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「赤キャップの下は、つるりん顔」ヒスイのお仲人大失敗日記

今日は「感じのいい顔って、忘れるよね」と言うお話です。

たったいま、コジ部長の日記で、この画像を見て思い出しました。
ヒスイが若き頃に出会った、超絶恋愛べたな友人(男子のことです)

今回は、仮に「ナンノくん」としておこう。

ナンノくんは、会社員だった。
ヒスイの知り合いには、何が仕事で、食えてるのかどうかわからないヤツが多すぎて、会社員と言うだけでピカ―――っと光って見えた。

そして当時のヒスイは、
「あたしだって、ちゃんと落ち着けるのだ!」ということを証明したく、
あるいは
「え、彼氏? やだな、フツーの会社員だよ」などといい
『フツーの』を強調したいお年頃であった。

だから、こっちとしては、ナンノを落としたいわけである。

ところが、だ。
ナンノはヒスイに、まったく興味がないらしい。
むしろ、ヒスイの親友である美人かつバリキャリ・クリエイターのMちゃんに、めちゃくちゃ興味があるのだ。

ナンノは、何度もヒスイに頼んだね。
「呑みに行こうよ、Mちゃんつれてさ」
「テーマパークへ行こう、Mちゃんつれてさ」
「海(山、湖、滝、なんでもいい(笑))へ行こうよ、Mちゃんつれてさ」

ナンノがあんまり繰り返すので、
しまいには「連れてさ」が「釣れてさ」に思えたほどである。

ああもうめんどくさい。
しまいにはヒスイも根負けして、Mちゃんとの1日遊園地お出かけを設定してあげたのだ。

もちろん、ヒスイもついて行く。
ここまできたら、
ナンノがどんな手練手管を使って、Mちゃんをおとしにかかるのか、知りたいではないか!

ああいう、フツーの男ほど、意外な手を使ってくるかもしれぬ・・・


その日、ナンノは気合を入れた格好をしてきた・・・ナンノなりに。
ダンガリーのシャツ、ベージュのチノパン、黒いボディバッグ、赤いキャップ。

若者である。
20代前半の若者である。
しかも、堅い業種の会社員である。

まあまあ、かっこいいコーディネートであった、といえよう。

が。
相手はMちゃんだ。
当時のMちゃんは、アパレル関係の仕事をするフリーランスで
「ファッションは、そのひとのDNAをむき出しにするものだ」という信念を持っており
(ちなみに、この信念は、何ねん一緒にいてもヒスイには理解不能(笑))

うっかりチノパンにビットローファーをはいてきた当時のカレシが
秒で、全SNS、連絡先をブロックされた、という逸話がある。
きのどくに・・・ええオトコやったのに。
捨てるくらいなら、コッチに回せや!と思ったものだよ(笑)

さて、そんなMちゃんの前に登場したナンノ。
がんばったよ。
ナンノは精いっぱい頑張ったの。

テーマパークを隅々まで下調べして、
ゴハンの手配もやり、もう精いっぱいやり切った。
ひじょうに正攻法の攻め方で、ヒスイはむしろ感動した。
やるじゃないか、ナンノ!

で、1日のデートが終わり、解散。
ヒスイは気をきかせて、先に帰ろうとした。
が、こんどはナンノがしがみついてくる。

「ヒスイ、おれ、あのひとと二人で飯くうの、むりみたい」

カーッとなりましたね。
「いまさら、なにゆってんの!?
なんのためにこっちが1日付き合ってたと思ってんのだよ!」
「いや、だめ。むり。一緒にめしまで行ってくれよ」

ところが、であります。
こうやってヒスイとナンノがもめているうちに、
Mちゃんはサラリと、

「ヒスイ、あたし、このあと用があるから帰るね。あ、ナンノさんもありがとう!」

といって、帰ってしまうではないか!
このあと、ヒスイとナンノが大反省会をしたのは、いうまでもない。

ヒスイは、「最初からアカンとおもっていたのに、デート設定したあたしがアホや」とおもい、
ナンノは、「なぜ人の忠告を素直に聞かなかったのだ」と大反省。

そしてMちゃんとナンノのことは、それっきりで終わりました。

というか、後日、Mちゃんにナンノのことを聞いてみたところ、
「あー。あのベージュのチノパンに赤いキャップをかぶってきた人ね。
 あのひとさー、キャップの色が強すぎて、その下の顔って記憶にないのよね。
 どんな顔してたっけ?」


・・・ことほどさように。
Mちゃんの頭のなかは、ファッションオンリーで出来上がっていたのでした。
そりゃ、つるんとしたナンノじゃあ、太刀打ちできなかったよね・・・

ごめんよ、ナンノ。


その後、ナンノは会社の人と幸せに付き合い、
幸せに結婚したと聞きました。


・・・たぶん、と言うか絶対に、
あれはヒスイもダメだったな(笑)

あんなにモノ柔らかい顔をしている男には、
やっぱり、
柔らかい顔をした女子があうものなのよ。


本日、参考にさせていただいたコジ部長の記事はこちらです。
・・・気になる。
見せてくれなかった写真が、すごく気になります(笑)!



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