従兄弟の結婚式で叔母さん家族に総スカンを食った怪談より怖い話
これは下手をすると
「自慢かよ」と言われかねませんが最悪なお話しです。
10年ほど前の話です。
従兄弟の結婚式に招待されました。
私の母親の妹の子供の結婚式でしたので、本当は私の両親だけ行けば済む話だったのですが、出席者が少なくて格好つかないから、と頭数要員で家族でお呼ばれしました。
めでたい席ではありますが、露骨にそれも失礼な話だなと思いました。
従兄弟とは子供の頃は遊んでいましたが、私的に従兄弟の考え方と言うか行いというか、相容れない人だったので、結婚式に招待されたのは正直迷惑でした。
まず第一の総スカンポイントです。
その日の朝、結婚式に出席する為に美容院で髪をセットして貰いました。
どんな髪型がいいか解らないので、美容師さんにお任せしたところ、段違いのツインテールをチリチリにした髪型ができあがりました。
式の会場はというと円卓が並べられており、私達の席は身内ということで一番後ろの席でした。
私達の後ろ、式場の一番後ろには、結婚式を撮影する(そこそこ)立派なビデオカメラと、撮影のおじさんが立っていました。
式が始まり椅子に座っていると、後ろのカメラのおじさんがしきりと私に話かけて来ました。
ちゃんと撮影しなくていいの????
とこちらが心配になるほどに話し掛けてきて、ついには空いた隣の席に勝手に座ってきたりするのです。
いや、でも仕事なんだからちゃんと撮ってはいるよね?
とは思ったのですが、その事で凄く気になっている事がありました…。
そんなこんなで前半が終わり、新郎新婦がお色直しに入りました。
撮影のおじさんは更に調子よく私に話し掛けてきます。
母親も妹も怪訝に思ってはいたみたいですが、その場では口にしませんでした。
少しするとお色直しが終わり、煌々と照らされた会場の入り口のドアが観音開きになり、新郎新婦が入場してきました。
それを見た私は愕然としました。
新婦の髪型が私と同じだったからです。
この後、新郎新婦が各々のテーブルを回って歩くキャンドルサービスというイベントが発生するのですが、もう私は居たたまれない気持ちでいっぱいでした。
段違いのチリチリツインテールという、段の位置も同じな髪型の人が2人いるわけですから、気まずいですよね。
結婚式という晴れ舞台、頭もドレスも綺麗にお支度をしてもらったのに、只の参列者の私と同じ髪型なのですから、あちらも気分悪かったと思います。
その間も、カメラのおっさんは調子よく私に話し掛けてきていました。
帰りのお見送りも、とても肩身の狭い思いをしました。
新婦も私と目を合わせません。
余りにもなので、美容師さんにはめられたのかと疑心暗鬼にもなりました。
・・・・・・・・・・
無事に?結婚式が終わり、一週間ほど経ったある日こと。
叔母ちゃんが鼻息も荒くやって来ました
ここで第二の総スカンポイントです。
叔母ちゃんはフガフガしながら、何か怒っています。
話を聞くと、とんでもない話でした。
「結婚式のビデオ!翡粋ちゃんしか撮ってなかった!!!」
私も母親も「え?!何の話?」 ですよね。
興奮している叔母ちゃんの話はというと。
ビデオ屋さんに頼むと高くなるから、カメラを持ってる知り合いに(調子イイおじさん)に撮影を頼んだのだそうです。
そして出来上がって来たビデオの中身を確認すると、ほぼ私しか撮ってなかったのだそうです。
「お金出して頼んだのに!! 結婚式のビデオじゃなく翡粋ちゃんのビデオだった!!!!!!」
と吐き捨て帰って行きました。
いや、もう、そんな事言われても、私も母親も頭の中が大混乱ですよ。
私が魅力的過ぎて申し訳ないとしか…。
それは冗談ですがwww
私も母親も、なすすべも無くただただ、困り顔を続けていました。
そして私が気になっていた事というのがそれでした。
まさかなとは思っていたのですが、結婚式の時のビデオカメラがずっと私の方を向いていたんですよね。
でも、もしかして他にも撮影している人がいて、この人は会場の様子を撮っている人なのかな、なんて思っていたんです。
普通そんな無駄な人員はいないと思いますが、まさか自分が撮られているなんて思わないじゃないですか。
だって結婚式の撮影って一発勝負の絶対に失敗が許されないものなんですから、まさかまさかでした。
それもですが、その私のビデオw。
私がずっと撮っていると言う事は、そのおじさん、ビデオ越しにジッと私のことを見てたって事ですよね…。
「そのビデオ持ってきて見せるか?!」
と言われましたが遠慮しました。
完全に私に落ち度は無い話ですが、今でも根に持たれてるかもしれません...。
... という
「私が叔母さん家族に総スカンを食らった怪談より怖い話」
でした。