の人間が必ずいるので、ボソボソが活きてくるんですよね。「たった1人のボソボソだけど、企業としては大きなことをやっている」っていう形だとすごく腑に落ちるんですけど。たった1人のボソボソでたった1人のカップラーメンの話になるとちょっと厳しい。だからこれって結構商材とかが、いろいろ影響してくるんですよ。ここはちょっとそういう感じで、一旦預けてもらえればと思います。
(※8)2つ目。:打ち合わせの前に、ヒアリングシート上で「このナレーターさんのこの動画みたいなモノローグのような読みがしたい!」と要望を出していました。
今回制作するボイスサンプル〜③元気系
上野:3つ目ですよ。1で「芝居ちょっと入りのナチュラルでいく」っていうところ。2番は「ボソボソ」、今まで多分日良方さんやってないところをやるっていうのがあった上での、3番。どうしましょうかという話ですね。
日良方:はい。
上野:声を張ったものがないなって思ったんすね、サンプルに。(※9)
日良方:あ!なるほど!
上野:なんか普通の「元気な女の人」っていう、サンプル。1個あってもいいんじゃないかなと思うんですけどね。
日良方:スタジオで、そういうふうにプロフェッショナルが取ってくださるんだったら。なんてやりやすいんだろうって思いますね。(※10)
上野:そうですね。なんで、元気なナレーション。やりましょうか?
日良方:はい。ファイト一発!みたいな?
上野:商品まで元気にしなくていい(笑)でも食品とか・・・ちょっとこれは一旦検討させていただきます。
日良方:ありがとうございます。
(※9)声を張ったものがないなって思ったんすね、サンプルに。:過去に納品した声を張るテンション高めな某大型量販店用のナレーションを、ヒアリングシートと共に共有していました。
(※10)なんてやりやすいんだろうって思いますね。:(※9)のナレーションは宅録で納品したため、ボリュームや音圧の調整がかなり大変でした。
まとめ
ディレクターさんから自分の声や読みについての総評をいただくことが初体験だったので、戦えそうな武器と改善点をいくつも知ることができました。今後一人でサンプルを制作する際にもかなり活用できそうです。
また「50本でも100本でも、いただいた音声は全て聴きます」という上野さんだからこそ、より参加した側が納得しながらコメントを伺うことができたように感じました。例えば本数に制限があったら「このナレーション聞いてもらってないから」「これは私の一部だから」など言い訳ができそうだなと。
一方で自分の反省点としては、これから制作するサンプルの内容、特に商材についてより深く考えておけばよかったなと思いました。私は「ハンドメイドナレーター」として存在感を強めることを軸にヒアリングに臨んだんですが、その上でどんなCMを作りたいか?またそれ以外のサンプルは、どんな商材だったら差別化/PRができるのか?などを考えれば、より意義のあるヒアリング時間になったかなと後から思います。もちろん本企画では原稿作成をお任せできるので、自分で考える必要はないと言えばないんですが・・・原稿作成していただいた後の齟齬を減らそうとする試みがもっとできたかなと思った次第です。
そしていよいよ8月中旬頃にかけてヒアリングをもとに作成した原稿3本の共有後、9月中旬頃に収録へと入ります。HITOCOE内ではそんな収録の様子も発信できればと思いますので、引き続きTwitter(X)公式アカウント「@cmvs_bc」にご注目いただければ幸いです。
読者の方でも「こんなポイントが知りたい」というご希望があれば、ぜひ気軽に上記アカウントのDMか、日良方のアドレス(kana.hirakata@gmail.com)までご連絡ください。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!