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#18 家族の世話役を担っていた祖母が認知症になった


 長年家族の世話役を担っていた祖母の認知症が少し進んだ。病院に行くと、ごく初期の認知症だと診断された。症状は、置いたものがどこにあるか分からなくなる、さっき話した内容を全く覚えていない、記憶が混乱して実際にはなかったことを言う、無気力になってきた、といったものだ。

 たまに実家に帰って祖母と話しているとそんなに違和感は感じないが、家族同士のやり取りの中では明らかに困難さがあるのを感じた。

 また、そんな自分に、祖母自身が焦っているように見えた。

 祖母が少しずつ、以前できていたことが、できなくなっていく中で、家族は日々どのように祖母と関わるべきか、役割を与えるべきか話し合った。

 現段階で祖母ができることはたくさんある。

・私が実家に帰ると、暑いだろうと寝室にエアコンをかけてくれていた。
・私が喜ぶだろうとアイスを買ってくれていた。
・飼っている牛の餌の量を測って入れる。
・魚を焼く
・ガーデニング
・水やりなど

 こう見ると、十分過ぎるほどにできている。病気でなくても初めからできない人も、やる気がない人もいる。強いていうなら、「できる時とできない時がある」ということや、「全体的に爪が甘くなでている」ということが以前の祖母と変わったところだ。

 家族会議で話してまとまったのはこうだ。祖母は少しずつできなくなっていくことは増えるだろうが、とにかく

今できることを把握して、
できることは祖母に任せていく


ということだ。
父が言っていた。
「最近じいちゃんと話すのは、牛のことか、ばあちゃんのことばかり」と。(父は最近定年退職して実家の畜産業を継いだ。)


 私は内心驚いた。父がこんなに家族と向き合う姿を見るのは、初めてだったからだ。
 去年までの父といえば、父は高校教師でほとんど家に居なかったし、たまに家にいても朝から晩までテレビを見ながら寝ていた。

 ちなみに母は小学校の講師として働き、祖母は家を守りつつ祖父の手伝いを、祖父は畜産業を、とそれぞれが自分のことをガッチリとやっていた。それぞれが自分のことに必死で、団結することはなかった。(しなくてもなんとかなっていた?)しかし今回ばかりは団結なしではどうにもならない。

 これまでの家族の様子と今の様子を比べて思った。これはチャンスではないか。確かに、祖母にできることは少なくなるかもしれないし、以前にもまして口論は絶えない。しかし、その度に話し合ってどうやってうまくやっていくかを見つけ出していけたらそれで良い。その機会がこれまでよりもたくさん持てているのではないか。
 むしろ、これが今の私の家族の新しい形なのではないか!(これまででベストかも)

 普段何気なく長い時間を共に過ごしている家族。ある意味「チーム」とって向きあっていく必要が出てきた。家族としてのあり方をもう一度考えるチャンスにしたい。

 とはいえ私も実家に住んでいるわけではないので、たまに帰ってまた家族の様子を見守ったり、必要であれば話を聞いて取り持ったりするのが私の役割だと思っている。


 家族がお互いのことを大切にできますように。イキイキと自分の人生を歩めますように。

 ...とまあこんな感じの家族がいてくれるから私は今日も挑戦できる。ありがとう!


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