コダイのブカツ① 宇美町立歴史民俗資料館について
対馬旅行のあと世間がコロナでどんどん大変な状況になり、自宅で仕事をしているわたしは積極的に引きこもっていた。とても今までのように古墳巡りが出来るような状況ではなかったので、ネットで古墳の情報を検索して過ごしたり、食べたり、寝たり、また食べたり。ほとんど食べていたな。それですごく太った。そんな感じの毎日を送っていた。
そのような状態でなかなか会うことが出来なかった、がちゃんさんとjuneさんに先週やっと会えた。
本当だったら6月の始めにhennnen×ひたすら古墳を愛でる会社の3人展、『コダイのコテン』が行われるはずだったのだが、先に言ったような情勢だったため今年の開催は見送りとなった。
そうしているうちに古墳巡りに適した季節は終わってしまい…。このまま何も出来ないでいるのは悔しいよね!ということで、がちゃんさん発案で『コダイのコテン』メンバーでコダイのブカツを始めることにした。
それぞれの個人活動や、月1の活動日でのコダイのブカツについて各自がSNSで発信していこう、というものだ。
そして先週が、記念すべきその第1回目の活動日だった。
久し振りの3人での活動。しかも、コダイのブカツと銘打ってのもの。これはいつもより気合いを入れて取り掛からないと…!と、わたしは重定古墳の靫のサコッシュを肩に掛け、自分で作った野帳カバー(野帳は福岡市博物館オリジナルの金印バージョン)も持って最大限にテンションを上げて家を出た。
大橋駅でがちゃんさんの車に乗せてもらい志免でjuneさんと合流して、まずは宇美町立歴史資料館へ。ここには、気になる出土品が展示されているのだ。
受付を済ませてまず目に飛び込んでくるのは、宇美町を代表する前方後円墳である光正寺(こうしょうじ)古墳の主体部の模型。この古墳は石棺や木棺、土器棺など主体部が5つあることで有名だ。
写真に綺麗に収めるべき立派な模型なのだが、わたしの技術ではどうにもならず…。入口にでーんとある何かになってしまった。
展示室にも、光正寺古墳のジオラマや第1部主体の石室の石材が展示されている。
ふと、他の古墳で出土した円筒埴輪に目が留まる。こちらの、陽キャと陰キャみたいな並びは何なのだろう。後ろの円筒埴輪の暗さが気になって仕方がない。前の円筒埴輪に対しての劣等感。羨望や嫉妬、それらに対する罪悪感。後ろの円筒埴輪が抱えているものが大き過ぎて胸が締め付けられる。思わず「大丈夫、わたしもそちら側だから…」と声をかけたくなってしまった。
そんなギクシャクした関係の円筒埴輪をよそに呑気にしているのが、ぴょこだ。
甑という底に穴の空いた土器で、下に水を入れた甕と一緒に使うことで蒸し器となる。取っ手の部分がぴょこっとしているので、わたしは勝手にぴょこと呼んでいる。ぴょこ…。君だけは変わらないで。そのままのぴょこでいて。
続いては観音浦古墳群のコーナーだが、こちらの出土品はどれも綺麗なものばかり!
ここにお目当ての出土品、皮袋形堤瓶があった。
朝倉の古墳で出土した革袋形土器に魅せられたjuneさん。その土器は朝倉高等学校にある歴史資料室で見られるのだが、今は見学出来ない可能性が高い。どうしたものか…と思っていたところ、がちゃんさんが宇美に同じものがあることに気付き、今回3人で見に来たのだ。
この丸みの美しさ…。中央の線は何だろう?小さなパーツをいくつも縫い合わせたということだろうか。下部にも縫い穴が表現されており、その細かさもたまらない。これは見に来た価値があった。
正龍(しょうごもり)古墳群から出土した馬具もとても綺麗な状態で残っており、嬉しくてバッシャバッシャ撮影した。しかし、古墳の出土品で馬具はよく見るのだけど、いっこうに装着する場所が覚えられない。あれか。もう、乗らないと覚えられないのかこれは。
続いては2階の特別展示へ。天園遺跡の出土品が展示されていた。
あ、ぴょこ。
写真の左側…。割れぴょこじゃないか!
そしてまた、ぴょこ。
1/3の純情なぴょこ。アイラビュさえ言えないでいる、マイハー。
片ぴょこ。
天園遺跡の展示はぴょこパラダイスで、ぴょこ写真しか残していなかった。滑石製品の工房だったということなので石製品も展示されていたと思うのだが…。これだけぴょこが出ているということは、たくさんの人が生活していたんだろうな。わたしもぴょこのある暮らしがしたい。
宇美町立歴史民俗資料館での野帳の記録は写真の通り。どこに行った、朝の気合い。