はぶく、ハブる、ハブでつなぐ
情報が乱立、爆発している
この乱世において、
『省く』スキルは必須ですね!
取捨選択、優先順位をつけて、
後から後から湧いて出る雑務を
省いていくこと。
棋士の羽生(はぶ)善治さんは、
人間とコンピュータの将棋の
違いを聞かれて、
こんなことを言ったそうです。
「人間は、
駄目なこと、無駄なことを省き、
消していくことで強さを得ます」
(逆にコンピュータは
足すことで強くなる)
処理能力に限界のある人間は、
省くことができないと、
情報や雑務の海に溺れていきます。
『結局、何が重要なんだっけ』
『あれ、石の中にいるぞ』と
いにしえのRPG「ウィザードリィ」の
取り返しのつかない失敗状態に
陥る危険性もあります。
こわいですね。
何がこわいかというと、
自分では良かれと思い
色々情報なり仕事なりを
頑張って集めているのに、
かえって身動きが取れなくなること。
かのモンゴル帝国の高官だった
耶律楚材(やりつそざい)は、
このような名言を残しました。
『一利を興すは
一害を除くに如かず、
一事を生ずるは
一事を省くに如かず』
要するに、省けるものは省け、
新しいことを闇雲に始めるより
そのほうがいい、という意味です。
…皆さんは、いかがでしょうか?
◯◯がいいよ、と言われ
何でもかんでも取り組んで
いつのまにか
『石の中にいる』なんて
ことはありませんか?
一日は24時間。
睡眠や食事や休憩を考えますと
多くても12時間。
本業やらを考えますと
どうしても自由時間は少ない。
お金もそう。
その有限で貴重な
時間とお金を使って、
本当にやるべきことなのでしょうか?
…ただし、気をつけることが
一つあります。
それは、省くのに夢中になり過ぎて
本当に大事なことまで
『ハブらない』こと。
ハブるとは、
つまり『仲間外れ』にすることです。
余計なものを省くあまりに
真に大事なものをハブいてしまい、
結果的にみんなからハブられた…
それではいかにも悲しい結末です。
ただ省くだけではなく、
省いたことによって生じた
空いた時間とお金を使って、
大事なものとしっかり、
スマートにつながる。
イメージは、
…言葉遊びみたいで恐縮ですが
『ハブ空港』のイメージです。
自転車の車輪の軸。
これをハブと言います。
四方八方にスポーク、輻(や)が
伸びています。ここから、
各地からの航空路線が集中し、
乗客や貨物を中継する機能を備えた
地域の拠点の空港を
ハブ空港と呼んだりします。
大事な人をハブるんではなく、
むしろハブ空港になるんです。
自分を中心に、大事なものだけ、
集中してつながるんです。
その意識を持って、見極める。
耶律楚材風に言って、まとめます。
『あれもこれもと手を伸ばし
すべてが中途半端になることは、
大事なものだけ取捨選択して
太くつながることに如かず』
省いて省いて、その上で
ハブ空港になりましょう。
ハブり過ぎに気をつけつつ…。