学校であったホモ怖い話①〜もちろんパロディです。
〜プロローグ〜
『
「今流行ってるセクシービデオがどんなだか知ってる?なんと【本当にあったエロ怖い話】なんてものが流行してるんだって。なら、うちは、【学校であったホモ怖い話】で対抗するから。あっちがそうなら、うちはこれで行くと決めたから」
ワンマン部長の妙な対抗意識を燃やした一言によって、僕たち新聞部は奇特な特集記事を組むことになった。
そこで、とんでもなく怪しい人たちを、日野先輩が部室に集めてくれることになった。
』
語り部/新堂誠
よし。じゃあ俺の話だ。
これは学校給食にまつわるとってもおぞましい話だ。
学校給食なんて小中だけのもんだと思っていたのに、最近じゃどこも導入する高校は増えていてさ。この学校も、俺が入学する丁度前年度から給食制度が実施されたんだと。
……今になって思えば、学校側は何てことをしてくれたんだと思うけどな。
もちろん俺のクラスの生徒は全員喜んでいたぜ。母親が作った弁当なんて学校に持っていくの、年頃の男にとっちゃ何だか気恥ずかしいもんだからな。だからといって毎日コンビニにわざわざ列を並んでパンなんか買う時間、勿体ないだろ?
俺のクラスの担任の名前は中持、という男だった。中持。
全身毛むくじゃらの、毎日くすんだ灰色のシャツをだらしなく着込んだ男さ。気に入った色なのか知らないが。髪の毛もまるでパイナップルに似てて、毛先までクルクルしてる。
そんな中持が熱心に我が校に給食導入を営業した張本人だった。
中持の家は大きな弁当屋だった。それこそデカい工場をいくつも抱えているような弁当屋。
そう、中持は自分の家から給食を仕入れさせようという魂胆だった。
さてせっかくの給食だ。目の前に運ばれて来た給食を初めて見た俺は何故だか不思議な違和感がした。
箸を取っておかずをつまんでみようとするともうダメだった。臭いが鼻先につくだけでうっと吐き気が込み上げて来てな。
…………どうしても口の中に入れることが出来なかった。目の前にあるのはただの唐揚げや卵焼きといったありきたりのおかずなのにな。
しょうがなく全部捨てて、俺はなけなしの小遣いの中から学校近くにあるコンビニに走って弁当を買ったよ。
校内に売店なんかないもんな。
俺以外の連中は皆美味そうに食っていたのに、まるで俺だけ変な病気にかかっているのかと自分自身の体が心配になっちまったさ。
毎日給食が届くたびに俺は何故だか手がつけられず、いつも人にあげるか捨てるかしていた。
給食の正体はすぐにバレたよ。
生徒中に噂が広まったんだ。中持の家を訪れた生徒が偶然見てしまった。
中持が「一人人間牧場」をやっている姿を……。
もう、わかるだろ?
「一人人間牧場」。
どうだ、随分怖い話だろ。
俺はつくづく、自分自身に感謝したね。
<荒井昭二の話に続く>
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