人材派遣会社のマージン率について
人材派遣会社のマージン率を勘違いされている方が非常に多いと感じたのでこちらの記事を書かせていただきます。
そもそも派遣会社のビジネスモデルについて
派遣会社のビジネスモデルも大きな枠組みで見れば、ほかのビジネスと全く変わりません。
※とっても簡単に書きます。中高生でもわかるような概要です。
一般的なビジネスは、
①材料を調達
②材料から製品を製造
③製造された製品を販売
このとき、
①のポイントは材料の調達をいかに安くいいものを調達するか
②のポイントは材料から製品を製造する時に、いかに効率よく(安く、よいもの)コストをかけずに製造するか
③のポイントは製品をできるだけ高額で購入いただけるか
ようするに、安く調達していかに高く売るか!
無形サービスなら、いかにコストをかけずに継続利用してくれるか!
これが基本だと思います。
人材派遣も実は一緒なのです。
派遣会社のビジネスモデルは、
①広告を出して、人材を調達
②人材を研修などを実施して能力を確認して派遣先を選定
③できるだけ高単価な業務についてもらう
ようするに、調達コストを下げて、高単価業務(案件)に就業させるか!
これが、人材派遣会社のビジネスモデルの基本です。
派遣会社のマージン率って?
マージンとは、派遣先企業が派遣会社へ支払う料金である「派遣料金」から「派遣社員の賃金」を差し引いた額です。いわゆる、派遣会社が得ている取り分のことです。
粗利の部分ですね。
しかし、このマージン率には数々の派遣会社の費用が含まれていません。
マージン率=派遣会社の利益ではない!
マージン率は派遣会社の利益ではありません。
なぜか・・・?
前段でも記載しましたが、調達コスト(広告費)などが含まれていないからです。ではどんなものが含まれていないのか・・・
派遣社員に関わる諸経費
例えば、派遣社員のお担当者やコーディネーターの人件費、オフィス利用料や派遣社員の福利厚生サービスの拡張(社会保険料や労働保険料など)、派遣社員のスキル・資格などの研修費用(派遣社員の研修やe-ラーニング、資格取得費用など)です。
現在では、研修などのスキルアップやキャリアアップも派遣法の改正(平成27年9月30日)により、労働者派遣事業の新たな許可基準 として、派遣労働者の「キャリア形成支援制度」を有することが定められました。
有給休暇の費用
派遣社員が有給休暇の取得をする際は、派遣先が提供するのではなく、派遣会社が賃金を支払う仕組みとなっています。
求人広告の宣伝費用
基本的に派遣社員を募集する際の費用はマージンから出されます。マージンが高い派遣会社は宣伝力に力を入れているかもしれません。
派遣会社自体の事業運営費
派遣会社も事業を運営する費用がなければ、運営が困難になってしまい、人材を提供することができなくなってしまいます。運営が困難になると、自社で雇用した派遣社員の損失にもつながりかねないので、事業運営費は重要視する必要があります。
上記の費用をマージン率の中でやっているということです。
派遣会社の利益はどうなの?
平均のマージン率に対して、1.2%前後が営業利益に当てられているようです。
あくまでも平均に過ぎず、会社によって最終的な営業利益は異なります。
参考資料『一般社団法人 日本人材派遣協会』
・社会保険料 10.9%
・派遣社員有給休暇費用 4.2%
※派遣会社が派遣社員にかかる費用は85.1%を占めています。
・派遣会社諸経費 13.7% (事業運営、広告宣伝費など)
・営業利益 1.2%程度
まとめ
派遣会社のマージン率を少しはご理解いただけたでしょうか?
もう少し詳しくは、下の記事に書いていますので、興味がありましたらご覧ください。
ご希望があれば
派遣会社にて営業の責任者を長年勤めてきましたので記事などのご希望がありましたらコメントいただけると幸いです。
包み隠さずできる範囲で書かせていただきます。
ご質問もお受けしております。
人材派遣業界に問わず、営業や管理など私のわかる範囲でかまわなければ何でもお話しいたします。