道東を一週間かけて周ってきた話⑥【夜の帯広・夕張・開拓の村編】
前回の続き、帯広に向かっているところからですね。
道東道を帯広に向けて一直線。足寄ー阿寒とは変わって、山々を越えてゆく道です。高速道路なので整備されていますが随分と高いところを走るのですね。池田辺りからやっと見え始めた畑は、夕日に照らされ黄金色に輝いています。
賑わう北酒場
「北の〜酒場通りには〜」と聞くと自然と北を目指す気持ちが高ぶります。もちろん北酒場のモチーフになったのは札幌でしょうが、北酒場には間違いありません。ともかく、帯広はものすごい活気溢れる街でした。東横インから一歩、繁華街に足を踏み入れるとそこはサラリーマンで賑い様々な飲み屋が展開されていました。帯広含む十勝地方はカロリーベースの食料自給率が1200%と日本を代表する食料生産地。やはり産業がしっかりしている街は賑わうのですね。
北海道は文化として呑兵衛が多いらしく、というのも炭鉱夫が多かった北海道は、明日生きているかわからないといった過酷な労働環境から働いたら働いた分だけ酒を飲むという考えがあったとかなんとか。良さげな飲み屋に入り定食を頼みます。お通しのもつ煮がとにかく美味しかったのでそればっかり食べてたら、届いた料理も大盛り!祖父が頼んだチャーハンもびっくりするほど大盛り。食べる人にはありがたいですが胃が小さい我々には少々厳しい量。ソフドリで流しながらザンギを食べ進めました。
デカい風呂に入りたい!
腹も膨れたので宿に戻って疲れを癒やしましょう。今夜は駅前の東横INNに泊まります。朝食付きで安かったのと、どこにでもある東横INNに一度泊まってみたかったということで部屋を取りました。ただ、ビジホなので大浴場がありません。せっかくの旅行ですから、大きなお風呂はいりたいじゃないですか。徒歩圏内に銭湯があるみたいなので行ってみることに。夜22時の帯広の駅前を歩きます。あれだけの賑いを見せていた街も、少しは繁華街から離れてしまえば人影は少なくなります。車社会というのもあるんでしょうか。なんて考えながら歩いてきて到着したのはたぬきの里という銭湯。
雰囲気良きの銭湯。値段もリーズナブルで、番台のおばちゃんが笑顔で迎えてくれました。少し熱めの温度で身体に芯から温まることができ、今夜はよく眠れそうです。
炭鉱街の過去と未来
朝起きて、ロビーで朝食をいただきます。簡単なパンとおにぎり、そしてジュース数種類。「こういうのでいいんだよ」と二人で感嘆しました。というのも、贅沢な話ですが豪華な料理に疲れていた我々は、不意に軽い食事を求めていたのです。そりゃ朝から沢山の料理は食べられないですよ。
本日の目的地は夕張。昨年夏の旅行では新夕張という夕張の手前までしかいかなかったので次は夕張の街中に行きたいと思っていました。どうやら炭鉱資料館があるようなのでそこを目指します。私の地元も常磐炭鉱で随分と栄えていたようで、未だにその名残が点在しています。
夕張といえばこれまた「財政破綻した街」として有名。どうやら荒廃した町並みが広がっているらしいとの情報を聞きつけた本州民は、地元の未来を見に行くような感覚で夕張を訪れるのです(諸説あり)。
到着したのは夕張市石炭博物館。勿来にも同じようなものがあったなぁなんて思いながら入館。運良く特別展示で炭鉱と鉄道に関する展示をしていました。
様々な線が描かれていることから、複数のルートを計画するほど困難を極める地形だったことがわかります。ここまでして線路を敷設して汽車を通したいほど、炭鉱のパワーは大きかったのですね。
使った分だけお金を払って補充してもらう「おきぐすり」システム、見たことありません?私は祖母の家に置いてあったのを覚えています。ここでは夕張炭鉱の栄枯盛衰の歴史から当時の生活や文化まで、大変魅力的な展示が多く、一日中居られそうでした。絶対また来ます。
由仁を抜けて江別に戻ります。本日は早めに帰宅。いとこ宅でゆっくり休み、明日の帰宅に向けて準備をします。
開拓時代の風を感じて
北海道最終日、お昼の便で帰ろうと思っていたので午前中は時間があります。江別から程遠くない北海道開拓の村へ寄っていこうかと思います。
小さい東京駅みたいな建物が入口となり、広い道沿いに開拓時代の建物が沢山移設されています。道の真ん中を線路が通り、馬車鉄道が実際に運行されています。
帯広でばんえい競走を見た後に馬に引いてもらうのは些か気が引けますが、ゆっくりと、しかし力強く客車を引いてくれます。この客車も当時の再現ということで、ちゃんと日本車輌に作ってもらっているらしいです。
敷地の奥まで行き、戻るようにして村内を見て回ります。開拓時代と一口に言っても長い期間のものなので本当に様々な建物を見られます。また北海道ならではの寒さ対策が見られ、本州では見られないものが見れました。
新さっぽろで祖父とはしばしのお別れ、車を連れて陸路で帰るようです。お昼前ですが新千歳空港を目指します。快速エアポートに乗ったら空港はもうすぐ。札幌ー千歳間は思っているより遠いので、鉄道のありがたみを感じます。
それでは、長らくお付き合い頂きましてありがとうございました。「道東を一週間かけて周ってきた話」番外編を除きまして、これにておしまいです。また次の旅でお会いしましょう。