ジャッキー・チェンと勝負する(57)
まさかこんな作品まで収録するとは思っていなかった、2003年の「ツインズ・エフェクト」 だって、ジャッキーはちょっとしか出てないじゃん。
ご存知の方はご存知のように、香港の人気アイドルユニット「Twins」を主演に据えたファンタジー・アクション。
凄腕のバンパイアハンターを演じるのが「古惑仔」シリーズのイーキン・チェン(鄭伊健)。「Twins」の片割れのジリアン・チョン(鍾欣桐)がその助手になる見習いのバンパイアハンターで、もう片方のシャーリーン・チョイ(蔡卓妍)がイーキンの妹に扮し、彼らが世界制覇を企むバンパイア一味と戦うというストーリー。
アイドル映画だからといってナメてはいけない。往年の香港ファンタジイに勝るとも劣らぬスピード感と、ダイナミックな格闘アクションの応酬で、けっこう見せてくれる。
そりゃそうか、監督はアクション監督出身のダンテ・ラム(林超賢)で、さらに加えてアクション監督としてドニー・イェン(甄子丹/ジャッキーと「シャンハイ・ナイト」で激突したあの人)がついているんだから。
なので、アイドルといえども容赦なし。若い子(当時は22~23歳くらいか)にもがんがん過激なスタントをやらせるあたりには、さすがに香港映画の伝統が活きているね。
CGもうまく使われてバンパイアホラーとしても、けっこう出色の出来。ロマンスやらコメディの要素まで詰め込んだ「やり過ぎ感」も香港映画ならではだね。
前にも書いたように、私は21世紀になってからの香港映画はそんなに見ていないのだが、安心した、香港映画は健在だ(といっても、もう10年以上前の映画なんだが)
というわけなんだが、では肝心のジャッキーはというと、出番はふたつのシークエンスだけで、合計しても10分くらいか。完全なゲスト出演。
最初はジャッキーの結婚式シーン。花嫁のカレン・モク(莫文蔚)が酔っぱらい、さらには結婚指輪がなくなってというドタバタなコメディシーン。べつにジャッキーでなくてもぜんぜん構わないような役だが、カレン・モクとの初共演は貴重かも。
ジャッキーが本領を発揮するのは、後半の救急車追跡のアクションシーン。あれ、前半の役どころとキャラがちょっと違うような気がするけど、まあ気にしない。
救急車の運転手に扮したジャッキーは、バンパイアの王子(エディソン・チャン〔陳冠希〕)とシャーリーンを救急車に乗せ、バイクで追ってくる悪のバンパイア集団と壮絶なカーチェイス。さらにはカンフーファイトと、お手のもののアクションを展開する。そりゃあアクションとなればレベルが違うよ。短い出番ながら、見事に場をさらって見せた。
さすがはジャッキー・チェンでありました。
あれれ、ジリアンとの共演場面がなかったぞ。その後も自分の映画に起用しているシャーリーンのほうがジャッキーのお好みだったのか。そこまで我を通すゲスト出演者なのもジャッキーならではか(笑)
ゲスト出演者のくせに、最後に流れる主題歌では、ちゃっかりとトップアイドルの「Twins」と合唱しているんだから、やっぱり「さすがはジャッキー・チェン」なんだろうね。
エンドタイトルにはジャッキー映画の定番であるNGシーン集も取り入れられていて、ジャッキーの出番は少なくとも、なんかちゃんとジャッキー映画を見た気分になれたよ。
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