「人の新たな一面を見るのがおもしろい!」表現って、自分を知ること、相手を知ること。-スタッフインタビュー 米沢さん
2022年に新卒採用で入社した米沢さん。現在Jump、カムカム!、ラブジェッツで現場支援やアート業務のサポートなど、幅広く活躍しています!人とかかわるのが苦手だったとのことですが…ハイテンションに来てどんな変化があったのか!?お話を伺いました。
■絵を描きはじめたのは、人とのかかわりが苦手だったから。
雨野:米沢さんはもともとアートが好きだったのですか?
米沢:あんまり人とかかわるのが得意じゃなくて…。話しかけたいんだけどかけられない、友達もあまりいないし、絵を描くって人と話さなくていいじゃないですか?一人でできることだから続いちゃったっていうのもあります。あと、小学生の頃に初めてできた友達が、絵が得意だったので、その人に憧れがあったのも大きいです。
雨野:そうなんですね。美術大学に通われていたとのことですが、どのようなことをされていたのですか?
米沢:油彩で絵を描いていました。油絵の具の存在感がすきで。具象的な絵が多かったですね。
■ハイテンションに入って感じた、「自分の心が汚れていた」!?
雨野:ハイテンションに入ったきっかけは何ですか。
米沢:大学4年目の就職活動で、何がしたいかわからなくていろんなところを見学しました。利益を求める、業績を伸ばすということがあまり合わないのかなと思っていた時期に、ネットの情報でハイテンションの求人を見つけました。表現や芸術に関連する仕事を探していたんです。
雨野:そうだったんですね。実際に見学されたときはどんな印象だったのですか。
米沢:2021年8月頃に見学にきたのですが、電話で予約をしたときに「みんな来るのを楽しみにしています」と言われて。ちょっとひねくれているかもしれないんですけど、私は「部外者が来るのにそんなはずはないだろう」と思っていたんです。
でも、実際に来てみて、みなさんが音楽活動のときにたいことマレットを渡してくれたり、「久しぶりー!」と声をかけてくれたり…「あ、嘘じゃないんだな。自分の心が汚れていた…。」と感じました(笑)
雨野:思っていた以上の歓待ぶりだったんですね(笑)。
米沢:当時はコロナで人と遮断されて生活で、人が怖いというか、人が好きかと言われたらそんなに好きではない、という感じだったんです。ちょっと考え方が凝り固まっていたんだなって、今は思っています。最近は案外人って怖くないのかもしれないって思うようになりました。それが働き始めてからなのかはわからないですけど、全く関係ないわけじゃないと思うんですよね。
■コミュニケーションって、人それぞれ。私がここで得たもの
雨野:人が怖いというのはどういう感じだったのですか。
米沢:なんていうか、「怖い」というのはわからなさの部分があったのかなと。例えば、誰かに話しかけられるとき、いきなり声をかけられると私は「お!」とびっくりしちゃっていたんです。だけど、そういうときって、相手は話の内容については、極端な話どうでもよくて、ただ人とつながりを持ちたい、話を聞いてほしかっただけということもある。
何かすごく気になることがあって話しかけるとか、その人が声をかけてくる理由について、こういうことなのかな、と推測できるようになりました。
雨野:なるほど。いろんなパターンがあるんだな、ということに気付かれたのですね。
米沢:今までは、人が誰かに話しかけるという行為は、ちゃんとした目的があってのものだと思っていたんです。例えばティッシュを探していて、「どこにありますか」と声をかけるとか。
でも、そういう目的がない質問も存在するんだなって。そういう関り、選択肢があるという事実にここで働くようになって気が付いたんです。自分もそういうところがあるんだろうなとも思っています。
以前は誰かに話しかけられたら、「何か答えなきゃ!」となっていたのですが、そう考えると慌てる必要って意外とないんだなって。私は引きこもっていたわけじゃないんですけど、これまでコミュニケーションの種類が少なかったのかなと思いました。
雨野:確かに、ここでのコミュニケーションは一人ひとり個性豊かで、バリエーションに富んでいますよね。
米沢:これまで私は言葉でのコミュニケーションが多かったのですが、ここに来てから言葉以外のコミュニケーションもあるんだなと思いました。
会話でのコミュニケーションの場合でも、意外と言葉だけでは通じていないというか。お互いにそれだけでは理解できていない部分があって、そこを考えながらあらゆる手段を使って伝え合うことなんだなと。
身振り手振りや、文字を使ってもいいし、紙を使ってもいいし、その人の目線を追って、何を見ているかとか。言葉の代わりに物を見せるとか。そういうのでもいいんだなと思いました。
人とのかかわり方の種類が増えたというのが自分としてはけっこう大きな、ここで得たものです。
■やりがいは、人の新たな一面を見ること。
雨野:働きはじめてから大変だなと思ったことはありますか。
米沢:パッと浮かんでこないですね。
雨野:ハイテンションそういうひと多いんですよね(笑)。それでは逆に、楽しい・やりがいを感じているのはどういうことですか。
米沢:けっこう人の新たな一面を見るのが面白いなと。最近だと、臼井さんがアート活動で靴に色を塗っていて、そのサポートに入っていたのですが、塗っているときにちょっと楽しそうな顔をしていたんです。それがよかった。私にとっては臼井さんの新しい一面でした。
栗山さんの移動支援、通院に付き添いで行ったときにも感じたことがありました。栗山さんは誰に対しても変わらないというか、すごくフランクなんです。ハイテンションのスタッフでも、初対面のバスの運転手さんでも、誰にたいしても態度が同じ。バスに乗るときって車いすだと運転手さんに押してもらうんですけど、緊張している感じがないのが、すごいなと思いました。
雨野:自分だったら緊張しちゃうと思う?
米沢:そうですね。サルサガムテープのライブ前にも、ご本人は緊張すると言っているけれど、私から見ると感じないというか。
みんな本番に強いよなって思うんです。本番前には、気持ちが動いているというか、そわそわ感は伝わってくるんですけど、本番になると「やってやるぞ!」っていう感じで。直前まで「はずかしい」という雰囲気だったのに、いい意味で意外性がありました。
雨野:ステージのみなさんのパワーは本当にすごいですよね。
米沢:はい。結局ステージに立つのって、技術うんぬんの前に自分が楽しまなくちゃいけないんだろうなって思いました。みなさん、場を楽しんでいるように見えました。
■表現活動って、自分を知る・人を知ること
雨野:昨年の「ブライトサイダーアート展」は作品準備など、早速アート業務にも携わっておられました。印象に残ったのはどんなことですか。
米沢:作品展は、いつもロウテンションにある作品と同じ作品でも、印象が違って見えて面白かったです。いろんなお客様がいらっしゃって、いろんな感想を言ってくださる。その反応を見たりすることもできてよかったです。
雨野:自分が表現するのと人の表現活動にかかわるのには、どんな違いがありますか。
米沢:けっこう違うなって思いますね。やっぱり人の表現だと、単純に描くだけじゃないっていうか。作品を作るっていうことだけじゃなくて、その人自体を知らないと作れないですよね。
例えば足を使って絵を描く方だと、どっちの足の方が動きやすいとか、筆圧が弱い人だと筆圧が強くないと使えなさそうな画材は避けるとか。その人の特性を知らないとサポートできない。
雨野:確かにそうですね。
米沢:よく考えたら作品っていうのは、その物事を知ることだと思うんです。私が絵を教わっていた先生が「作品は自分探しの旅である」ということを言っていて。初めて聞いたときには何言ってるんだろ?って思ったんですけど(笑)。あとあとから、こういうことだったのかなって。
自分の作品にしろ、相手の作品にしろ、自分だったら自分を知らないといけないし、相手だったら相手のことを知らないといけないというか。結局人を知ることになる。作品ってそうなのかなって、今話していてそんな気がしました。
■これからやってみたいこと
雨野:これからやってみたいことはありますか。
米沢:みなさんからお話を聞くと、コロナ前はライブでの遠征以外にも、日中活動の一環として遠出をしたというのを聞いたので、興味があります。
雨野:どういうところが興味をそそられるのかな?
米沢:ちょっと非日常的なことをすることで、いつも見ているみなさんとは違う一面を知れるということですかね。例えばお店でご飯を食べようとなったときに、こういうのも召し上がるんだ、という発見だったり、電車に乗るときどういう感じなのかな、ということだったり。
雨野:米沢さんは人に関心があるっていうことなのかな?
米沢:あるんですかね。職業柄そうなってしまったんですかね(笑)。
雨野:アート活動に関わることではやってみたいことはありますか?
米沢:アトリエロウテンションのシャッターにみんなで絵を描けたら。シャッターって調べたら強い薬品を使わなければいけないみたいなので、難しいかなとは思うんですけれど。でも、それができたら楽しそうだなと思います。
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米沢さんプロフィール
text 雨野千晴
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