おまけ…のみ。
ついに壁の塗装と厨房の床が出来ました、壁と床を見ながらニヤニヤするのは人生でそうないでしょう。
子供と寝てしまって夜中に起きて寝れないので、寝相の悪さに枕を強奪されながら少しつらつらと書いてみます。
ホントに独り言なんでお時間ある時に。
前回はこれかな?大分空いてしまってます。
いざ大阪へ
大阪で働く事が決まってネットの写真で決めたアパート、最寄駅は千里丘。店とアパートの往復がほとんどだったのであんまり街を知らないまま終わってしまった、原チャリもあったしもう少し探索しとけば良かったなぁ。
パン好きなら恐らく知ってるであろうお店で働けた事は幸運なのかもしれない。
先に断っておくと僕は仕込みや窯など主要的なポジションを経験しないまま辞めた。
まぁ全てが大事なのは大前提であり、手を抜いたつもりはない。
でもやはり経験してないポジションがある後ろめたさやその後にしてしまう不義理もあり僕がこれを書くのをためらってました。
でも憧れて入ったお店であり、僕の人生の軸を作ってもらった所で何より大好きなお店なので少しだけ書いてみます。
叱られ続ける毎日
最初は毎日自分でもビックリするくらいポンコツでした。
シェフが窯やってて近くにいる人がサポートするんですけど、まぁタイミングを読まない、読めない笑
後ろ通るのに声もかけず、ぶつかっては叱られてました。
初めの職場は1つのポジションをそれぞれ個別にやるので自分の事だけやれば成立してしまうんですね、ここではオープンキッチン的でみんなの仕事を見ながら仕事をするのでサポートだったり連携がとても大事なお店。周りを見る習慣がないので苦労しました。
シェフは「怒る」ではなく「叱って」くれる人。
それも全力で。感情まかせに怒鳴る人は見て来ましたがここまで本気で叱ってくれる人は初めてでした。
どんなに細かいことで叱ってもそれは他の職場に行った時にその人が困らないように。
独立した時にその人が路頭に迷わないように。
自分にも厳しく他人にも厳しい。でも誰よりもスタッフの事を考えてくれてると思いました。
今だから書けますがシェフの言葉が聞きたくて入ったので叱られてる時は申し訳なさは勿論あります。最初の怒られてる理由がポンコツすぎるのとそれをシェフに毎日毎日同じ事を言わせてしまってる申し訳なさ。
でも心の何処かでシェフの言葉を直接聞けてるという現実にちょっと嬉しくなってる自分もいて。
…気持ち悪いですか笑?
でも本当に噛み締めるように聞いていたつもりです、実力がそれに見合うように成長出来なかったのが申し訳ないですが。
仕事では主にサンドイッチと後にクロワッサンを担当してました、個人的には折り込み生地はあまり経験値無かったので毎日経験出来たのは良かったです。
あと入って大分経ってからですけどサンドイッチを提案して商品化させてもらったのはとても嬉しかった。
シェフにとってはなんて事ない組み合わせだったと思いますが自分にとって初めてウンウン唸りながら考えて、オッケーもらえた時の喜びはひとしおでした。
イベントも恐らく個人店としては頻度は高かったと思います。
お客さんとBBQやピクニック、時には謎の喫茶店みたいのもやってみたり。
段取りも最初は分からず叱られながらですけど、回を増すごとに少しずつ上手く出来る様になっていって。
司会はいつまで経っても上手くなりませんでしたけど笑。
あと、小麦は粉になってくるので作物という意識が少ないんですね。そんなスタッフにシェフが小麦の作られる過程を見てもらいたいとバスを借りて何回か滋賀県の小麦農家さんの所に見学に行かせて貰った事もありました。
一緒に働いたスタッフにも恵まれて、シェフのブログを読んで集まって来た人が多かったので共有出来る事が嬉しかったですね、働く時間も長かったですけど、それに対する不満はあんまり無くてどうしたら良く出来るかって話し合えたり出来る事が嬉しかったり。
漫画の「宇宙兄弟」の始めの頃に宇宙飛行士の選抜試験の中で主人公の難波六太が今まで宇宙の話を友達にしても全然聞いてくれなかったのに、ここに集まってる人達はみんな宇宙好きで話が出来る事に嬉しくなるってシーンがあるんですけど、もう本当にそんな気持ちでした。
独立志望の人はそれぞれ地方に帰って行って独立して当時のメンバーでは僕が最後になってしまいました。
思い出は沢山ありますが、とくに印象に残ってる事があります。
シェフのお母さんが土日に手伝いに来てくれるんですが、毎回おにぎりを差し入れてくれて。
ずっとサンドイッチを一緒に作らせてもらってて色々話をしたり、スタッフが手の回らない所まで掃除してくれたり。勝手に僕の大阪のお母さんと思ってます笑
そのお母さんが作るおにぎりが美味しくて。
握り具合だったり具材がアスパラと海老とか季節感ある組み合わせだったり毎回センスが絶妙でおにぎり屋さんやってたら絶対通ってましたね。
そんな中で秋の頃におにぎりのフタを開けたら紅葉の落ち葉が添えてあったんですね。
日頃忙しいスタッフに少しでも季節感を感じられたらっていう優しさだと思います。
それを僕が受け取って「うわぁー!」と声をあげて喜んで、なんて粋な人なんだろうと思いました。
で、スタッフやシェフに分けたんですけどおにぎりだけ皿に乗せてどうぞ、って置いたんですね。
それで僕がうわーって驚いてたのを遠くから見てたシェフにメッチャ叱られました。
「なんで自分が感動した事を他の人にも見てもらおうと考えないのか」って事です。
お母さんがスタッフみんなを想ってしてくれた事を僕一人で止めてたんですね、何も考えずにただ皿に乗せて出しただけ、流れ作業です。
自分が感じた喜びを他の人にも伝えたいという考えが浮かんでない事自体に優しさが無い。
もうカウンターパンチをくらった気分で本当に反省しました。未だに出来てるか分かりませんが僕の中では記憶に刻まれてる出来事です。
そんなこんなで色々ありましたが3年弱位いさせてもらって東京に行きました。タイミングについては色々ありますが後悔はしてません。
ここまで濃い時間を過ごしたのは初めてでした、まだまだヘナチョコですが、僕の今後の軸になると確信してました。
そして東京に行って肉にまみれる生活に入って行きます。
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