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220814 【完結】JALのジェット機乗り倒しツアー⑥(札幌→女満別→羽田:E170, 737-800)

 はいはいはいはい、今日も記事を書くお時間です。薄い字の挨拶は「おはようございます。今日も良い一日を」でした。もうバリエーションが出尽くしたようで新しい挨拶に巡り合うことがなくなっています。どうせならアラビア語とかで書けば面白いと思うのですがいかがでしょうか。
 それはさておき、今日は旅行記に戻ります。というか今日中にこの記事を執筆し終えないと新たな旅行が始まってしまうためこの旅行記はなんとしてでもこの一本で完結させる必要があるのです。なお、この前の旅行記で「明日から旅行」と言ったのはぼくの計算間違いで8月11日に出発するのが正しい日付でした。なんでそこを間違えるのかという指摘はもっともですが、ぼくの旅行はそんなものです。今回は「15日に羽田空港に帰って来ればいいから逆算したら明日くらいに出発するのが妥当かな?」と思っていたらその日数の計算を間違えていただけであって大した問題ではありません。

おはようございます、じゃなかった

 うっかり札幌に置き去りにしてきたぼくは寝たということにしてしまいましたが、ぼくは前回の記事の最後に札幌で食べた絶品ザンギの話をすると宣言した記憶があるのでその話からしたいと思います。今回、ぼくが宿泊地として選んだのは札幌のプリンスホテルでした。普段行く方とは札幌駅をはさんで反対側(すすきのの方)なのでたまにはいいかと思って予約しました。値段の割に良いホテルなのでコスパ重視ということでもあります。ただ、札幌駅からバスで行くというのはどう考えても不便極まりないのであって「あら、札幌の夜景が一望できるわ♨」「すすきのが近くていいわね♨」みたいなことを楽しむのでなければ普通にANAクラウンプラザホテルに泊まっておいた方が賢明というものです。なお、「ANA」の読み方は「エーエヌエー」であり「アナ」ではありません。たまに「アナホテルまで」と言って「アパホテル」に連れて行かれそうになったという話を聞きますが、そもそも「アナホテル」というホテルは存在しないのです。
 さて、ぼくは札幌に行くと大丸の中に入っている「すし善」なる寿司屋(寿司が止まっている寿司屋です)に行くのが定番ですが、先述の通り札幌駅まで戻るのが面倒なうえ、JALの機内でご飯を食べているので寿司は見送りに決定。しかし夜の7時だか8時だかになっておなかが減ったのと、すすきのを一度は見ておくかということで街に繰り出すと「布袋」という中華料理屋があり、何やらおいしそうな匂いが漂ってきました。「帰りに寄ろう」と決めて歩を進めます。すすきのを徘徊し、帰りに路面電車に乗るか真剣に5分悩み、結局「やはり歩くべきだ」という結論に達したので歩いて布袋に向かいます。ザンギを3個注文したら5個揚げはじめ、おまけかな?と期待していたら二個はどこかへ消えていきました。まかないでも一緒に作っていたのでしょう。しかしザンギは文句のないサイズなのであって期待感と、すでになぜか満足感をも感じつつホテルに戻りザンギに食らいつくことにしました。

謎のタレ付き

 食べてみると、おお、このザンギは絶品です。味がしっかりついていて、火の通り加減もちょうどよい素晴らしいザンギでした。ぼくは「からあげの天才」のからあげが好きなのですが、ここのザンギはからあげの天才を超えていたと思います。これから札幌に行く人はぜひどうぞ。ちなみに店舗の情報はこちらから確認できます。リンクが「zangihoteigroup」というのもなかなか面白いですね。

正式におはようございます

 さて、ザンギを平らげたぼくは眠りにつきました。早速ですがたたき起こしましょう。今朝の朝食はホテルの一階に入居しているカフェで取ることになっています。チェックインの時にチケットをもらったのでお金はかかりません。もちろんそれは宿泊代金の中に含まれているのであってお金は払っているのですが、何となく得な感じがしますね。取り立てておいしいわけでもおいしくないわけでもない、ふつうの朝食(これ以上ないくらいに普通でした)を平らげ、ホテルをチェックアウトしました。

チェックイン、しかしできない

 そのあとはバスで札幌駅まで送ってもらい、札幌駅からは快速エアポートに乗って新千歳空港を目指します。快速エアポートは速くていいですね。見ていたら時速100㎞を超えていました。列車は千歳線を快調に走り、新千歳空港に到着、さっそくチェックインを試みます。しかし、なぜか自動チェックイン機がエラーを吐き出し、何度やってもチェックインができません。おそらくこのエラーは何日か前に来た機材変更のお知らせのメールから機材変更を了承していなかったことによるものなのですが、有人カウンターでチェックインすることにしました。
 しかし有人カウンターにいたスタッフの胸には「研修中」という三文字が並んでいます。研修中、誰もが通る道なので構わないのですが航空会社のチェックインカウンターの研修中はちょっと勘弁してもらいたいものです。この時ぼくが依頼したことは①二つのフライトのチェックイン②女満別→羽田のフライトをクラスJにアップグレードすること、の二点だけでした。普通にやれば5分もかかりませんが、いきなり雲行きが怪しくなってきました。今まで先輩に教わったことが書き留めてあるのであろうノートを開き、一生懸命手順を探しています。それだけなら「研修生が頑張っているな♨」というだけで済みますが、問題はこの手続きが5分経っても10分経っても終わらないことです。横に立っている先輩らしきスタッフも困った顔で「申し訳ございません、お急ぎでしたら私が代わります」と言い出す始末。ま、別にぼくは全く急いでいないのであってここは研修に協力することにしました。JALはぼくが好きな航空会社だし、何なら株主だし、今多少の時間を割くことで社員が成長し会社の利益に貢献するならいいだろうというわけです。
 しかしやることはやはりなく、カウンターに置いてある危険物一覧を3度くらい読み直したり、近くにあった消火器の説明書を5回くらい読み直したり、思いつく限りの暇つぶしをやっているとようやく「お客様お待たせいたしました。続いてアップグレードのお手続きを承ります」と声をかけられました。「おお、まだチェックインをしていたのか」と驚きつつクレジットカードを渡し、危険物一覧を再度眺め、消火器の使い方を確認し、白い恋人やらロイズやらの広告を穴のあくほど見つめていると「大変お待たせいたしました。こちらが搭乗券でございます」とようやくチケットを獲得。ここでさらに「お荷物もこちらでお預かりいたします」と言われましたが、さすがにもう時間をかけたくないと思い手荷物は自動預入機に食べさせることにしてカウンターでの手続きは終わりにしました。本人は「長いことお待たせして誠に申し訳ございません」と謝罪の言葉を口にし、横の先輩も同様にこれ以上ないくらい深いお辞儀をし、何なら周りのスタッフまでつられたように頭を下げるというよくわからない状況の中で自動預入機にスーツケースを食べさせに向かい、なんと数秒で預け入れが完了。あの新人が後で先輩に詰められていないことを願うばかりです。

E170に搭乗

まずは女満別へ

 予想をはるかに超える長時間がかかりましたがチェックインができたので、お土産をゲットしセキュリティエリアへ入ります。新千歳空港で買うお土産と言えば「白い恋人」や「白いブラックサンダー」が有名ですが、ぼくのイチオシは「あんばたサン」です。クッキーにバターとあんこを混ぜたものが挟んであるお菓子で、とてもおいしいので新千歳に行くといつも買っています。箱の割に入っている数が少ないこと、またその袋の大きさの割に中身の大きさが小さいことが玉に瑕ですが、少ないものを大事に食べる用と考えれば悪い選択ではないと思いますよ。新千歳に行くことがあったら是非お試しあれ。

 しかしこのようなガイドブック的記述はあまり好きではないので本題に戻ります。次のフライトは新千歳→女満別です。なお、「女満別」と書いて「めまんべつ」と読みます。北海道の地名は難読なものが多いですが、個人的に好きな地名は発音で言うと「音威子府(おといねっぷ)」「和寒(わっさむ。行くと必ず「わっ、さむ!」と言ってさらに寒い思いをするのが 好例)」、漢字が好きな地名は「増毛(ましけ。ぞうもうではない)」です。ちなみに高知には「半家(はげ)」という駅があります。たまに授業中の雑談で生徒に話すと大ウケです。
 それはさておきE170に搭乗し、北海道の風景を眺めながら飛行します。距離が近いのでそれほど高度を上げずに飛行するため地表の様子がよく見え、ほとんど遊覧飛行です。市街地はあまりなく畑ばかりですが上から見ると緑のところがあったり土が見えているところがあったり黄色く色づいているところがあったりそのカラフルさに驚きます。それを見ながら「十勝平野は畑作、根釧台地は酪農、石狩川沿いの上川盆地と石狩平野は稲作」とか授業の準備をしていました。ちなみに今回飛んでいたのはちょうど十勝平野の上あたりになるので農業で言うと畑作、連作障害を防ぐために輪作が行われているところですね。

多分十勝平野


 そうこうしているうちに女満別空港に着陸しました。滑走路が一本しかない空港ですから着陸してすぐにスポットイン、小型機なので乗客もすぐに降りられました。次の便まで暇なのでまずはエアドゥの767が羽田へ向けて飛び立つのを眺め、空港周辺を徘徊します。網走行きのバスも出ていますがさすがに網走監獄を眺めに行く時間はないので乗らずに空港周辺をウロウロ歩き回り、空港の売店で勢い余ってなぜかシャケの切り身を購入し、羽田へ帰るフライトに乗り込みます。
 なお、このフライトは最初(このシリーズの最初)にも書いた通り767-300で運航されるはずが737-800に機材変更されてしまいました。ま、767は今まで嫌と言うほど乗ってきたのでいいことにしましょう。長距離は乗りたくないですが、羽田→伊丹とか羽田→新千歳くらいの短距離なら乗っていて楽しい飛行機なので機会を見てまた乗ってみたいと思います。特に冬場の767はビックリするような急角度で上昇していくので楽しいですよ。

東京へ帰ります


 しかしこの代わりであてがわれた737-800はかなり古い機材のようでシートの表面がよれていて、リクライニングのボタンもプラスチックが劣化し白く変色しているとんでもない機材でした。よくこんなものを飛ばすなと思いますが、そろそろ内装を更新してほしいものです。このフライトは機材もCAもJALらしくないなあという印象でした。機材はすでに述べた通り古臭く、CAもなぜか不機嫌に見えたのです。まさか737が嫌いだから不機嫌だったということはないと思いますが、JALのCAのおよそ3人に1人(数字は適当)が浮かべている殺人的スマイルを浮かべている人が一人もおらず、語尾も「すぅ~」ではなく「す」という(何の話か分からない人はこの記事を読んでください)、「あれ、本当にJALの飛行機に乗ってるのかな?」という違和感を始終持ち続けるフライトになりました。今回いろいろ乗ってわかったことですが、羽田-新千歳/伊丹/那覇のクルーは洗練された人が多いようです。やはり幹線に乗務しているのはエリートが多いのでしょうか。JTAやJ-AIRは違うところに勝負を持ってきていると思うので別として、この女満別→羽田のフライトはちょっと違和感の残るフライトでした。
 なお、CAに737嫌いが多いというのは本当で、大学の授業で来てくれたJALのCA(チーフパーサーをやり、今は教官もやっている人)に「好きな飛行機、嫌いな飛行機は何ですか?」と聞いたら「好きな飛行機は747、嫌いな飛行機は737」とのことでした。747は機体の大きさゆえにギャレーもその他のスペースも広くて使いやすい一方で、737は天井が低いしギャレーも狭くて使いにくいそうです。「747が好き」と言ったところで同席していたほかのCAもうなずき、「737が嫌い」と言ったところでも同様にうなずいていたので統一見解なのだと思います。
 ま、何はともあれ飛行機は無事に羽田空港に着陸しました。飛行高度は41000ft、この機体が上がれる最高地点まで上がってのフライトでした。「だから何だ」って人が多いのかもしれませんが、737に乗っているのに地表が遠く見えるというのはちょっと違和感を感じるのです。777とかA350とかが41000ftを飛んでいるのはしょっちゅう経験していますが、737がこの高度というのは初の体験でした。737の窓から見ているのに景色が普段より遠くに見える、フライトの時は常に下界を眺めている(なおPCによれば「外科医を眺めている」)からこそ気づけることですが普段と違うのはなんとなく気分が盛り上がるものです。

この日の羽田は夕焼けが綺麗だった

さて、旅行が終わったぞ

 というわけで、この旅行記も無事書き終えることができました。この旅は「飛行機に乗ること」それ自体を目的としているという点で常識を大きく逸脱しているわけですが、ぼくにとってはとても楽しい旅行だったと思います。移動距離は計算していませんがおそらく5000kmは超えているはずです。東京から5000kmというとクアラルンプールくらいまでだと思いますが、それを国内だけで移動したと考えるとなかなかに感慨深いものがあります。こういうことを言っているとスウェーデンかどっかから女の子が飛んできてプンプン怒り出す可能性がありますが、怒られても何も困らないのでこれでいいことにしておきましょう。
 なお、今はまた大旅行の最中で一昨日は会津若松に、昨日は長岡に、今日と明日は名古屋に宿泊する予定です。一昨日の移動距離は336km、昨日の移動距離は221㎞、明日の移動距離は336km、今までの合計は883kmに達しています(すでに青春18きっぷの元が取れた状態)。明日は金沢を回って高山本線に乗る旅を予定しているので、またとんでもない距離を移動することになりそうです。

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