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魔物王子と掘られまくる勇者の剣 ②

♯悪魔と貴族と優雅な時間


(解説の人の声)

説明しよう!!地獄界の悪魔の階級について!!


悪魔には位があり、全ての悪魔を統べるのはシャイターン(ルチフェル、またの名をフォスフォロス)。

その下にハイクラスの上位悪魔、悪魔貴族達が席に座っている。
彼らは元々がアンゼルス 天使達であり、翼もコウモリの羽ではなく天使と同じ鳥の羽根を持っている。ただし羽根色は黒い。
本来は天使の純粋な魂と誰よりも崇高な精神性を備えていた彼らだが、神と人間に絶望し、神に反旗を翻し闇堕ちした、究極の闇堕ち存在代表である。
彼らは悪魔貴族と呼ばれるだけあり、高度な知性と気品を備え、人間の情動も理解できる人格を一面的には備えているが、神と人間に絶望しているため人間にはどこまでも容赦がなく、人間にとっては話がわかる相手のようで全くわからない存在である。
伯爵や侯爵など、更に中では位分けされている。
神に対抗するための壮大な計画図を描き、策略を錬るのがお仕事。


中位悪魔。中位悪魔からはコウモリの羽根しか持っていない。
彼らは管理職のような位置付けである。
貴族ではないが、権力は中々ある。
自分だけのデカい屋敷と領地を地獄に構えていることが多い。それか上位悪魔の城に仕えている。
人間が想像する、冷酷血も涙も無いクレイジーなサイコパスシリアルキラー的イメージの根強い悪魔像は、大体中位悪魔のもの。
イブニーも中位悪魔。
人間界に起こる目を背けたくなる惨たらしい事件も大体中位悪魔が糸引いている仕業。
上位悪魔が製造した存在が中位悪魔であるため、基本的に人間の言う良心は無い状態に近い。
「魂囚の館」の安堂、「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ。」のオリオル、「未来の結婚相手」の悪魔も、中位悪魔に属する。
彼らはよく人間を騙し、上位悪魔より約束を守らない。
人間界に残忍な事件と混乱を巻き起こすのがお仕事。下位悪魔を統べる上司達。


下位悪魔。中位悪魔から生成された悪魔達。または悪魔に適正のある人間の魂が地獄に堕ちた際、悪魔に転生のスカウトをされたりすることがあるが、例外以外大体下位悪魔からスタートする。
ほぼ、人間らしい姿はしていない。
邪鬼や山羊の頭を持つ外見。日本人が想像する鬼にも近い姿形。
中位悪魔から生成されたため、非常に低俗な思考、知性、品性。
下品なせせこましい悪事を働く。
人間に邪心を吹き込み、悪い方向へ誘導、誘惑するのがお仕事。
人間が彼らを呼び出しても危害を加えられるだけであり、貧乏神のように人に取り憑いて不幸にする。
悪魔召喚においては、出来るだけ、高位の悪魔を呼び出さないと危険極まりない。
危険度において、彼らは低級霊のようなものである。
願いも満足には叶えないし、叶える力も無い。
たまに人間に返り討ちにされ消滅させられているのも下位悪魔達である。よく人間に取り憑き悪魔憑きにもする。

3 これがハイグレードな悪魔の犯り方

「ふぅ」


俺はスコップを片手にキラッキラッの汗をかいて良い仕事をしている。
毎度お馴染み、トラップの定番、落とし穴を掘っているのだ。


落ちたら最後、ギラギラの槍が体を突き刺す。


昨日は両側の壁が動いて迫り、鉄の処女の内側のように、前後から全身を串刺しにするトラップをD IYして備え付けた。
かなりの体力仕事だった。
糞重いし、ハンマーで誤って指を叩くわして糞痛かった。

何?使い魔のイブニーを使って、あいつに魔力で色々簡単にやらせりゃいいじゃないかって?

あいつ一人でかなり仕事数多いんだよツ!!
捕虜管理だろー、迫ってくる敵の感知と情報調査だろー、森の魔物の統制指示だろー、館のエネルギー発電だろー、食事調理だろー。エトセトラ。

だからあいつが忙しい時は俺がやるしかないのツ!!


次は生成した魔物の配置だ。

館のB棟の1F曲がり角部にはスフィンクス・ヘッドを配置してー

A棟の廊下には集団のホーラブル・ワーム(化け物ミミズ)を、と

2Fの宝箱アイテムを取ったらストレンジ・サーペント(化け物蛇)が天井から落ちてくる仕掛けにして、とー

よーし、今日はこのぐらいにしとくか。

次の侵入者がやってくるのが楽しみだ。

クチュクチュクチュ……

「エサを欲しければ俺の指を満足させろ、この奴隷!」

右手にパンの皿を乗せたトレイを持って、イブニーは奴隷部屋の奴隷台に仰向け拘束されたアギの下半身に悪戯をしていた。

アギのベッドはこの奴隷台だった。

指を三本、アギの後穴に突き入れ、縦横無尽に掻き回すイブニー。

「クッ、くアーッ!放せぇッ!もうやめろーッ」

轡を外されている奴隷は、無気力でいるかと思えば、たまにこうして自我を取り戻すかのように喚く。

「こ、殺せっ……いっそ!殺せーッ」


一応特殊な粘液で濡らしてから突っ込んでいるようだが、あまりにも遠慮なしの手つきに犯されるアギは、嫌悪の叫びをあげる。

「キキキっ、アーメイ様に使われて光栄に思え!人間の分際で」


イブニーの手が自分の体の内に入り込み、あちこちを奥の奥まで摩るだけで、アギは我慢できない嫌悪の吐き気に襲われる。

「お前の汚い糞管理までしている俺の指を受け入れられないのか?」

ズブズブズブ…ジュポジュポジュボォッ!

「クッ………!!」
これ以上はないほど顔をしかめるアギ。だがその目はイブニーの顔を見れず、目線を背ける。

「キキキ……。アギ・ミショールよ……。そういえば、お前の父親も俺達が放った森の魔物に犯され食われているんだったな!!何とも情けない親子達だ!」


やっとアギがイブニーをきっと睨みつけた。唇を痛く噛み締めながら。
犯されている父親の姿が想像で頭に思い浮かぶ。

「この……人外の畜生どもがぁっ!!」

目だけは怒りに満ち、眼前の相手を殺さんばかりなのだが、虚しくも手出しが出来ない。

「父子揃って尻穴を食われる運命とは……キキキっ」

クッチュクッチュクッチュ……

子供のような体型のイブニーの手つきはそこらの大人よりいやらしい。


手を引き抜いたイブニーは己のブツを取り出した。

それは子供のようなサイズで、ただちにアギの尻の穴に当てられ、好きに犯し始めた。


小さくて苦痛が無い分、前立腺にフィットし、迂闊にも気持ちよく感じ始めてしまい、アギは前の雄を長ぁくボッキさせてしまったが。

悔しいけど体の生理反応は隠せない。

しかしそれも束の間だった。

「………ッ!!」

イブニーのブツは中で急に伸び始め、太く変異し始めた。


いつの間にか鬼の金棒のようなサイズ、形状へと。
硬さはなく柔らかいがまるで風船によって体を内側からパンパンに圧迫される辛さがある。


またもやアギの苦痛にまみれた絶叫タイムが始まったのだ。

人間達に男色と肛門性交を初めて教えたのは悪魔だ。
いわば悪魔は男色のプロフェッショナル。
どのように嬲れば雄を追い込めるかにかけて、悪魔に勝る者はいなかった。


(改題)これがハイグレードな悪魔の、部下の犯り方。

地獄は時空の流れが違うので、ある程度この時代が良いと中世時代を選択して人間界に転生してきたのだが。


人間の体は脆いので、うっかり俺が討伐隊に敗北しやられてしまったとしても、地獄に悪魔としてまた舞い戻るだけなんだけどね。
スゴスゴ出戻るのは、まぁ、癪だが。


パンッパンッパンッパンッ‼︎‼︎

侵入者にはたった一人で乗り込んでくるパターンと、パーティで乗り込んでくるパターンがある。
パーティで乗り込んでくる侵入者達のほうが、平均的な数値が全体的に低い傾向があり、館を自動操縦状態にし魔物に任せれば楽だ。
反対に、たった一人で乗り込んでくる侵入者は、気付いたら深層エリアまで近付いていて驚かされるケースがままあったりする。

パンッパンッパンッパンッ‼︎‼︎

そんなことを奴隷室からまたアギを俺の部屋まで引っ張り出して、ベッドの上で犯しながら考えていた。

多分にこうして、館の改築・増築をしては、魔物生成をし、侵入者を相手にたまに遊んでは、空いたスキマ時間を活用して奴隷を調教する、悪魔的なスローライフの日々が続いた……。

今日もまた奴隷のアギを天井から吊り下げて、背中や尻をパドル鞭で殴打しているのだが。

アギは目隠しをされている。

何回も繰り返される暴虐の内に、段々とアギから漏れる悲鳴に、淫虐の響きが籠るようになってきた。


鞭で叩かれる度に前を張らして先から涎を溢すように自然となってきたのだ。


「どうした!まさか気持ちいいってわけじゃないだろうな!」


言いながら強く鞭をしならせる。

「ヒィぐッ!」


「こんなにペニスを勃起させて!」

バシィィー!バシッ!!


「はぐッ!!」

「叩かれて気持ちよがるマゾ勇者が!!」


「ぁぐうッ」

バシィ…ン!ビシィン!!


「ハァっ…はぁっ……はぁっ」

鞭が休まるとアギの息は荒いが、アギの息子はまだ硬く張り詰めたままである。

なに?館のトラップ作成ターンと調教ターンじゃ、お前の口調微妙に違わないかって?

今の俺は性欲を増進させるテストステロン増加中なんだ。
んな、アハッ☆な雰囲気で調教出来るか。

「……だ……旦那さま……ハァ……ハァッ」


息を吐いていたアギが物を喋った。


「ん!?何だ……!」


「俺は……そろそろ、旦那さまの精を体に受けたく願います………ッ!」


奴隷のほうから欲している。


よしよし、従順になったな。


アギの吊られた腕を下ろし、ベッドに移動するよう命じると、アギに自分から物乞え、と命じさせた。

アギは自分で股を開き、直立する白いペニスの下にある少しベージュの濃い後穴を、自らの十指で、両側から開いた。


「んゥ……欲しい………ッ………」


「くれてやろう」

悪魔の30㎝ペニスを飲み込ませた。

ズギュウッ!!

「んグァアッ!!」

すぐシーツを掴んでのけぞり跳ねる奴隷。
両脚からは力が抜けきり、口元は締まらなくなってワナワナと震えている。


「旦那さまの……ッ、旦那さまのお子が俺は欲しい………ッ!!」


「なんと!!お前は自分の父親を殺した仇敵の精を受精したいと!!傑作だ!!!!はははははッ。人間とは、こうまで浅ましいものよッ。いいだろうッ!!我らの魔力を駆使して、お前の体を孕めるように作り替えてやろうッ。暫く時間はかかるが……」


コンコン


「キキキ、ご主人様ー。お楽しみ中すいませんが」


イブニーの声だ。

「何だ?開いてるから入れ」


扉を開けてイブニーが入ってきた。

「ご主人様、館の周りをすげー数の人間に取り囲まれちゃってますわ………キキキっ」


「何っ!?」



♯意外な結末


「うわー……!本当だ……!めっちゃ取り囲まれてる!!」

群衆にぐるりと館外周が取り囲まれていた。ワーワーうるさい。

気分はフランス革命の貴族。
俺が放った森の魔物達は、もしかしてこいつらに全部打ち倒されたんじゃあるまいな?ああ、そうか。今は昼間だ。
魔物は食欲・性欲・睡眠欲の三大原理によって行動しているから、朝~昼は丁度睡眠時間になる魔物が多いんだよな。
夜型動物や夜型人間がいるように、朝型魔物もいるにはいるけど、数は多くない。

館の最上に位置する俺の部屋のテラスから地上を見下ろしたら、結構切迫している自体がよくわかった。
ベッドに居たはずの奴隷がいきなり後ろにいて「え、エリーゼ……」と驚愕の声をあげている。

「えりーぜ?」

怪訝に振り向くと、いきなり地上から
「あっ……アギ様ー!!」
と、絶叫にも近い女の高く年若い声が、俺達の元にまで突き抜けた。

「エリーゼ!!」
アギが思わず柵の手すりに手を掴み、階下を覗き見ている。
おいおい、ボンテージのアギちゃん、そんな格好で。

「もしかしておまえの婚約者か、恋人か何かか?」

アギは俺の方を見ず、階下に視線を下げたまま、焦り汗を流す顔をしてコクン、と頷いた。


この地上までの距離なら顔がわかるには十分の距離だ。なるほど、如何にも乙女ゲームに出てきそうな、ヒロインじみた容姿の、栗色ウェーブヘアの長い髪した女が、俺達を見上げている。
隣には父親らしきゴツい親父がいる。

「アギ様ーっ!!生きて……生きていらっしゃったのですね……っ!!」


「エリーゼ……!エリーー……ッ!ヒぅっ!!」

はい!ビクン!

手すりに体を寄せるアギの背後から回り込んで、後背位になるよう俺の一物を突き込んでやりました。

俺は使い魔イブニーに目で笑いを送る。

「ヒガぁッ!!アッッッ……!!」

「キャアアーッ!!アギ様~~~ッ!!??」

後ろからアギの胸板や腹をいじくり撫で回し、後ろから突き込んでいる様子が、地上からありありと見える筈だ。
さっきまでワーワーうるさかった群衆が、いきなりシーンと黙り込んでいる。

時たま「やめろー!」という怒声が飛ぶが、その内に喘ぎ始めているアギの様子を確認して、そんな声も飛び交わなくった。

「ぁちょっ……ぃああっ!!いやだ、ああっ!!あはあっ!!」

「さっき、誰の子が欲しいと言った?今ここで叫んでみろ!何て言った!?」

パンッ!!パンパン!!!!

「それは……っ!!あはあっ……!あふっ………エリーゼ……エリーゼ……すまない……!あふぁっ……」

おお!あの気丈な勇者が、初めて俺の眼前で目を閉じて弱々しく涙を流した!

睨み涙目とかは今まであったんだが。

「奥まで突いてやるぜ!!」

パンパン!!!パンパン!!!パンパン!!!

「いやー!いやーっ!アギ様ーーーー!!!!」

アギは既に手摺りに投げ出した腕に顔を埋め、婚約者の顔を見れなくなっているようだった。

婚約者の階下で発狂している声が森に響く。

何人かはアギ救出に興奮して館に入ってるな。


「聞かせてやれ!さっきのセリフを…………!!」

アギが薄目を開けた顔でこっちを見始めた。その顔は怒っているのだか、心をどこかに飛ばしているのだかよくわからない。

「あ゛…………お゛…………
おれの、……俺にあなたの子を………」

パンパンパンパンッ!!!

「ぁうう゛!!俺の腹にあなたの子をくださいッッッ!!!」

「くれてやろう!!!!!!」


パンパンパンパンパンパンッッッ

女の悲鳴と、途端にザワつき始める愚衆の声が性質の悪いオーケストラになる。

熱い精液が迸った瞬間だった。

俺の目を鋭く何かが射抜いた。


「熱゛ッッッ??」


思わずアギを抑えていた手を放し、右目を押さえる。

「ウッオ゛ォ!!!!」

矢を抜き取ると脳まで貫通している!!これは致命傷だぞッ!?

どこからか矢を放ちやがったな!!?

「来い!!」

驚く顔を向けるアギを引っ張り、フラつく足取りで、強引に連れてテラスから引っ込む。
きっと群衆は、一斉に館に入り込むだろう。
さっき目配せをしたイブニーはとうに俺達の横から消えていた。きっと地下にいる筈だ。
さて俺達も、1Fの群衆をどうにか退けて、地下に向かわなくては……は゛…

俺達は俺の部屋から繋がる隠し階段を使って下に下る。

チッ……頭がグラングランしやがるし、足取りも絡まる。

脳をやられてるんだ。言語もおかしくなる。

「ごいッ!!」

アギを引っ張る。

アギは大人しく着いてくるが、待てよ……、背後からこの剣士に息の根を止められても全然おかしくないがな。
それなのにアギは大人しく従ってついてくるばかりか、俺の腰を支え始めた。

「…………」

はぁ、はぁ、さぁて……地下に行くぞ……。


やっと1Fだ、と力む肩を下げたところで、隠し扉が見つかり民衆が三人ほど、狭い階段に上がってきた。

斧を俺に向かって振り上げてくる。

俺の顔面にぶつかる寸前、にやりと笑う俺の真下に落ちていった。

隠しペダルを俺が踏み込んだことによるトラップ発動だ。

落ちた先には、凶暴なドリル状のペニスを持ったブラッディ・レパード(巨体軀豹)がいる。

「さよなら。ケツ穴裂かれて死んでね」


アギは何ともやるせない表情でその光景を隣から見ていた。

地下だ。
【境界化】した狭間が地下に存在する。

地下エリアの入り口に待ち受けたイブニーが、俺を見た瞬間騒ぎ出した。

「ごっ!!ご主人さまーっ!!人間にっ!!人間にやられたのですかーっ!!ちくしょうっあの人間めっ!!!覚えていろっ!!さ、こちらへ。一先ず地獄へ帰ってどうにかしましょう」

アギの腕から俺を引っ張る。

「奴隷はくんじゃねーっ!!さっさと連中の元に消えろー!!」

ガチにキレ出すイブニーに怯むアギに割り込み、俺は出来るだけ静かな声で割り込む。

「こっごいつ、は゛、連れて゛くぞ……地獄に………!!!」

「ご主人さま!?」

「人間の元に還っても、でっ、でうせ、悪魔のお手がついた人間は゛、迫害される定めだからな゛……」

くっ、まともに喋れん。

人間のことだから、どうせ最初はワーキャー戻ってきたのを歓迎しても、その内疫病や災害でも発生すれば、たちまちあいつは悪魔と契約して生き永らえた人間だからあいつが呼び込んだ、だの、あいつは悪魔と交わり喜んでいた悪魔に魂を売った者だの、あいつのために我らが不幸になっただの妄想で難癖つけて、集団心理により、陰湿な迫害をするようになるのだ。

この地上においてもっとも愚かしい生物である人間という生き物がどう行動するか、何千年も生き切る悪魔の俺には、よく分かっている。

そしたらリンチされたり、拷問裁判にかけられるのが関の山だろう。

それなら、地獄のほうが遥かに居心地が良いってものだ。我々にとってはな。

俺達三人は地下の最層にイブニーの魔力によって瞬間ワープし、混沌の光の裂け目は、俺達三人を飲み込んですぐに閉じた。


暫く経って。

「で!?人間世界に領地を作るって話はどうなったんです!?」

フローレティが結構イライラ気味に俺に話しかけている。


「うーん、それが、森から魔物を使って侵攻していき、一地方を手中に納めるつもりだったんだが、途中で館のデストラップ作りが思ったより面白くなってきて、目的がブレてしまった。結局手に入れられたのは、館と周辺の森のみというわけさ」

俺は乏しい戦績?を打ち明けた。


あれから館はどうなったのか。
まぁ、館と森のあの程度の魔物数なら、人間達が徐々に打ち倒していき、また平和が戻るだろうな。

それで昔話の子供に聞かせる御伽噺の中だけに、モンスターの存在は閉じ込められていくに違いない。


いやー、久方ぶりに吸う地獄の空気はいい……。


「ベールゼビュート様は、アメイモン様を始末する勢いで大激怒してますから」

捨て台詞のように言い残し、フローレティは去っていった。
蚊ほども痒くない台詞だが。

やっぱり地獄って素敵。心が洗われる。

人間界の唯一の収穫といや、奴隷妻を手に入れられたことぐらいか?


End


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