『夏時間』(2019・韓国)2021年公開
いやはや素晴らしい作品だ。こんな作品に巡り会えるから映画館は特別な仕事だ。
ほんと、改めて劇中写真見ても至って普通だし、スタイリッシュでもかっこよくもない。でも引き込まれ、気持ちを動かされる。気付けば食い入るように見ている。すごい表現力だ。確かに、エドワード・ヤンとかホウ・シャオシェンなんかが引き合いに出されるわけだ。と、見終わって初めてわかる。これも映画ならでは。
そう、ぼくらの暮らしはスタイリッシュでもカッコよくもない。でも幸せを感じたり悲しんだり、見栄を張ったりする。瞬間瞬間にいろいろ感じながら生きている。それを普通って言ったりしてるだけで、誰も他の人の普通なんか知らないわけで。
自分の気持ちにいつも蓋をして生きていた主人公が、溢れてくる根底に流れる自分の"本当の"気持ちに出会う。ようやく自分と出会う。
いやぁ素晴らしい映画に出会うって実に幸せな気分になるよね🎥
ぼくは、スペイン映画『悲しみに、こんにちは』を思い出した。
日田の風景にも近いこの作品を、ぜひたくさんの人に観てもらいたい。そして、大切なものをきちんと大切に、生きていって欲しい。ぼくもしかり。
また女性監督。感性バンザイ🙌