「ヒスイの花はいつ咲くんじゃ!?」ヒスイ、俗念の短歌(笑)
「砂色の壁にヤモリの静まれり
いのちの意義を三つ挙げよと」ヒスイ
今日は、ヤモリの短歌です。
実は先日、コジ様がヤモリ記事を書いていらっしゃいました。
リアルヤモリじゃなくて、マグネットヤモリなんですが。
画像がかなりリアルで、
ヤモリ好きのヒスイはうれしかった(笑)
ので、今日は短歌にしてみました。
ヤモリって、じっとしてますよね。
壁の高い所や天井にいる。
あれは「趾下薄板(しかはくばん)」という部分に超微細毛が生えていて、毛の先端がぴったりと壁面にくっつくので、あり得ない場所でも
貼りついていられるんだそうです。
(サンシャインアクアリウムの記事より。最後にリンクを貼ります💛)。
そして爪がある。
じっと息をしながら、沈思黙考しているような風情が
まるで哲学者ですね。
そして静かに、永遠にとけない問いを投げかけてくるような気がします。
あなたは、なぜ生きていると思う?
どうして生かされていると思う?
今ここで、あなたが呼吸している意味は何だろう?
じっと動かないヤモリを見ていると、そんなことを尋ねられている気がするんです。
わかんないです(笑)
わかんないけど、こういうことも、たまに考えたほうがいいよなあって
思うんです。
<゜)))彡 <゜)))彡 <゜)))彡
最近、ヒスイは瀬戸内寂聴の『秘花』という本をよみました。
室町時代前期に活躍した能役者、世阿弥について書かれたものです。
世阿弥は幼少時から才能が輝くような美少年で、当時の将軍、足利義満が
寵愛し、世阿弥一家・観世座はぐんぐん人気を得ます。
しかし義満が亡くなり、次代将軍の足利義教になると
世阿弥より、世阿弥の甥をひいきにしました。
時代が変わったわけですね。
そしてついには、世阿弥自身が佐渡への流刑を言い渡されます。
そのとき72歳。
72歳ですよ!? 室町前期に70歳まで生きるっていうのは
もう奇跡的な長寿ですよ。
なのに、佐渡へ。
そのあと世阿弥が許されて京へ戻ったかどうかは、記録がないそうです。
その世阿弥、能楽師の才能について、こんなことを言っています。
『上がるは三十四、五までのころ、下がるは四十以来なり』
……ちょ。
きびしくない?
なんでも本当に才能があるひとは、
35歳くらいまでに一度は人気がでる。
これを『時分の花(じぶんのはな)』というそうです。
技・体がそろっている時期ですね。
ここで一度、大バズりを取らなければ、次の『まことの花』に行けないんだって。
……うそ。
まじ?
絶望したヒスイに、世阿弥はこう言う(いや、いってないって(笑))
「安心しろ、50代以降には、別の花が咲くから! いけるから!」
『老木(おいき)になるまで、花は散らで残りしなり』
……きっと。
室町前期と令和では、
35歳の意味が違うんでしょう。
もっと後でも、なにかバズる可能性があるはずですよ……
え?
ない?
……そうですねえ……
どうなんでしょうか、ヤモリさん……。
など、ふとウチにいる空色のヤモリを見ながら、
ため息をついちゃったヒスイです。
<゜)))彡 <゜)))彡 <゜)))彡
このヤモリは、ヒスイの師匠筋にあたるヒトからいただいたもので、
ものすごく、かわいい。
絵柄もかわいいし、
色もいい。
表情もチャーミングでしょ?
これを作った人もやっぱりすごいチャーミングで。
会うたびに、心がほわっとするんです。
ヒスイは大尊敬&大好きな人です。
そんな彼女も、悩んだ時期があったそうで、
一時はメキシコへ行き、そこで海を見ながら、ぼううううっと
3カ月も暮らしていたとか。
「3カ月、何をしていたんですか?」
「えー、海見て、お酒飲んで、絵をかいてたら
あっという間に過ぎちゃったよ」
ヒスイ宅には、彼女がメキシコ滞在中に描いた絵もありますが、
実に、柔らかい、温かい色をしています。
線がまた、微妙にずれてて、
形が絶妙にゆがんでいて、
見るだけで、心がなごむんです。
彼女は、非常に才能にあふれる人ですが、
商業的にはそれほど成功していません。
ただ絵を描くのが好きで、
大好きで、
それだけで食べてきた人です。
絵が好きということだけを
貫いている人です。
メキシコにわたったころは、40代前半だったと思うんですが、
いろんなものを振り捨てて、
やっぱり絵だけを握りしめて
帰ってきた人です。
こういう人を見ると、
『時分の花』はいつ咲くかわからなくて、
気が付いたら、『まことの花』が静かに寄り添っているような気が、
するんです。
花の咲き方は、人それぞれです。
そして一つの花も咲かない人はない。
迷う時、苦しいときは、
壁にたたずむヤモリを見て、
呼吸の意味を考えてみたいなと
思いました。
……うん、だからね。
ヒスイのバズり時は、いつ来るのよ(笑)!?
首にナフキンをまいて、
ずーーーっと待っているのになああ(笑)
本日も煩悩が尽きぬヒスイでした(笑)
また明日、お会いしましょう💛
ヤモリについては、こちらへ。