「高度2200メートルの歌声~告白雨雲」毎週ショートショート版
※こちらは先に公開したロングバージョンの短縮版です。
内容はほぼ同じで、410字になっております。
よろしければ、こちらもどうぞ💛
『高度2200メートルの歌声』
やあどうも。いい店ですな。一杯どうです?
ええ。ここへは出張で来たんです。仕事は簡単なもんですよ。いわれた場所へ行く、働く、次の町へ行く。
つまらんですが文句は言えんでしょうが?
そりゃ私だって、上に登りたかったですよ。
うちでいえば最上層には筋の通った連中がいます。
その次が、群れで働く奴らです。
悔しかったですね。誰かが上に移動するたび、はらわたがちぎれそうでした。
しかしですね。どれほど悔しくても、私は私でしかない。筋になれないし、群れにも入れない。
黒くて不穏で嫌われようとも、それが私です。
そう腹をくくったら、景色が変わりましたね。
こんな私でも呼んでくれる人はいるし、感謝される事もあるんですよ。
だからこの仕事でよかったんですね。
ああ、お帰りになる? じゃあ名刺でも。
私、『乱層雲(らんそううん)』と申します。会社では『雨雲』なんて呼ばれています。
明日の夜まで、この町で仕事です。
だから、あなた
明日は一日、傘をお持ちくださいよ。
【了】(改行含まず409字)
たらはさんの毎週ショートショートに参加しています。
今週のお題は 『告白雨雲』
へいちゃんはこちらです。
きゅん、よ。キュン♡!
ヒスイの書いたロングバージョンは、こちらです。
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