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英国ぶらり(1) スコットランド再再訪

またしても世界SF大会(ワールドコン)に参加してきました。2019年のダブリン(アイルランド)以来の参加ですが、今回はスコットランドのグラスゴーでの開催。

じつは、グラスゴーでの大会は、1995年、2005年に続いて3度目。それに3度とも参加しているんだから、もうグラスゴーの町はわが家の庭のようなもの……なんてわけにはいきません。なにせ前回はもう19年も以前のこと。忘れてるって。

はたせるかな、ホテルから会場となるコンベンションセンターまで赴く際に、前回は地下鉄で行ったよなという記憶を頼りにチケットを買って駅に入場したところが、ほんとのところは海上の最寄り駅は地下鉄ではなくスコットレイルという別の路線だったことに気づく始末。おまけに、無駄に地下鉄の1日チケットを買ってしまっていて、完全に後の祭り。もったいないことをしました。

これが会場最寄り駅

毎度のことですが、SFファンなのは妻のほうで、私自身はSFの素養は薄め。なので数多いレクチャーやパネルディスカッションやセレモニーはすべてパス。もっぱらディーラーズ・ルームで怪しげなビデオやDVDを買い、展示品をちょこっと見て、あとは映像上映企画を見倒すというのが私自身のSF大会。

ところが、近年の大会では、権利関係がうるさくなったのか、映像ソフトの販売はディーラース・ルームから姿を消し、今回は映像上映もほぼナシ。おかげで私はちょっと展示を見ただけででした。

この旗とも再会できた
バットマンから借りてきた(?)バットモービル

もっとも有意義に使えたのは、会場ホールに出店していたキッチンカー。ここで食事を済ませられるので、たいへん便利です。こういうところがコンベンションのいいところ。ちなみに酒も飲めます。

イギリスにきたら一度は食わねばならないフィッシュ&チップス

これでは、はるばるグラスゴーまで飯を食いに来たみたいなので、観光に精を出しましょうとばかりに、けっこう歩き回りました。

なかなかクールなデザインの建物

こちらは、グラスゴー市内を流れるクライド川の沿岸にあるリバーサイド博物館。前回グラスゴーを訪れた際に訪ねた交通博物館が2011年に移転した建物だそうですが、かなり目をひくデザインですよね。

はい、新国立競技場のデザインコンペでいろいろあった、あのザハ・ハディッドのデザインだそうです。うーん、スコットランドの地方都市で実現できたものが、なぜ東京では実現できなかったのか、などとよけいなことを思わされました。

博物館内部は、正直いって狭かった先代の交通博物館に較べると、ぐんとスケールアップしていました(記憶による)

博物館内に再現されたグラスゴーの昔の街並み

リバーサイド博物館は、入場無料。機会があればぜひ訪れてみたいスポットですね。

グラスゴー観光の名所といえば、グラスゴー大聖堂がメジャーな存在。グラスゴーの町は案外とコンパクトなので、ホテルから歩いて行けました。かなり遠くからでも見えるし。

復元工事中の足場は今しか見られません

いや異教徒の私には、そのありがたみがよくわかりませんが、なかなか荘厳な教会でした。しかしあちらの境界は建物内に平気で墓所があったりして、なかなか油断できません。うっかりそのへんの石に座ろうとすると、きっちり誰かのお墓だったりします。

大聖堂からホテル方向に戻る途中で、たまたま立ち寄ったのが警察博物館。

グラスゴー市警察の歴史や記念品が展示されたコンパクトな施設ですが、なかなか興味深いものです。博物館スタッフは、たぶん退職警察官なんでしょうが、フレンドリーに迎えてくれると、あとは勝手に見なさいとほっといてくれるのがかえってうれしいです。

館内はこんな感じ

むかしのコンスタブル(巡査)の制服からはじまって、各時代の装備品や制服、大きな事件の解説(グラスゴーでも連続殺人があったんだね)、そして事件を解決してもらった勲章の数々。要するに警察の自慢なわけですが、ためになるものもありました。

上記の写真のケースの中にあるのが、あの「運命の石」 スコットランド王座の象徴で、イングランドによる征服後はロンドンに持ち去られていたものを、1950年にグラスゴー大学の学生たちがウェストミンスター寺院から強奪してグラスゴーへ持ち帰ったもの。たいへんな事件で大騒ぎとなり、政治問題化しかけたとか。その後はイングランド側に回収されたものの、1996年に700年ぶりにスコットランドへ返還され、現在は国王の戴冠式のときだけロンドンに戻るそうな。あ、もちろんここにあるのは映画撮影用のレプリカです。

そう、ここはスコットランド、イングランドではないのです。遠い日本から見ていると、イングランドもスコットランドもウェールズもアイルランドもたいして違って見えない気がしますが、やはりそこにはかなりの違いがあるんですね。

SF大会会場最寄り駅の駅名表示

この写真の駅名表示、上の段は英語ですが、その下に記されている見慣れない文字列は、スコットランド・ゲール語。公共の場所では併記されているようです。そういえば、5年前に訪れたアイルランドのダブリンでもそうだったな(あちらは同じゲール語でもアイリッシュ・ゲール語だそう)

じつはスコットランドはかなりの自治権を有していて、スコットランド銀行は独自の紙幣も発行したりしています。そういえば先年、独立の是非を問う国民投票もあったっけ。

我々がイギリスといわれてイメージするのは、どうしてもイングランドが中心になりますが、そういえばこの国は正式には「連合王国」なんですよね。

やはりこうした感覚は、現地に行かないとわからないですよね。

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