鬼畜という残骸
朧月夜の美しい今日この頃
皆様いかがお過ごしでしょうか
貴方は80〜90年代と聞いて何を思い浮かべますか?
新幹線上野駅、グリコ・森永事件、ドーハの悲劇、バブル崩壊..たくさんの変化があり、日本の発展の要となった時代です。
”変化の裏には歪みあり”
日本が急成長していく裏では、当然歪みも生まれるのです。
この時代を代表する歪みはと言われたら
”鬼畜・悪趣味ブーム”でしょうか。
当時のメディアは現代では流せないであろうワード、コンテンツが飛びに飛び交っていました。それが徐々に規制されてゆく中で”社会が隠しているものが真実だ”というアンチテーゼが生まれました。
”鬼畜”という言葉自体抽象的なもので、〇〇をしていたらと一括りにすることが難しく、自身の解釈に委ねられるものではあります。「世の中に潜む異常なものを観察して不謹慎なことを言いながら遊ぶ」ことを提示しており、犯罪を推奨する様なものは紛い物だ、と考える人もいる様です。(ロマン優光さん)
このブームの代表とも言える雑誌があります。
名前は「危ない1号」
まぼろし博覧会の館長でお馴染みのセーラちゃんこと、鵜野義嗣さんが設立した株式会社データハウスの出版誌で、「妄想にタブーなし」を謳い文句にドラッグ・ロリコン・電波系・カルト漫画にゴミ漁り。ありとあらゆる悪趣味と違法スレスレの危ない情報を体系的に網羅した雑誌。本当の”なんでもあり”だったらしい。
「危ない薬」という、鬼畜ブームには欠かせない本の著者、青山正明が編集長として出版されました。
この雑誌には、村崎百郎さんや「ねこぢる」でお馴染みのねこぢるさんなど、年代のサブカルチャーを担う数々の作家さんの作品が掲載されていたそうです。
「より良い社会に」をモットーとして発展してゆく中で、わざわざ悪いものを残しておく必要がないというのは重々承知でも、それでも”体験してみたい”と願わせていただきます。
これから私は鬼畜の残骸を求めて走り回ります。これからも残骸を集めるだけの人生になりそうな勢いです。