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1曲買いCD
そもそも音楽に関しては知識も嗜好もいいかげんな私ですが、根がコレクターなのでけっこうな数のCDを所蔵しています。収集の最初はもちろんレコード(塩ビのやつですよ)だったんですが、いつのまにやらCDのほうが多くなってますね。
そんななかに、なんとも効率の悪い買い方をしたもんだと自省するような(いやしないけど)シロモノがいくつもあります。
たとえば、これ。
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高中正義といえば、音楽好きな人には説明不要でしょうが、このCDを買った当時の私は、彼の名前もロクに知りませんでした。すいません。なのになぜこのCDを手にしたかというと、このアルバム「虹伝説/THE RAINBOW GOBLINS」に「THUNDER STORM」が収録されていたからです。
「THUNDER STORM」は、ご存じの方も多いでしょうが、ミスター・プロレスこと天龍源一郎の入場テーマ曲として使用されていました。全日本プロレス時代の1982年ごろから使われはじめ、1990年のSWS移籍後しばらくは別の曲を使用していましたが、その後にこの曲に戻し、以後引退するまで(その後も、か)使い続けています。
天龍が「THUNDER STORM」を使い始めた1980年代初頭には、まだプロレスのテーマ曲集は数が少なく、あっても会場使用とはヴァージョンの違うカバー曲が収録されたものばかりでした。そうしたLPもいくつか買っていましたが、どうも不満を感じるものばかり。かといって、会場使用のオリジナル版を買おうにも、そもそもいまと違って曲名やアーティストに関する情報も少なかったので、入手が難しかったのです。
そんななかで、この「THUNDER STORM」は高中正義の曲で「虹伝説」に収録されているということがわかっていたので、レコード屋(死語)で見つけたときに思い切って買ったのであります。
つまるところ、この「THUNDER STORM」1曲だけのために、CDまるまる一枚を買いこんだわけで、考えてみたらずいぶん贅沢な買い物だったわけですね。後悔はしなかったですが。
時代は変わり、その後プロレステーマ曲もたくさん発売されるようになり、会場使用曲がそのまま収録されるのが普通になってきて、そんな贅沢な買い物はめったにしなくなった……と思うのは、甘い甘い。
目当ての曲が、けっこうテーマ曲集から漏れていたり、どこかに収録されるよりも早く欲しくなったりで、同じようなことは繰り返されています。
前にも書いたことのある、ロード・ウォリアーズの入場テーマ曲、ブラック・サバスの「アイアン・マン」も、プロレステーマ曲集にはあまり収録されていません。このクラスになると、使用料が高いのかな。そのために買ったのは、このCD。もちろん私はヘヴィメタルロックにはさしたる興味もございません。
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ただ私はCDを聞くのはドライブ中にカーステレオで聴くのがほとんどなんですが、重低音が主の「アイアン・マン」にむいた再生環境ではないですねぇ。
同じく名タッグチームであるザ・ファンタスティックス(ボビー・フルトン&トミー・ロジャース)のテーマ曲、ZZトップの「Sharp Dressed Man」も、やっぱりテーマ曲集には収録されることが少ないようです。なんか事情があるんでしょうね。
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ただこの曲を和風アレンジし、これも名タッグチームの邪道・外道組が使っていたバージョンは、テーマ曲集のレジェンドである「プロレスQ」には収録されてました。こっちも好きですね。
1990年代末にFMWマットを席巻した怪チーム、ブリーフブラザーズ(ミスター雁之助、金村ゆきひろ、邪道、外道、非道)のテーマ曲だった、 オフスプリングの「Come out and play」もテーマ曲集にはあまり収録されていませんね。テンポの良いこの曲にあわせてメンバーがリング上で踊る通称ブリブラダンスも、一時は人気を博したもんでしたが。現在も金村キンタローが入場時に踊っているとかいないとか。
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これも、けっきょくこの1曲のためにCD1枚買ったわけで、もったいないなぁ。
この手の買い物を繰り返しているのですが、意外に儲けものだったのがこちら。
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1984年の映画「フットルース」のサントラ盤ですね。ここには1980年代の全日本オリジナル、天龍同盟のメンバーとして活躍したタッグチーム、フットルース(川田利明&サムソン冬木)のテーマ曲だった、ケニー・ロギンスの「フットルース」が(当然ですが)収録されています。それだけでも買う意味はあるのですが、そのうえに、同じような時期にアメリカAWAのチャンピオンとして来日したリック・マーテルの日本でのテーマ曲「レッツ・ヒア・イット・フォー・ザ・ボーイ」(デニース・ウィリアムス)も収録されているのです。これがお買い得でなくて何でしょうか。ちなみに私、いまもって映画「フットルース」は見たことがありません。
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同じく天龍同盟のメンバーで、その後はジュニアヘビー級チャンピオンとなり、ジャンボ鶴田や三沢光晴のパートナーとして活躍し、いまも現役の小川良成のテーマ曲も、なかなかプロレステーマ曲集には入りません。小川美由希の「Never Give Me Up」 テレビドラマの主題曲だったりして、けっこうヒットした曲だったはずですが。使われたのが曲のイントロだけだったせいもあるんでしょうか。
今回はプロレステーマ曲に絞りましたが、けっこうこうした1曲買いCDはほかにも手元にあります。たとえばこれ。
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「バスケットケース」の入ったグリーンデイのCDだけは持っている川崎フロンターレのサポーター、けっこういるでしょ(笑)
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