日系大手企業の若手社員事情【令和版】
どうも、日系大手企業でパワポエンジニアをやっております
ファンタジスタ☆みゆきです。
さて、今回は需要があるか分かりませんが、弊社の業務事情について日系大手企業に在籍したことがない人にも日系大手企業がどういった組織なのかを理解してもらうために記事にいたしました。
※完全にポエムです。
環境
まずは弊社、あるいは日系大手企業の環境を示します。
従業員数: 10000人以上(連結含め)
資本金: 1000億円以上
上場証券取引所: 東証1部
事業所数: 国内に複数、海外にも少し
平均年齢: 40歳以上
平均年収: 800万円以上
業務内容
様々な日系民間企業、政府、公共団体、金融機関、教育機関等に向けてtoBビジネスを展開しています(あえて抽象的に書いています)
業務環境
コミュニケーション: Microsoft Outlook, 社用携帯電話
スライド作成: Microsoft PowerPoint
文書作成: Microsoft Word
表計算ソフト: Microsoft Excel
バージョン管理: ※後述
人事労務管理ソフト: 自社開発ソフト(自グループ会社のみ利用)
営業支援ツール: 自社開発ソフト(自グループ会社のみ利用)
既定ブラウザ: Internet Explorer
バージョン管理について
弊社ではOfficeアプリを下図のようにしてバージョン管理しています。
日付_資料名_versionのような命名が一般的な命名規則となっており、各ディレクトリにoldフォルダのようなものを作り不要なものはこちらに格納していきます(ファイルサーバーがひどいことになっています)
gitのように便利な差分管理なんてできるはずもなく、バージョン差分はOutlookメール等で変更点を手書きして伝えることが多いですね。
必要なスキル・経験(MUST)
- Windows Officeソフトの利用経験
- MARCH相当以上の学歴
- コミュニケーション能力
歓迎するスキル・経験(WILL)
- 理系修士卒の方
- 一定以上のTOEICスコア
- バイトやサークル経験
求める人物像
課題解決能力
簡単なロジックツリーが書ければ十分だと思います。
コミュニケーション
職場のほとんどが40歳以上の方となります。40歳以上の方々は昭和の思考様式をそう容易には変えてくれないので、相手の思考様式に合わせたコミュニケーションが要されます。やれAIだ、やれクラウドだと声を上げても理解できる人はそういないのが現状です。
バイタリティ
ガッツがあると可愛がってくれる先輩も多いと思います。ですが、とても高給取りな会社ではないので飲み会は基本的に自腹が多いです。
評価制度
基本的には年功序列となります。職場に長くいる人が偉く、若手に裁量権は特にありません。
評価内容は業務実績と資格取得になります。
また、業務で実績が出せるかはほぼほぼ配属ガチャによって決まります。
正直、配属されれば誰でも成果が出せるような部署と、どうしたって成果が出ないような規制にがんじがらめにされた部署までピンキリとなっており差がひどいです。
基本的な立ち回りとしては、若手は資格取得に精を出し配属ガチャでスーパーレア以上を引くようにし、5年目以上からは良い配属環境で良い業務実績を出していくことになるかと思われます。
若手のうちから配属ガチャでドブり続けると成果も出なければ評価もされることがなく泥沼ループに陥るでしょう。
もちろん、日々の情報キャッチアップやSNSアウトプット、OSS貢献などは理解されないことが多いです。
向いている人
部署にもよりますがホワイトな所がまだまだ多いので、終業後や休日は家族とゆっくりしたいという人にはオススメです。パワハラ等の各種ハラスメント、コンプライアンスは徹底しているので温厚にぬくぬく生きていたい人に向いていると言えます。
向いていない人
向上人が強く、自律志向で、終業後も休日も仕事をして高給が欲しい人は向いていません。また、若手の裁量権も基本的にはないので技術力を付けたとしても社内政治の力学には到底敵いませんので注意が必要です。
給与
~400万円(新卒時)
※スキル、経験は特に考慮されません。
勤務地
全国各地
※3年に一度程度の転勤があります。
勤務形態
フレックス制度あり
リモートワーク制度あり
福利厚生
- 社会保険完備(労災、雇用、年金、健康)
- 介護休業制度
- 産休育休制度(男女とも実績あり)
- 慶弔休暇見舞金制度
- 交通費支給
- 住宅補助支給
- 退職金制度
おわりに
いかがだったでしょうか?
レガシーすぎて馬鹿馬鹿しいと思われたでしょうか?
たしかにそうかも知れませんがこれが今の日本のほとんどの大企業の実態だとも思います。
Web業界では自社サービスをAWS等にデプロイしてCDNで配信することなど当たり前かも知れませんが、一方で日本の多くの企業は自社の業務システムをパブリッククラウドにIaaSで再構築することも難航している状況です。
SIerやコンサル出身の方はマッキンゼーのDXレポートを読まれたかとは思いますが、日系大手企業がDXを遂げられない主要因はデータや技術力の欠如ではなく、ガバナンス・カルチャーに問題があるのです。
下図はLayerXというBlockchainをやめてFintec SaaSをはじめた企業の資料ですが、多くの日系大手企業はドキュメントの電子化、つまりペーパーレス・はんこレスに奔走しているレベルにあるのです。
日本ではソーシャルゲームやマッチングアプリの開発会社ばかり儲かっている印象を受けますが、私はDX系SaaSも非常にビジネスチャンスがあると踏んでいます。
それでは、日系大手企業が地に足を付けたDX改革に成功することを祈念して本稿はこれにて終了とします
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