『絶賛・反抗期! 黙ってケーキを食う』 ヒスイの410字 【毎週ショートショートnote】
「アキラ、起きて!」
「うるせー、ババア!」
俺は高校2年生、母親と二人暮らし。絶賛、反抗期だ。黙って朝めしを食う。
「あんた、今日は誕生日よ。何が欲しい?」
「”仮面スターズ”」
「え?」
それ以上、何も言わずに家を出た。
ガキの頃、仮面スターズのおもちゃが欲しかった。でも家には金がない。何も言わなかった。
ただ、仮面スターズが欲しかった。
サクッと死んだ父親が、恋しかった。
それだけなんだ。
その夜はケーキが出た。
オカンが焼いたミニケーキの上には、初代仮面スターが描いてあった。
俺は黙って食った。
だが、試練はそこから。歴代の仮面スターズは6人だ。ケーキは6個。苦しい。
「うう……まだある!?」
「これは一緒にね」
最後のケーキは二つ。王冠をのせた親父と、ミニ冠つき俺の顔ケーキ。
「父さんそっくりになったわ。誕生日、おめでとう」
俺は絶賛・反抗期。
王様ショート×2を黙って食った。
十七年間ありがとう。
【了】408字
今回のお題は「ショートショート 王様」でした。厳しかった……字数が(笑)
毎週ショートショート。
お題は日曜日に出ます。ブーブークッション欲しいな(笑)
では、また明日お会いしましょうね💛
どんどん書くよ! 出てくるからさ、今!!
#毎週ショートショートnote
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