市川雛菜S.T.E.P感想 自分に従うことについて
・まえがき
雛菜さんは決定的な出来事で自論が生まれて雛菜さんになるタイプではないと思っていたので安心しました。
今回も総括して内容に触れたいと思います。だがしかし、の手前までしか読んでいない状況であれこれ述べても違うので。
・本編について
雛菜さんは自分の支配下にちゃんと自分を置いてる人なんだよなというのが大まかな感想です。いつだって自分のしたいことに、楽しくしあわせであれる方に向かっていける。
自分の快不快を判断して動けるってすごいことだと思うんですよ。例えば映画や小説があったとして、多分自分の好きな作品で、そこに時間を費やせば後悔しないだろうって思うようなものが手元にあったとしてそれを選べますか?
僕は出来ないで積んでるものがいくつもあります。ただダラダラスマホをいじって時間を無駄にして(今日なんにもしなかったな……)って思うようなことが。目先の(時間や費用なんかの)コストに気を取られて何も出来ないでいるようなことってあると思うんですよ。タイパコスパの叫ばれる時代においても。
でも雛菜さんは自分の感性に従える。自分の支配下にきちんと自分を置いてやりたいことができる。W.I.N.Gではそれも含めてアイドルの才能として描写されてたと思います。だから雛菜さんの笑顔に嘘偽りはない。
途中、25歳女性アイドルが出てきたのは多分その対比で、笑えなくても笑顔を作らなきゃいけない。辛くてもそれをしなければならない。追い詰められた状況にあって何も出来なくなってしまう。色んな現実が見えてしまって先のことが分かってしまうからこそ、今の自分で選べなくなってしまう。
コンビニで雛菜さんは欲しいお菓子を全部買いました。僕なんかは読みながらおこづかい大丈夫なんだろうか……(描写的に市川家は裕福っぽいですが)と思ってしまう、つまり先のことが目に入って『今』の自分をしあわせにしてやれないです。
きっと自分をしあわせにするのって簡単なはずなんだけどね。
アイドルになるって決めてアイドルになった雛菜さんとアイドルになりたくてなれなかった女子高生3ちゃんの違いもそこにあるんでしょうね。努力を積み重ねてなるものだったはずで、嫌なことを積み重ねてしまった。そしてアイドルになれなかった。
最後で雛菜さんが努力したんだよねという風に自分で納得して去っていくシーンがありますが、多分雛菜さんはそれを努力だとは思ってないです。自分と折り合いをつけるだけの想像の余地で勝手に納得した。
個人的にはまた出てきてほしいです。女子高生3ちゃん。理解者にはなれないけど、近くにいてほしい。
W.I.N.Gでは楽しいことと楽することは違うってことを学んで次に進んだ雛菜さんですが、楽な未来のためにつまらない今を浪費することを承知したというより、こうすればもっと良くなれると実体験で理解したんだと思っています。
彼女の自分自身に従ったしあわせな今の先に、しあわせな未来のあることを願います。