一橋大生専用時間割アプリ「バシコマ」を開発した話 Vol.2 リリースに至るまでとその後

こんにちは。一橋大学の学生でエンジニアをやってる者です。
私(を含めたチーム)が一橋大生専用の時間割アプリを開発した話をしています。

Vol.1では、開発に至るまでの経緯をお話ししました。
このVol.2では、開発が完了しリリースに至るまでとその後のストーリーをお話しします。

リリースに至るまで

ベータ版リリースまで(2022.2~2022.6)

React NativeとFirebaseを使ってアプリを構築していきました。
どちらも初めて使う技術だったため、調べながら開発を進めていきました。
4月の頭には、シラバス検索と時間割作成(+認証機能)の最低限を作り終え、Expo Go(という開発ツール)を通じて3〜4人の友人に使ってもらいながらフィードバックをもらいました。
6月には一通りの機能開発を終え、iOSでベータ版を配信(Test Flightというアプリを使用)できるようになり、サークルやゼミのグループLINE、自分のTwitterなどを通じてインストールしてもらいました。
使ってもらった知り合いの皆から、めちゃくちゃ使いやすい!便利!という声をいただき、大変嬉しかったと同時に、ちゃんと公開まで持っていければ必ずヒットするという自信を得ました。
開発が迅速に進んだのは、Firebaseのおかげです。認証機能とデータベース(バックエンドを構築する必要なし)を効率よく作れました。
ただ、NoSQLであることによるデメリットは事あるごとに感じていました。

製品版リリースまで(2022.7~2022.11)

この時期は、新機能を開発しつつ、既存機能のバグや改善を行い続けていました。授業の課題を管理する機能、授業のレビュー機能、友達と時間割を共有できる機能、などです。
TestFlightアプリを一旦挟んでインストールしてもらう必要があり、若干面倒ではあったものの、人づてに少しずつ認知が広まり、数百人にインストールしてもらえました。
それと同時に、App StoreとGoogle Play Storeへの審査の準備を進めていました。
11月にはApp Store、12月にはGoogle Play Storeでの審査が完了し、晴れて検索すればインストールできるアプリになりました🎊

リリース後

アプリストアに公開した後、それなりにユーザー数は増えましたが、まだ数百人の域を超えませんでした。
それはそのはずで、みなさんすでに使っている時間割アプリがあり、そこに自分のデータが入っているので、それなりのスイッチングコストがありました。これはある程度予想していた通りです。
そのため、大きくユーザ数が増え出したのは、新学期のシラバスが公開され、新しい履修の検討が始まる2023年3月以降です。
3月末にユーザ数1,000人を超え、その4日後には2,000人を超えるという急増ぶりを見せ、運営もびっくりしていました。3,000人を超えるのは7月でしたが、その時には1年生の9割以上、2年生の8割以上がバシコマのユーザーとなってくださっていました。

一橋新聞、一橋map、一橋名鑑等の学内メディアに取り上げていただいたことも寄与していたかと思います。ありがとうございます。
記事のリンクを載せておきます。(一橋mapは掲載が終了していました)

現在(2024年2月)においても、バグ修正、機能改善を継続して行なっています。また、表には見えないところですが、裏側のコードをより見やすく(リファクタリング)したり、Javascript→Typescript化を進めることでバグが生まれにくい設計と開発の効率性向上に取り組んでいます。

今の課題は、一橋生にとってのデファクトスタンダードとなりつつあるこのアプリを、どのようにして出来るだけ長く維持していくかという問題です。私自身はあと数年で卒業してしまい関われなくなるので、コンピュータ研究会というサークルで運営していければ良いのですが、文系大学であるゆえの難しさがあります。



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