【突撃!ナレトーーク】番外編 あきらさん、ちょっと質問してもいいですか!?
番外編では、いつか晴るさんが片岡あきらさんへ聞いてみたかったことをご紹介します!
同じような悩みを持つナレーターの方々にも参考になりましたら幸いです。
(本編をまだ読まれていない方はこちら↓)
Q.プロフィール写真をイラストにしていますが、顔を出したほうがいいでしょうか?
いつか:私はプロフィール写真をイラストにしているのですが、やっぱり実写で顔を出したほうが信頼度が上がるのでしょうか?
あきら:僕はこれはどちらでもいいと思っています。自分のナレーターとして目指していきたい将来像とか哲学によってくると思うのですが、ナレーターに「信頼感」を求めるクライアントさんには実写の宣材写真のほうが向いていると思います。
けれども、副業とか家庭の事情で顔を出せない方もいると思います。そういう方はイラストで、なるべく本人の雰囲気が出るようにしたほうがいいかな。
そのイラストの雰囲気も今っぽさが出ていると、ちゃんと今現在も活動している方なんだと伝わると思います。
いつか:なるほど!
あきら:今だったら何だろう…令和感を感じるテイスト。ネオン系の色を使ってもいいだろうし、昭和レトロも流行ったりしているので、あえて昭和レトロなイラストを描いているイラストレーターさんに描いてもらうとか。そうすると今っぽさが伝わると思います。
そのイラストの中でも質を求める。仕事をしていく上での「自分の顔」になるものなので、例えばイラストレーターに1万円で依頼をすると、クオリティの高いイラストが出来上がってくると思います。
その次のステップとして、もっと大きな仕事がしてみたいと思ったのであれば、イラストから宣材写真に変えてみるとか。そういうのもありです。
でも、これは人それぞれのタイミングですし、必ず実写にしなければいけないということはないです。
自分がやっていきたい仕事のスタイルに合わせて、イラストか実写を選んで、イラストだったらどういうテイストのイラストにしていくかということを決めていければいいと思います。
イラストでも、高級感が伝わればちゃんとしたお仕事がくると思います。
いつか:なるほど!ありがとうございます!
(↑ココナラでは、素敵なイラストも注文できます!byあこ)
Q.自分の提示金額より高い金額でオファーされたとき、どうしますか?
いつか:ココナラで時々、高い予算でご依頼をいただくこともあるのですが、私の金額だとそこまでもらえない…!というときがありまして、どうしたらよいのでしょうか?
あきら:そうですね。僕は素直にオファーされた金額で受けてしまいますね。
やっぱり自分の実力不足を感じていたりだとか、まだ自分はそこまでレベルがいっていないというのが不安になると思うのですが、あえてそういう大きな金額で提示されたものをそのまま受けてみる。
逆に、「その金額に見合うような仕事ができるようにがんばろう」「それぐらいの技術を身につけよう」と、自分が成長するための材料に使うほうが自分も成長できますし、クライアントさんにも「このナレーターさんは一生懸命仕事をしようとしてくれている」というのが伝わるのではないかと思います。
それが信頼感に繋がって、「この人にこの金額でオファーしてよかった」という満足度に繋がりますので、そのほうが健全だと思います。
物怖じすることも多いと思うんですよ。例えば、5分の企業案件動画のナレーションに、100万円でオファーされたら…!
(↑実際、片岡さんのところには5分で100万円のオファーが来るそうです!byあこ)
いつか:けたが違いますね!!(衝撃)
あきら:「おぉ~!!100万円か!5分で!?」という反応になると思うんですよ。それを「100万!よし!ちょっと自分に見合っているかどうかわからないけれど、それぐらいのブランドが自分にあるのかどうかわからないけれど、ひとまず受けてみよう!」と。
そこから、その100万円というのをあえて前借りするような感じで、100万円をオファーされるブランド感を自分の声に乗せるためには、どういう声を使ったらいいのか。
例えば、それをレッスンのお金として使ってみるとか、それぐらい自分にはブランドがあるよというのをプロフィール写真やイラストで見せるために、「高級感のある見せ方ってどういうものですかね?」とカラーコーディネートの専門の人に聞いてみるとか、ブランディングのマーケティングの専門家にレッスン代を払って聞いてみるとか。
そうすると、その100万円を使って自分のブランド自体も大きくすることができますよね。
ただ「100万円をもらって仕事をした」だけではなくて、自分のブランド感を育てるために、自分に投資をすることもできると思うんです。
「100万円払っていただくからには立派な仕事をさせていただきます!」という気概、プロフェッショナルな気概をもってお仕事をお受けするとどちらもWin-Winです。基本的にはそのままお受けするというのがいいと思います。
いつか:なるほど…!
あきら:でもそのなかで自分一人でやっていると、どうしたらいいんだろう?とわからなくなるときもあると思うので、もちろん誰かに相談したり、クライアントさんに「ちょっとこういうところを不安に思っています」と正直にお話しするというのも大事だと思います。
決して自分一人で全部をやろうとは思わないほうがいいです。誰かに協力を仰ぐ。それが、大きな金額感に押しつぶされないための対策ですね。
いつか:私も自分の出している金額より大きい金額をクライアントさんから提示されると、ちょっとプレッシャーがあったりします…!
あきら:やっぱりナレーターは、どうしても自分を卑屈に見る傾向があると思うんですよ。下請け気質というか、どうしてもナレーターって仕事を受ける側だから。
いつか:クラウドソーシングサイトだと評価がついてしまうので、評価に響くと思うと…!
あきら:そういうのあると思うのですが、そのバランスですよね。謙虚でいるという姿勢と、自分がプロフェッショナルであるという、「自分の声を通して、社会に良い価値を提供しているんだ」というプライド。
この謙虚の比重が重すぎちゃうと、それが卑屈というものに変わってしまいます。この卑屈さを謙虚さまで持っていって、プロフェッショナルであるというプライドも一緒に育てていく。それは実績の積み重ねでだんだん養われていくところもあると思います。「私はこの金額で仕事をやっているんです」という誇りがでてくると思うので。
あとは、仕事をする場所を変えてみるのもいいですね。クラウドソーシングだったところを、制作会社との直接取引にするとか。場所を変えると相場が変わったりするので、相場感が変わると客層も変わってきます。
ギャラの相場感が高いところほど、わりとナレーター側の自由裁量が大きくなる感覚があります。読みに対しても、「ナレーターさんにおまかせします。もう信頼していますので」という感じで結構任せてもらえる。そうすると、相手もこちら側も精神的にとても穏やかな状態。
だから、仕事の場所を一つに限らずに、いろいろなところを試してみるといいと思います。仕事をしていくなかで、自分の精神状態もやっぱり大事じゃないですか。
幸せにお仕事ができて、変に威圧感を感じることなく相手とフェアな関係でお仕事ができるということも、とても大事なことだと思うんです。自分の心の平穏さを守るためにも。
やっぱり心が荒れちゃうと、家族にも当たってしまうかもしれない。そういう意味でも、自分の心の砦を守ることは、お仕事をしていくなかでとても大事なことだと僕は思うんです。
そのために、自分が仕事をできる可能性があるのだったら、いろいろな場所を試してみるのもありだと思います。
いつか:そうですね。クラウドソーシングサイトでがんばって、制作会社との取引のほうも増やしていけるといいなと思います。
みぽりん:今日のお話を聞いて、私もクラウドソーシングから一歩進んでいけたらいいなと勉強になりました。
いつか:ありがとうございます。クラウドソーシングは落ちてなんぼなので、ガンガン落ちます。落ちていちいち悩んでいたら時間がもったいない!縁がなかっただけです!片っ端からどんどん挑戦してみてください。
あこ:私も晴るさんのものすごい行動力を見習って、挑戦し続けたいと思います!今日は本当にありがとうございました。
私も含め、これからクラウドソーシングサイトで宅録ナレーターを始めてみたい!という方にも参考になるお話をいただきまして、ありがとうございました。
HITOCOEを通して、ナレーター界が横のつながりを強くし、より盛り上がっていくことを目指して、これからもナレーターの皆様にお話をお聞きしていきたいと思います!どうぞよろしくお願いいたします!(by あこ)
【今回のゲスト】
いつか晴るさん
横浜在住。元役者で舞台・映画・企業VPなどの出演もあり、現在はクラウドソーシングサイトを中心に宅録でナレーション・朗読・CVの仕事を受けている。宅録での実績は600本以上。
ナチュラルで中高音の聞き取りやすい声質で、今勢いのある宅録ナレーターの一人。
〇Twitter…@itsuka232
〇HP…https://itsukaharu.wixsite.com/cv-site
今回の【突撃!ナレトーーク】本編はこちら↓
【ライター】
片岡あきら(HITOCOE編集長)
国際ナレーター芸人。声の仕事でお寿司を食べまくっている人。プレイヤーとしてだけでなく、スクールや大学での講師、個人レッスンなども。
〇HP…https://kataokaakira.com/
〇Twitter…@akiranarrator
あこ(甘利亜矢子)
純文学を愛するナレーター。文学の魅力を発信すると共に、司会業を中心に伊豆半島を走り回る日々。宅録のお仕事も本格的に始めました!
〇note…https://note.com/amariayako
〇Twitter…@amariayako
みぽりん(遠藤美帆)
新米ナレーター。普段は教師、舞台女優として日々奮闘中。歌好き!ミュージカル好き!モットーは「いつでも、どこでも、何からでも学ぶ!」こと。
〇Instagram…@umi_porin
〇Twitter…@umi_to_maru