婚約指輪は「甘え」かもしれない

なぜ、女性は男性から婚約指輪を貰えるのだろうか?

なぜ、結婚という対等であるはずのパートナーシップを結ぶにあたり、20万円~40万円という、手取り給与の1~2ヶ月分に相当するほどの高額なアクセサリーを男性がプレゼントすることが、当たり前となっているのだろうか?

ふと疑問に思い、考えてみた。


女性の方が男性よりも価値が高いから?

でも、「女性性は生得的に男性性よりも高い価値を有する」と主張したら、立派な女尊男卑の差別思想じゃないの?

婚活的価値が高い方が贈るというのなら、ハイスぺ男と結婚する地味な派遣女は「婚約してくれてありがとう♡」と高級腕時計を彼にプレゼントするのが礼儀になるの? (男性が身につける高級アクセって腕時計くらいしか思い浮かばなかったので、以下でもたびたび腕時計が出てきます)

結婚したら夫は妻に面倒をかけるから、もらって当然?

それなら40万円の指輪をもらったら、20万円の指輪をもらうよりも2倍我慢しないといけないの? 2倍、夫に尽くさないといけないの?

逆に、夫は40万円分の迷惑をかけることが許されるの? それって「誰の金で生活していると思ってるんだ!!」と怒鳴り散らすDV夫を許容することにならない?

女性は男性よりも低収入のことが多いから?

婚約時に、たまたま彼氏よりも彼女の方が高収入だったら、彼女が20万円~40万円の婚約腕時計を贈るのかな?(それはそれで素敵かもしれない)

女性は子どもを産むという肉体的負担があるから?

子どもを希望しない女性や、子どもを産めないもしくは授からなかった女性は、婚約指輪を貰う資格がないという過激思想かな?



思考実験として、男女を入れ替えて考えてみよう。

もし彼氏が、自身の収入に関係なく、「婚約するなら高級腕時計を買って♡」と言ったら。

「そんなもん自分で買えやボケェェ!! 自分で身に着けるものは、自分の収入に見合うものを買えや! 甘えるな!!」と怒鳴りつけボディーブローを決めるだろう。いや、だろうではない、絶対なる。


結局のところ

立場を入れ替えたら見えてきたけれど、女性が数十万円の婚約指輪を彼氏にねだるのは「甘え」ではないだろうか。

上で見てきたように、婚約に際して女性が男性から数十万円の高級品を受け取る合理的な理由は見つからない。

夫婦になる間柄でも、自分が返礼することなしに数十万円の贈与が貰えるのを当然と思うのは、まさに「甘え」だと思う。

「男女平等」「女性の自立」「対等なパートナーシップ」を謳いながらも、婚約指輪を受け取り、同額の返礼をしないならば、それは自分に利益をもたらす形の男らしさのみを求める、小ずるい態度の発露だろう。

対等なパートナーシップ関係を目指すのならば(自分もそれに憧れているが)、自分が身に着ける指輪は自分で買うか、指輪を贈られたら同額のものを贈り返すのが筋だろう。今のところそんな予定は微塵もないが、そういうときが来たら、筋を通す生き方をしたい。


参考記事: 「婚約指輪は反フェミニスト」という声が紹介されている。





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