フレーム特性とポジションの考え方
先日のAUDIO BLOG「競輪選手の血が騒ぐ!クロモリ・シングルギアをバイクフィッティングの巻|K-FITTING 事務局|note」は、クロモリ・シングルギアのバイクフィッティングのお話なのですが…
この中に、自転車を走らせるためのノウハウがたくさん盛り込まれています!それを少し紐解いてみたいと思います。(*'ω'*)
フレームの硬さが違うとポジションも変わる?
フレームには、素材によって硬い←・→柔らかいという特性があります。様々な特性を持ったフレームの自転車を複数台お持ちの場合、実はポジションもそれぞれ見直さないといけません。さらに…
フォーククラウンでフレームの特性が変わる?!
接合部分・ラグによっても違う…
フレーム自体がどういう素材かという事だけでなく、組み合わされるパーツや接合部分でもフレームの特性が変わってくるんですね。
柔らかいフレーム特性での事案
今回のお客様は、クロモリのシングルギア。クロモリはカーボンよりも柔らかいですが、その中でも柔らかめのフレームでした。柔らかいフレームは、ハンガーがよりしなります。このしなりを「ウィップ」と言います。柔らかいフレームは、このウィップ量が大きくなるわけです。こうした特性のあるフレームを、お客様がご自身でポジショニングされ、進まない…と、お悩みでした。その自転車は;
前のリ(前の方に座る)
サドル高い
…という状態でした。
何が起こっていたか?!
柔らかくしなるフレームは、ペダリング上死点で左右を切り返えすタイミングが難しくなります。スムースなペダリングができないと思うように自転車は進みません。自転車が進まないので何とか前に進みたいと前のリのポジションになっていきます。
しかし、バランスが取れていない状態で前のリになっているため、さらに左右の切り替えしが難しくなります。
そこで、サドルを高くして踏み込み(入力)を強くしようとする、そうすると余計にフレームがしなり、ウィップ量が最大限に…。
さらにペダリングの切り替えが難しくなり、踏み込んでいるのに自転車が進まないという状況に…
とにかく前に進ませたい…という思いが、逆に作用してしまっていたと言えるかもしれません。
対策
お客様の自転車は、サドルを3㎝下げ、3㎝後ろに引き、ハンドルを下げ、ステムを伸ばす、というフィッティングを施しました。
効果
その後に出場されたレース結果は!👇
👇そしてこちら(*'ω'*)
特性の見極めとセルフフィッティング
自転車のプロである競輪選手の多くが、自転車の特性を見極める力を持っています。ただし、ポジションに関する考え方はそれぞれです。また、自分のポジションを見る場合と、人のポジションを見る場合には別の技術が必要になります。客観的に見られない分、セルフフィッティングは難しいという面もあるようです(;^ω^)
K-FITTINGの考え方
こちらもどうぞ👇
K-FITTING BIKE SCHOOL:元競輪選手-菊池仁志の自転車道場
早いうちにこんな話もしておりました(;^ω^)
フレームの硬さ(剛性)について、こちらも是非ご参照ください。