英国ぶらり(10) 上空映画館
英国旅行記のラストは、毎度のようにこのまとめ。
今回もまた、往復の機内では映画漬け。なにしろ時差の関係でそうそう寝るわけにはいかず、食べることとトイレだけではさほどの時間も使えず、残る膨大なヒマ時間、ひたすら映画を見続けることになるのです。
というわけで、羽田~ヒースロー間の往復合計およそ20時間ばかり、わさわさと映画を鑑賞しました。ちなみにヒースローとグラスゴーの間の国内便には機内上映サービスはありません。
では、英国航空の機内で見た映画たちを記録を兼ねて、ざくっと紹介しましょう。
まずは離陸してすぐに見始めたのが、こちら。
『シャフト』SHAFT(2019) 私の大好きな「黒いジャガー」シリーズの、いまのところの最新作。詳しくはこちらをご覧ください。なにしろ最初の「黒いジャガー」を見てから半世紀近くにわたってお気に入りのシリーズなので、どんな状況でも見る機会は逃せません。このシリーズがいいのは、けっこう製作の間隔が開いていても、キチンとストーリーが続いていて、ツボを外していないこと。ここでもシャフト家3代が顔を揃えての殴り込みシーンは、ここが機内だろうがなんだろうが感涙鳥肌ものでありました。
続いては、こちらも長年のおなじみさん。
「チャーリーズ・エンジェル」Charlie's Angels(2019) 愛しのファラ・フォーセット・メジャースが出ていたころの第1シリーズから幾星霜(なにしろ1976年ですよ)、メンバーもすっかり変わり、ずいぶんと図体も大きくなったもんだ。機内上映メニューの貧弱な紹介文からはよくわからなかったんですが、この作品は2000年の映画版「チャーリーズ・エンジェル」およびその続編の「チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル」(2003年)のそのまた続編だそうです。16年も間があいたので、ちゃんとつながってるのかはよくわからないけど。肩の凝らないアクションは、飛行中の鑑賞にはピッタリですね。
いいかげん目が疲れてきたので、視神経への刺激の少ないモノクロ映画をチョイス。
「大アマゾンの半魚人」Creature from the Black Lagoon(1954) こんな古い映画まで見られるんだから、じつにありがたいものです。もう何度も見てるけど、ちゃんと最初から最後まで見たのはひさしぶりかも。長さも短いし、リリーフにはピッタリの映画ですね。もちろんこのジャンルの映画としてはトップクラスの作品ですからね。
ここまでは見たことがあったりおなじみだったりする映画ばかりだったので、次は未見の映画を見ましょうか。
「イコライザー」The Equalizer(2014) この1作目を見逃していたせいで、後続の続編2作品も未見なのでした。機内上映では日本語吹き替え版しかなかったのがちょっと残念。あとで調べるまで知らなかったんだけど、これも1984年から4シーズンも続いていたTVシリーズの映画版。日本でも「ザ・シークレット・ハンター」の邦題で放送したそうです。なかなか面白かったので、今度続編やもともとのTV版も見てみようかな。
往路で見たのは、この4本。じつは「イコライザー2」が上映リストにあったので帰りの便で見ようと思っていたのですが、なぜか復路では見つかりませんでした。
復路のトップはこれ。
The Ministry of Ungentlemanly Warfare (2024) 見慣れないタイトルだけど、間違いなく戦争アクション系の映画だろうなと思って、わずかな紹介文をみると、どうやらガイ・リッチー監督の最新作らしい。それなら外れではないだろうととりあえず見てみたんですが、これが大当たり。第二次大戦中、クセモノぞろいの英国特殊部隊と情報部が西アフリカでナチスのUボート基地を殲滅する話。これぞ戦争映画、反戦も厭戦も戦争の悲劇もなしで、プロフェッショナルな軍人とスパイが理屈抜きで暴れる明朗快活映画でありました。いまどきまだこんなもの作れるんだ、さすがはガイ・リッチー監督、わかってらっしゃる。ところで、この映画、今の時点で日本公開が決まってないみたいですが。
「ドライブアウェイ・ドールズ」Drive-Away Dolls (2024) こちらも今年公開の新作ですが、日本でも劇場公開済みだとか。女性2人のカップルが犯罪に巻き込まれながら旅するというロードムービー。往年の「テルマ&ルイーズ」(1991年)を想起させるけど、主人公のカップルがはっきりゲイなのが、いまどきかな。でもそこが「特別」じゃなくサラッと自然体で描かれてるんで、わりと抵抗なく見られました。不満があるのは、敵役の弱さ。だから犯罪スリラーとしてはそんなに高得点は上げられません。
「クワイエット・プレイス」A Quiet Place (2018) 一転してバリバリのホラー映画を拝見。気になっていたけどずっと見逃していた作品ですが、もっと早く見ておくんだった。よく考えられた設定で、緊迫感も凄いし、なによりも怖かった。これも続編があるから、そのうち見てみようっと。
緊張感のあるホラーを見て疲れたので、ここらで一服しましょうか。
「ゴーストバスターズ」Ghostbusters (1984) 元祖のこれ以外にもシリーズ作品がたくさんラインナップされていたけど、どれを見ていないのか、どういう順番で作られたのかがもはや判然としなかったので、安全策。とはいえ、ちゃんと見たのはずいぶん久しぶりで、なんか初見みたいな気がしました。もう40年も前の映画だもんね。そういえば私が買った史上最初のCDって、この映画のサントラ盤だったな。
羽田到着時間も迫ってきたけど、最後にこれを。
「カンフー・パンダ4」Kung Fu Panda 4(2024) アニメとしても面白いし、カンフー映画としても傑作なシリーズの最新作。もともとはジャッキー・チェンが声優してたから見たんだけど、驚くほどカンフー映画だったので気に入ってました。今回はジャッキー出てないけど。見始めてから気づいたんだけど、そういえば「カンフー・パンダ3」を見てなかった! まあいいや、帰ってから見ようっと。で、この「4」もまだ日本では公開も配信も決まってないみたいですので、お得だったな。
ほかにも様々な映画がラインナップされていて目移りしてたんですが、いくら飛行時間が長くてもこのくらいが限度ですかね。今回も堪能させていただきました。これでタダ(いや航空運賃に含まれてるんだろうけど)なんだから、ありがたい限りですね。
旅行でぶらり(笑) 目次
【2025/1/31】 嬉しいことに「The Ministry of Ungentlemanly Warfare」の日本公開が決まったようだ。2025年4月4日から全国公開だそうで、邦題も「アンジェントルメン」に決定。上記したように完全娯楽嗜好の戦争映画がいまの日本でどう受けとられるかも、ちょっと興味あるな。また見に行こうかな。