アフィリエイターが組織化(法人化)するのってぶっちゃけどうなの?(1/2)
アフィリエイターの組織化がうまくいかないというのは本当なのか?
私はアフィリエイトサイトを運営する法人を経営しています。現在6期目で、スタッフは10人を超えてます。
弊社オフィス@千代田区
Twitter界隈で有名なアフィリエイターはだいたい個人だったりで、組織化して失敗する方もチラホラいるので、アフィリエイターの組織化はデメリット大きい説が広まっている一方で、メリットについてはあまり語られていないかなと思います。
この記事では、なんで組織化したの?組織化してどうなの?について解説できればと思います。
※長くなったので2記事にわけます
後編の組織化してどうなの?はこちらの記事。
起業から正社員ゼロで3年走った
2015年に現在の株式会社HITの前身となる、株式会社HowTravelを創業しました。
当時はマンションの一室を本社登記して、共同創業者と二人で住みながらサイトを作っていました。
アルバイトは当時からいましたが、正社員はゼロのまま3年走り続けたので、オフィスがあること以外はほとんど個人アフィリエイターと変わらない状況。
社員教育や社会保険に気を取られる必要もなく、BurnRate(月に必要な資金)も人件費込みで70万円くらいだったのとても気楽なものでした。
初めの2年ほどは全然収益が出ず、冷房も暖房も付けずに手袋しながらサイトを作っているほど困窮していましたが、2017年頃からとあるアフィリエイトジャンルで年間収益1位を獲得したりしていたので、そこそこ美味しい思いをしていました。
まだ正社員ゼロだった頃のとあるASP報酬画面
当時は正社員を採用する気は全くなかったです。
YMYLアップデート以降、個人アフィリエイターの代わりに法人が台頭した
そんな状況が一変したのが2018年頃からはじまったYMYLアップデートと、E-A-Tアップデートです。
YMYLとはYour Money Your Lifeの略で、ざっくりいうと「お金や健康のような、人生に重大な事柄はより信頼できるサイトを評価するよ」というようなアップデートです。
具体的には下記のようなトピックが該当するとGoogleが公式に述べています。
・News and current events
・Civics, government, and law
・Finance
・Shopping
・Health and safety
・Groups of people
・Other
General Guidelinesより
見ていただくとわかる通り、非常に幅広いのが特徴です。たまに「お金」と「健康」のみがターゲットにされていると思っている人を見かけますが、違います。
E-A-TとはExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthness(信頼性)を指しています。
YMYLとE-A-Tが組み合わさって、「これからは広範なジャンルで専門的で権威があって信頼できるサイトを評価するね!」ということになります。
このアップデートの結果、これまでの検索結果上位サイトが大幅に入れ替わります。具体的にはニッチなジャンルやキーワードを除いて、ほとんどが公的機関または法人サイトになりました。
顔や名前すら出していないアフィリエイターのサイトより、誰が発信しているのかわかった方がユーザーにとって良いのは当たり前で、それが前から聞いたことある企業の情報であれば尚更信用できるのは感覚としても理解できます。
個人アフィリエイターのサイトは確かに詳しいですし読みやすいのですが、それらは差別化要因としては弱く、後発でもコンテンツを真似すればほぼ同じものを簡単に作れてしまいます。
また、アフィリエイターへの還元率が高い商品を勧めたりというケースも蔓延していました。これも匿名の弊害かなと思います。
法人が台頭した結果、サイトのクオリティが劇的に向上した
YMYL、E-A-Tアップデートの後、記事クオリティでは個人アフィリエイターに劣っていたような企業サイトの検索順位が上昇し、多くの法人で「あれ、いきなりユーザー数増え始めたぞ」、「しっかり取り組めば儲かるんじゃね」となりました。
結果として、大量の法人アフィリエイターが誕生して、某出版社がウォーターサーバーの比較アフィリエイトをやりはじめたりしました。
これまではライターの延長線上にアフィリエイターがいましたが、資金力のある法人は、システム、デザイン、ライティング、ブランディングの全てに凝れるので、サイトのクオリティが劇的に向上しました。
信頼できる法人がハイクオリティーなサイトを作ってくれるというのはユーザーとしては大歓迎なので、個人的には素晴らしい流れだと思います。
ただ、ほぼ個人アフィリエイターの延長線上で戦っていたうちの会社からするとたまったものではありませんでした。
従来の成功体験では生き残れない
これまでの個人アフィリエイターの戦い方では勝ち続けられないのは明らかです。
※月7桁以上狙うなら。それ以下であれば引き続き個人のテリトリー
本筋からずれるので詳細はまた別記事で解説しますが、有力アフィリエイターがnote販売やYouTubeに移っているのもその流れの一環と思われます。
一部の傑出した個人アフィリエイターで、分析能力もあって、デザインもライティングもエンジニアリングも全て一人でできる人がいますが、そういった人は例外で、目指すには難易度が高すぎます。
うちの会社の生存戦略はシンプルに、とにかくサイトのクオリティを上げることでした。そして、どんなに頑張っても大手法人には勝てないジャンルを避けて戦ってます。
大手法人が参入しにくいジャンルも結構あるので、「上場してなきゃ無理じゃね?」みたいな極端な話には今後もならないかなと思ってます。
ちなみに記事作成コストは、
・4年前:外注で1記事3000円
・3年前:外注+大学生バイトで1記事5000円
・2年前:外注+内製で1記事1万円
・1年前:完全内製で1記事3万
・今:編集、執筆、デザイン、全てプロを雇って1記事5万から10万くらい
という感じで相当上がってます。
次の記事では組織化したメリットデメリットについて触れたいと思います。
後編の組織化してどうなの?はこちらの記事。
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